龍彦くんは卒業したい

ななん

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〇応接スペース
編集部・鬼頭「どうしたぁ?」
編集部・鬼頭「藤子ちゃん」
編集部・鬼頭「浮かねぇ顔してんなぁ」
富士宮龍彦「聞いてくれますか鬼頭さん・・・」
富士宮龍彦「卒業が・・・」
富士宮龍彦「卒業ができないんですよ!!」
編集部・鬼頭「卒業ならしたじゃねぇか」
編集部・鬼頭「20xx年卒だろ?」
富士宮龍彦「その卒業じゃなくてですね・・・」
編集部・鬼頭「作家やめんのか!?」
富士宮龍彦「辞めませんよ!!」
編集部・鬼頭「じゃあなんだよ」
富士宮龍彦「・・・」
富士宮龍彦「タイムリミットですよ」
編集部・鬼頭「あぁ?」
富士宮龍彦「俺、もう29歳じゃないですか」
編集部・鬼頭「知らんけど」
富士宮龍彦「もうすぐ・・・ 誕生日がきて30歳になってしまうんですよ!!」
編集部・鬼頭「めでたいじゃねぇか」
編集部・鬼頭「俺が盛大にお祝いしてやるぜ!!」
富士宮龍彦「そういうことじゃなくて!!」
編集部・鬼頭「なんだよ」
編集部・鬼頭「いやてめぇの股間なんか見たくねぇけど」
富士宮龍彦「30歳までに卒業しないと 魔法使いになってしまうんですよ俺は!!」
編集部・鬼頭「・・・」
編集部・鬼頭「は?」
富士宮龍彦「お恥ずかしいんですけど・・・ とても綺麗な身体でして・・・」
編集部・鬼頭「別に無理してヤんなくていいと思うぞ」
富士宮龍彦「俺はヤりたいんですよ!」
編集部・鬼頭「盛るね〜」
富士宮龍彦「さ、盛りたくて盛ってるわけじゃ」
編集部・鬼頭「コレの帯コメントお願いしていい?」
編集部・鬼頭「藤子ちゃんに一冊贈呈」
富士宮龍彦「・・・いいですけど」
富士宮龍彦「俺たち、もう結婚・・・ いや同棲してから3年になるんですよ・・・」
編集部・鬼頭「ふむ」
富士宮龍彦「世間一般では卒業どころか入園しててもおかしくないじゃないですか・・・」
編集部・鬼頭「飛んだな」
富士宮龍彦「なのに俺たちときたら・・・」
富士宮龍彦「チュー以降何にも進んでないんですよ!!」
富士宮龍彦「俺だって結g・・・」
富士宮龍彦「夜の大運動会したいじゃないですか!!」
富士宮龍彦「生殖能力のある元気な20代のオスなんですよ!!」
編集部・鬼頭「すればいいじゃねぇか!!」
富士宮龍彦「できたら相談してませんて・・・」
編集部・鬼頭「ちっ・・・」

〇応接スペース
編集部・中村「部長〜」
編集部・中村「高田馬場さんからお電話です」
編集部・鬼頭「あいよー」
編集部・鬼頭「なんて?」
編集部・中村「断面図がうまく文章に起こせないそうです」
富士宮龍彦(断面図・・・!?)
編集部・鬼頭「はいはい、アレな」
編集部・鬼頭「やっぱ実際に食べてみるしかねぇだろ」
富士宮龍彦(食べる・・・!?)
編集部・鬼頭「アレがどういう形してるかっていうのはそれぞれ違うし」
編集部・鬼頭「自分に合うかどうかは分からんしな」
富士宮龍彦(確かに・・・?)
編集部・鬼頭「とりあえず生の食べろって言っとけ!」
編集部・鬼頭「ゆっくり味わえよ〜 せっかく食べるんだからな~」
富士宮龍彦(・・・いや、いや・・・ だめだろう・・・さすがに)
富士宮龍彦(初っ端からそんなことしたら、 俺は、俺は────!!)
編集部・中村「一軒さんお断りのケーキ屋さんのですよね」
編集部・中村「私も食べてみたいですぅ〜」
編集部・鬼頭「──で、なんだっけ?」
編集部・鬼頭「嫁とひとつになりたい?」
編集部・鬼頭「あ? 藤子ちゃん?」
「藤子ちゃーん!?」

〇駅のホーム
富士宮龍彦「参考にならねぇ・・・」
富士宮龍彦(早くしないと魔法使いになってしまう)

〇魔法陣2
  30歳まで童貞だと魔法が使えるらしい
  だが、何の魔法かはランダムだし
  能力と引き換えに、一番大切な人と
  離れ離れになってしまうと聞く

〇駅のホーム
富士宮龍彦(林檎と離れたくない)
富士宮龍彦(誕生日まで1ヶ月を切ったし)
富士宮龍彦(今こそ・・・)
富士宮龍彦(排泄以外の使い方をするべきだ!!)
見知らぬ子供「ママー なにあのひと」
見知らぬ母「しっ」
見知らぬ母「見ちゃいけません」
見知らぬ母「クリスマスなのに半袖を着てるなんて」
見知らぬ母「幼女からの声掛け待ちに決まってるわ」

