二つ前方後円墳は夫婦のお墓

松岡公平

エピソード1(脚本)

二つ前方後円墳は夫婦のお墓

松岡公平

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〇ゴシック
  大阪府堺市の「大仙古墳」が世界遺産に登録された。

〇原っぱ
  ある丘陵に二つの前方後円墳がある。

〇霧の中
  そこは、かって「死の谷」と呼ばれていた。

〇古びた神社
  人々にとっては、神の領域であった。

〇原っぱ
  一つは、丘陵の一番高いところに築造されている。

〇海岸の岩場
  もう一つは、海に面し、斜面は葺石に覆われ、富士山が望める。

〇不気味
  二つとも山肌を削り取り、お墓の形になっていた。

〇魔法陣2
悟「古墳にもいろんな形があるが、前方後円墳って神神しいね!」
悟「一番高いところに築造されている古墳には、きっとこの地域の支配者が埋葬されているよ!」
亜由美「そうだとすると、黄石のあったお墓は、畿内から嫁いできたここの支配者のお方様が埋葬されているのよ!」

〇幻想
  亜由美は、嫁いで来た姫君を辛夷姫(こぶしひめ)と名付け、空想にふけった。

〇朝日
「葺石は、太陽にてらされキラキラ輝き、航海する小舟の道しるべとなっていた」

〇紫(ダーク)
  身分のある父君は、嫁いでいく辛夷姫に「故郷はお墓の中にある」と告げた。

〇赤いバラ
  辛夷姫にとって嫁いだところのお墓に入るのが定めだった。

〇海
  この地域を治める若者のお方様となった辛夷姫は、侍女と随伴を連れて、二十数名程乗れる舟で黒潮に乗ってやって来た。

〇海辺
  前方に見える富士山は、段々と後ろに遠退いていった。
  湾に入ると富士山は見えなくなった。

〇神社の本殿
  嫁いだ辛夷姫は、石釧、菅玉を身につけ、威光を増し、祭祀を司った。

〇手
  畿内勢力は、この地を支配していると誇示するためにお墓を築造した。
  前方後円墳は、畿内勢力だけに許されていたお墓だった。
  畿内勢力の影響力があるよと言わんばかりに、この地の支配者は、生きているうちにお墓を造った。

〇青(ディープ)
悟「生前にお墓をつくることを寿陵というんだ」
悟「5W1Hという考え方の整理の仕方しっている」
悟「誰が、いつ、どこで、何を、何故、どのようにということかな」
悟「”誰が”とは、埋葬者、築造を命じた人、作業にたずさわった人たちとあるよね!」

〇青(ディープ)
悟「埋葬されているのは、この地の支配者にきまっている!」
この地の支配者「この地域を支配しています」
悟「誰が造ったか、築造の労働力がどうだったのだろう」
悟「前方後円墳の築造の仕方を熟知している人がいなければ築造できないだろう」
悟「きっと、たの地域からやって来た人たちがいたのだろう」
古墳築造チームの一員「お墓を造りにやって来ました」
悟「村人たちもお墓を造れば村を守ってくれると信じて協力したのだろう」
村人「ご先祖様を敬っています」

〇青(ディープ)
亜由美「お墓をつくるには何年もかかるわ!」
亜由美「遣って来た人たちが寝泊りする所が必要になるは」

〇けもの道
悟「”築造キャンプ”、今で言えば”飯場”だ」
悟「そういうものがあったのだろう」

〇古代文字
亜由美「いつは、土器の編年研究ね」
悟「出土した土器の情報から年代を推定する研究だね」
悟「この古墳は、4世紀後半頃とされている」

〇原っぱ
亜由美「古墳のあるところは、当時、何と呼ばれていたのだろう?」
亜由美「古東海道の近辺にあって、山を下りて、舟で、東京湾を渡って、安房の国、下総の国、上総の国に向かったようだが」

〇魔法陣
悟「時代の画期に古墳時代とあるように、前方後円墳の築造は、地域統合のやり方だったのだろうか」

〇青(ディープ)
亜由美「中央の権力者、地域の支配者、古墳築造チーム、政略結婚を担わされた辛夷姫、村人たち、登場人物はこれくらいかしら」

〇沖合
悟「畿内勢力が東進してくる」
悟「何を求めて東進してくるのか」

〇草原
悟「東京湾を渡った先にある安房の国、上総の国、下総の国は、作物が豊かにとれる」
悟「東進の要因になるのでは?」

〇ゴシック
悟「前方後円墳も多く築造されている」

〇青(ディープ)
悟「史実の研究も進んでいる」
悟「亜由美の想像力は面白い」
悟「「過去が現在であり、現在が未来である」ということも言い得ているように思う」
悟「この古墳を眺めているとなつかしい、 我々は歴史の中にいるんだね!」

コメント

  • この作品、「二つ前方後円墳は夫婦のお墓」は、歴史をテーマにした興味深い物語ですね。古墳の築造に関わった人々の想いや、辛夷姫の新しい生活への期待など、登場人物たちの思いが描かれています。また、古墳時代の地域統合や政略結婚についても考えさせられます。作中の古墳築造チームや村人たちの協力も印象的ですね。この作品を読んでいると、歴史の中に身を置いているような感覚に陥ります。亜由美の想像力も面白く、過去と現在のつながりを感じさせられます。古墳の中に眠る人々の物語に思いを馳せながら、この作品の世界に浸ってみるのもいいかもしれませんね。

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