転生した妹と召還された兄

筑豊ナンバー

4、決着(脚本)

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〇洞窟の深部
不知火 明花「ガハッ!!・・・」
カーミラ・ミレー「いい加減娘の居場所を吐いたらどうだ?」
不知火 明花「・・・」
カーミラ・ミレー「このまま死にたいのか!!」
不知火 明花「アサシンは情報を死んでもはかない。 あんたもわっかてんだろ?」
カーミラ・ミレー「・・・」
不知火 明花「あんたは人情に厚く、誉をだいじにしていたはずだ!!」
不知火 明花「そんなあんたが子供を傷つけることに加担してまで復讐なんてするんだよ!!」
カーミラ・ミレー「貴様にはわかるまい!!」
カーミラ・ミレー「降伏して無抵抗の同胞が!!無関係の民が太陽にさらされ灰へ変えられ処刑された!!」
カーミラ・ミレー「死んでいった者たちの怒りを我以外の誰が晴らすというのだ!!」
カーミラ・ミレー「我はただ・・・」
不知火 明花「俺も少し前まで復讐のことしか考えていなかった。 だがあるバカなお人好しとであってきずいたんだ。 こんなこと間違ってる」
不知火 明花「もうあんたもわっかってんだろ?」
カーミラ・ミレー「・・・・・・」
カーミラ・ミレー「・・・もう今さら後戻りは出来ぬ」
不知火 明花「だったら!!」
カーミラ・ミレー「勝手に拘束が解けただと!?」
不知火 明花「俺は手癖が悪くてな。指先さえ動けばあらゆる小細工ができるんだよ。あんたの鎖の拘束は見事なもんだったが──」
不知火 明花「俺に対して四肢の拘束だけじゃあ不十分だ」
不知火 明花「尋問の時間に完成したガチの拘束術をそのみをもって味わいな!!」
カーミラ・ミレー「今更こんなもの!!」
カーミラ・ミレー「!?」
カーミラ・ミレー「なぜだ!?なぜほどけん!?」
不知火 明花「さっきあんたが抜け出せたのはあんたの鎖と同じ四肢を拘束しただけの簡易的なものだ」
不知火 明花「だが今回のは違う!!丁寧に首、胴体、指先まできっちり拘束し、無理やり動けばさらにきつく締まるおまけつきだ!!」
カーミラ・ミレー「だが我を拘束したところで吸血鬼である我を殺すすべを貴様は持っていないだろう?」
不知火 明花「わざわざ洞窟に引きずり込んでくる時点で太陽が苦手な相手なのは分かっていた」
カーミラ・ミレー「まさか貴様!?」
不知火 明花「とっておきの仕掛けを食らいやがれ!!」
不知火 明花「何とかなったな・・・」
不知火 明花「ッ・・・さすがに無理しすぎたか」

〇洞窟の入口(看板無し)
不知火 明花「クソッ!!・・・雨が降ってるのを忘れてた」
カーミラ・ミレー「我を完全に拘束し、外へ引きずり出したのは褒めてやる。だが詰めが甘かったな・・・」
不知火 明花「ちくしょう・・・ここまでかよ」
カーミラ・ミレー「拘束の方もさすがに緩まったな」
カーミラ・ミレー「うむ」
カーミラ・ミレー「太陽が出る前にかたをつけてやろう」
「カーミラお姉ちゃん!!」
カーミラ・ミレー「アイカ!!」
不知火 明花「馬鹿野郎!!なんで戻ってきたんだ!!」
アイカ「カーミラさん!!もうやめて!」
カーミラ・ミレー「・・・我には果たさなければならない勤めがある」
アイカ「カーミラさん!!」

〇西洋の街並み
レイナ「お母さん!!」

〇洞窟の入口(看板無し)
カーミラ・ミレー「私は・・・」
不知火 明花「カーミラ。お前・・・」
カーミラ・ミレー「な!?」
カーミラ・ミレー「晴れてしまうとはな。どうやら時間をかけすぎたようだ」
アイカ「カーミラさん!!」
カーミラ・ミレー「明花!!アイカを頼──」
不知火 明花「オラァ!!」
カーミラ・ミレー「何をする!!?」
不知火 明花「うるせえ!!早く洞窟に戻るぞ!!」

〇洞窟の深部
不知火 明花「どうだ?落ち着いたか?」
カーミラ・ミレー「・・・なぜ助けた? 我は貴様を殺そうとしたのだぞ?」
不知火 明花「あんたとはこうして一度腹を割って話すべきだと思ったんだ」
カーミラ・ミレー「それだけの理由で? そんなに話したいこととはなんだ?」
不知火 明花「・・・俺もあんたと同じように『あの戦争』で一族の大半を失ったんだ」
不知火 明花「運良く生き残ったのは師匠と兄貴だけだった。戦後は復讐に燃えたよ。どんな手使ってでも仇を取ろうと思ってた。だが──」
不知火 明花「ある馬鹿にコテンパンにされてな。 そのバカは俺を受け入れ居場所まで作ってくれたんだ」
カーミラ・ミレー「それだけで復讐をやめたのか? 貴様の憎しみはその程度のものだったのか?」
不知火 明花「そんなわけねぇだろ!?」
不知火 明花「今でも両親や弟弟子たちのこと思い出せば何もかもぶち壊したくなる!!だがな!それじゃあダメなんだよ!!」
不知火 明花「俺が復讐しようとしていた相手の中には俺に家族や親友を殺された者もいる!勝った側にも失ったやつは大勢いるんだ!!」
不知火 明花「俺はそれから視野を広げて周りを見てみた。そうしたらほとんどがお人好しのバカだったってきずいたんだ」
不知火 明花「あんたもそれにきずいてるはずだ」
カーミラ・ミレー「我は・・・」
アイカ「カーミラさん!水持ってきたよ!」
不知火 明花「それにアイカから聞いたぜ?あんた影で自分の娘のようにアイカを可愛がってたんだってな?」
カーミラ・ミレー「そんなもの罪悪感から逃げるための行動だ。我らは子供たちを犠牲に力を得ようとしているのだぞ?」
不知火 明花「だったらこれから償えばいい」
カーミラ・ミレー「償う?どうやって?」
不知火 明花「俺と一緒にアイカを東の国まで護衛するんだよ!!」
カーミラ・ミレー「そんなことで許されるわけが──」
アイカ「カーミラさん!!これからお願いします!!」
カーミラ・ミレー「良いのか?寝込みを襲うかもしれぬぞ?」
不知火 明花「そんときはまた日光に晒してやるよ!」
カーミラ・ミレー「そうかならば安心だ・・・これからよろしく頼む」

〇けもの道
杉本 継治(なんとか逃げきれた。 あとはこの女がまともに話せるかどうか・・・か・・・)

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