〇書斎
富士宮龍彦「ダイキ・・・」
富士宮龍彦「君はどうやって女の子を落としたんだ・・・?」
ダイキ(小説のキャラクター)「・・・・・・」
富士宮龍彦「分からない・・・」
富士宮龍彦「もうすぐ三十路なのに分からないんだ俺は・・・」
ダイキ(小説のキャラクター)「・・・・・・」
富士宮龍彦「結婚してくれたということは、 そこまで嫌われてはいないのは理解している」
ダイキ(小説のキャラクター)「・・・・・・」
富士宮龍彦「だが、本当に好かれているのか自信がない」
ダイキ(小説のキャラクター)「・・・・・・」
富士宮龍彦「今日だって・・・」
富士宮龍彦「俺は午後から休みを取っておいたが」
富士宮龍彦「彼女は仕事へ行ってしまった」
富士宮龍彦「年末だって」
富士宮龍彦「大学の関係者と忘年会だと言っている」
富士宮龍彦「大切な旦那様であるはずの俺を置いて・・・」
ダイキ(小説のキャラクター)「・・・・・・」
富士宮龍彦「なぁリサ、どう思う?」
富士宮龍彦「俺、ちゃんと林檎に好かれているだろうか」
リサ(小説のキャラクター)「・・・・・・」
富士宮龍彦「俺に触られて、嫌悪感を持ったりしないか?」
富士宮龍彦「せ・・・」
富士宮龍彦「生物が、交わる行為というのは、」
富士宮龍彦「単純な皮膚接触だけではない」
富士宮龍彦「皮膚より脆弱な粘膜を扱う重大な危険行為だ」
富士宮龍彦「愛だけでなく!」
富士宮龍彦「細菌やウィルスまで侵入してしまうのだ!」
リサ(小説のキャラクター)「・・・・・・」
富士宮龍彦「そんなこと、許してくれると思うか?」
リサ(小説のキャラクター)「・・・・・・」
富士宮龍彦「も、もちろん」
富士宮龍彦「遺伝子情報を付与して新たな生命を生み出すこともあるのは存じている」
富士宮龍彦「生命の神秘だ」
富士宮龍彦「そこには穢らわしさなどない」
富士宮龍彦「だが・・・」

〇書斎
富士宮龍彦「俺という男は!!」
富士宮龍彦「神職の息子だというのにこんなにも 煩悩にまみれ汚れている!!」
富士宮龍彦「・・・」
富士宮龍彦「こんなみっともなくて汚らわしい男、」
富士宮龍彦「彼女が全て捧げてもいいほど、 心から愛してくれると思うか・・・?」

〇書斎
リサ(小説のキャラクター)「主・・・」
リサ(小説のキャラクター)「キモい・・・」
富士宮龍彦「分かっている・・・」
富士宮龍彦「分かっているが・・・」
富士宮龍彦「それでも俺は・・・彼女を守りたい・・・」
リサ(小説のキャラクター)「・・・・・・」
富士宮龍彦「魔法使いにはなりたくない」
富士宮龍彦「ずっと一緒にいたい・・・」

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コメント

  • 林檎ちゃん、大運動会の目的が、、どんだけ大学好きなの🤣
    でも、良かったね、龍彦、情緒はともかく魔法使いにならなくて☺️
    今回は龍彦の意外な一面が見れて良かったです!
    龍彦の切実な悩み、同棲3年もしていたのに、焦らされ続け進展できなかったことには同情しました😇そりゃあ、自キャラに自問自答するわ☺️
    それにしても、鬼頭さん、ちょっと鈍感ですね🤣
    アフターストーリーが見れて嬉しかったです!

  • この作品は、29歳の主人公・龍彦が卒業できない悩みを抱えながら、30歳の誕生日に彼女との関係を進展させようと奮闘するコメディ作品です。龍彦のユーモラスなセリフや、鬼頭さんとのやり取りが笑いを誘います。また、龍彦の「30歳までに卒業しないと魔法使いになってしまう」という設定が物語に独特のスパイスを加えています。読んでいて笑いが止まらず、龍彦の奮闘ぶりに共感しながら楽しめます。この作品はコメディジャンルなので、笑いを求める方におすすめです。

  • クリスマスに温まる、お話でしたね。
    くっついて体が温まるww
    鬼頭さんに相談した時点で、意味深に感じました。考えすぎですね💦
    面白いです‼
    『30歳童貞魔法使い説』は、どこが発祥なのでしょう?逆になりたい気もしますが…😅
    キャラがユニークなので、『Fラン大』の方も気になりました!!

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