花姫様と最強の冷徹騎士様

ちゅるちゅるめん

攻防戦(全編)(脚本)

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〇大広間
  1ヶ月後
蝶々夜胡桃「ローゼ凄い!前よりも大分踊っているところが様になっているよ!」
シャイローゼ「本当?だとしたら3人が付き合ってくれたお陰よ。ありがとう」
ノンヴィティエス「このまま行けば学年末のパーティーに参加できるかもね!」
アレグラット「そうですね。その時はこの4人で共に参加したいものです」
蝶々夜胡桃「そうだね、私とアレグラットのペアと、ローゼとヴィーのペアだったよね?」
ノンヴィティエス「そうだよ。でもその前の学年の攻防戦では絶対に勝たせて貰うからね?」
蝶々夜胡桃「いやいやいや、私のクラスもかなり強くなったんだよ?絶対に私たちが勝ってみせるから!」
シャイローゼ「じゃあ冬休みにここで私たちだけの打ち上げパーティーをしましょう?・・・まあ私たちのクラスの祝勝会になるかもしれないけど」
蝶々夜胡桃「うぅ、絶対勝ってやるわよ!首を洗って待っていなさい!!」
アレグラット「凄く物騒・・・」

〇基地の広場
  攻防戦大会当日
ノンヴィティエス「今日は頑張って優勝しようね!」
アレグラット「えぇ、僕は特効チームのAなので2人とは離れますが、お二人の無事をお祈りしています」
シャイローゼ「えぇ、必ずヴィーのことを守るから。アルは敵のリーダーを早めに倒してね」
ノンヴィティエス「僕たちが使う防御決壊の魔法はかなり魔力を使うから・・・次の試合で使えなくなったら困るしね」
アレグラット「えぇ、勿論。目標は15分以内に終わらせることですかね」
シャイローゼ「期待しているわよ。じゃあ、私たちは城内にいるから」
「頑張ってね!」
アレグラット「お二人もお気をつけて」

〇基地の広場
アナウンス「双方戦闘の用意してください。 1分後に試合を開始します」
他クラスの生徒「はぁ・・・本当にやる気でねぇな」
他クラスの生徒「そこのあなた、言葉遣いが汚いですよ。それに先生方が考えた行事を冒涜してはいけません」
他クラスの生徒「だってよ、こんなんしても意味ねーじゃん。それなら女子と話せる社交界の方が何倍も楽しいしなぁ」
他クラスの生徒「ですから言葉遣いが・・・もういいです。とりあいず、早く終わらせたいのであれば早く敵を倒しに行くのがベストでは?」
他クラスの生徒「いやよく考えてみろよ。相手には冷酷の騎士様がいるじゃん?こんなん負け試合なんだって。適当にやり過ごす方が賢いと思うけどな」
他クラスの生徒「・・・それは、そうですが・・・」
アナウンス「試合3秒前! ・・・3・・・2・・・1・・・」
アナウンス「試合開始!」
他クラスの生徒「なんだ、相手のクラスに見える半透明のものは・・・防御結界か?!」
他クラスの生徒「落ち着いてください、あれだけ大規模なものであれば魔力消費が激しいはずです。長期戦に持ち込みましょう」
他クラスの生徒「だがあれでは防御側に人数が片寄っている筈だ。攻撃部隊で結界を壊しにかかるぞ!」

〇砂漠の基地
アレグラット「相手側が攻めてきました。特効チームA、敵を複数人で囲い、確実に倒してください!」
アレグラット(俺もいくか)
他クラスの生徒「グアアアア!」
アレグラット(誰だ?)
琉翔「貴様に良い格好はさせないぞ!ウォォォオオ!」
アレグラット(燃えているな。確かにこいつの勢いと耐久性は抜群だ。俺は他のサポートに徹するか)
アレグラット(──しかし気になることがある)
アレグラット(普段ここ一帯に住んでいる動物達が見当たらない。それに妙な魔力も感じる・・・)
アレグラット(少し調べてきたいが・・・試合中は無理だな。即刻終わらせて、休憩時間に調べに来よう)

〇砂漠の基地
実況「第1戦目は、1_Bの勝利です。これから10分間の休憩に移ります。次に出場するクラスは・・・」
アレグラット(よし、行くなら今しかない)
シャイローゼ「アル、お疲れ様。どこに行くの?」
アレグラット「シャイローゼ様・・・実は戦場にいるとき、気になることがありまして。それを今から少し調べようかと」
シャイローゼ「いいけれど・・・次の試合までには戻ってくるのよ?」
アレグラット「勿論です。では」

〇霧の立ち込める森
アレグラット「よし、気になってたのはこの辺りなんだよな」
アレグラット「・・・やはり緩やかな風の音以外聞こえない。鳥のさえずりさえも・・・」
アレグラット「何かおかしい。だが、漂う魔力がここ辺り全て濃すぎてどこが怪しいのかわからない・・・」
アレグラット「・・・まさか、ミルェーツか・・・?」
アレグラット「いや、確証はない。変に教師達に言っても場が混乱するだけだろう」
アレグラット「いざというときのための準備はするか・・・」
アレグラット「奴らしきものが出たら即刻・・・首を落としてやる」
???「う~ん、やっぱ気付かれてたか。あの騎士様はやっぱり強いなぁ」
???「・・・まぁ、気付いても僕は用意したことをやりきるだけだ。僕のお姫様のためにね」

〇砂漠の基地
シャイローゼ「おかえり、アレグラット。時間ギリギリだけど、何かわかった?」
アレグラット「・・・なにも見つかりませんでした。ですが、森には濃い魔力が漂っており、動物達もおりませんでした」
アレグラット「シャイローゼ様は結界内から何があっても時間まで離れないでください。そして、移動の際は必ず僕から絶対に離れないでください」
シャイローゼ「かなり深刻な状況なのね。わかったわ。先生方にはまだ言わないでおくけれど、帰ったらお兄様にも話しましょう」
アレグラット「了解しました」
実況「これより試合を開始します」

〇砂漠の基地
シャイローゼ「さて、この試合で私たちは最後ね。絶対勝ちましょうね、アル!」
アレグラット「・・・はい」
シャイローゼ「やっぱり、さっきのは気になるわよね。でも、考えすぎたらいざというとき動けなくなってしまうわよ?」
アレグラット「そうですね。今はとりあいず、試合のみに集中します」
シャイローゼ「えぇ。じゃあまた後で」
アレグラット「はい。ではまた」
  数刻後
ノンヴィティエス「敵は籠城作戦で返り討ちにするつもりらしいね。そしてアレグラット達がもうすぐあちらに辿り着く」
ノンヴィティエス「このままだったらきっと勝てるけれど、シャイローゼさん、まだ結界は持ちそう?」
シャイローゼ「ええ、大丈夫よ。他の皆が補助してくれてるしね」
ノンヴィティエス「あともう一踏ん張りだ。最後まで気を引き締めず・・・」
「!?」
生徒「な、なんですか。今の鳴き声のようなものは・・・?」
ノンヴィティエス「1度落ち着いて周囲を見渡して。何かあったらすぐ教えてね」
シャイローゼ「あ、あれ!」
生徒「あれ、何?魔人?いや悪魔・・・?」
ノンヴィティエス「空に複数体・・・あれは恐らく悪魔と魔族の群れだ・・・」
シャイローゼ「ねぇ・・・全員こっちに真っ直ぐ飛んできてない・・・?」
ノンヴィティエス「皆、防御結界を強固にしろ!魔力に余裕のある俺が結界を張る。皆は補助魔法でサポートを!」
「はい!」
生徒「おい、なんだあれは・・・」
生徒「あれ不味いわよね・・・早く倒さないとあっちに残ってる人たちが!」
アレグラット「すみません、ここは頼みます」
生徒「は?アレグラット、お前、任せるったって・・・」
アレグラット「僕は、一刻も早くあっちの人たちを・・・シャイローゼ様とヴィンセント様を助けなければ!」

〇砂漠の基地
シャイローゼ「ヴィー・・・あとどのくらい持ちそう・・・?」
ノンヴィティエス「もってあと数分かな・・・あんなに大量に攻撃されたら壊されそうな箇所を直すので手一杯だ・・・」
シャイローゼ「先生方も倒すのにかなり時間がかかっているわ。それだけの強さを持つ相手ってことよね」
シャイローゼ「誰か助けて・・・」
???「Level Ⅱ 水魔法 【ウォーターボール】」
ノンヴィティエス「なんだ、突然モンスター達に水が?!」
???「level Ⅴ 雷魔法 【感電】」
アレグラット「遅くなって申し訳ありません!僕が戦うので、皆様はまだ中にいてください!」
「アル!/アレグラット!」
アレグラット「浮遊魔法!」
アレグラット「level Ⅶ 範囲型雷魔法【天の怒り】」
アレグラット(かなりの数を倒せた・・・だがまだ残っている)
アレグラット(この後に備えて、残りは剣で倒す!)
ノンヴィティエス「・・・【天の怒り】、あれはlevel Ⅲでもかなりの魔力を使い果たし、常人なら暫くの間は動くのが難しくなる魔法だ」
ノンヴィティエス「だが彼はlevel Ⅶを撃って尚、動き続けていられている」
ノンヴィティエス「彼は・・・一体どんな生活の中を生きてきたんだ?」
シャイローゼ「わからないわ。だって、アルは私にでさえ長年話してくれないんだもの。でも・・・」
シャイローゼ「アルはね、初めてあったときから少しも笑わないの。笑わないというより、笑い方を忘れたような・・・」
ノンヴィティエス「・・・僕、じっとしてられないや。アルを助けに行くよ」
シャイローゼ「!!ヴィー、危ないわよ!」
ノンヴィティエス「シャイローゼさん。僕はね、アレグラットを親友と呼びたいと思っているんだ。でも・・・」
ノンヴィティエス「彼は、自ら誰の手も借りようとしない。だから孤独な彼を助けてあげたい」
ノンヴィティエス「それがどんなカタチであっても」
シャイローゼ「え・・・?」
ノンヴィティエス「一瞬だけ結界の一部に穴を空ける。すぐに直すから。皆は強化に集中してね」
シャイローゼ「・・・私も行くわ。魔法だったら私だって・・・」
ノンヴィティエス「シャイローゼさん。君はわかっている筈だ。君が国にとってどれだけ重要なのか。だから・・・君はここで待っててね」
ノンヴィティエス「必ずアレグラットと・・・”アル”と戻ってくるから!」
シャイローゼ「──!!」
シャイローゼ(これ程までに自分の立場を恨んだことはない。いざというときに友人すら助けられないだなんて・・・)
シャイローゼ(でも、今は2人を信じるしかない)
生徒「シャイローゼ様・・・僕たちはどうしたら・・・」
シャイローゼ「今は結界の強固に集中して。そして戻ってくる生徒がいたら瞬時に結界に入れるわ。ヴィーはきっと気付く。良いわね?」
「はい!」
シャイローゼ(頑張って、2人とも・・・!)

次のエピソード:不穏な影

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