第1話❄クリスマスイブ、初恋の君が目の前に。完(脚本)
〇カウンター席
〇雪山の森の中
〇カラフル
〇ベビーピンク
イルミネーションの時間まで
まるでデートをしているみたいで
すごく幸せだった。
〇黒
〇クリスマスツリーのある広場
七瀬 小春(ななせ こはる)「今何時だろ」
平野 奏汰(ひらの かなた)「もうすぐ17時だよ」
七瀬 小春(ななせ こはる)「ちょうどイルミネーション点灯の時間だね」
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七瀬 小春(ななせ こはる)「きれいだね」
七瀬 小春(ななせ こはる)「見れてよかった」
七瀬 小春(ななせ こはる)「イルミネーションのこと、教えてくれてありがとう」
七瀬 小春(ななせ こはる)(はっ!!平野くんが私の手を握って・・・)
七瀬 小春(ななせ こはる)(てぶくろ越しだけど、手の暖かさがほんのりと)
ドキドキと安心が混ざったような
不思議な気持ち――。
平野 奏汰(ひらの かなた)「今日会えて、本当に良かった」
七瀬 小春(ななせ こはる)「私も・・・」
七瀬 小春(ななせ こはる)「中学卒業してから一回も地元ですれ違うことなかったのに」
七瀬 小春(ななせ こはる)「ここで会えたの、すごい偶然だよね」
平野 奏汰(ひらの かなた)「朝、駅で小春ちゃんを見かけた時」
平野 奏汰(ひらの かなた)「めちゃくちゃ急いで小春ちゃんのところに行ったんだ」
七瀬 小春(ななせ こはる)「急いで・・・・・・」
七瀬 小春(ななせ こはる)「そうだったんだ」
七瀬 小春(ななせ こはる)(朝、ふわっと現れた平野くん)
七瀬 小春(ななせ こはる)(急いで私のところに来てくれたんだ・・・)
急いで私のところに――。
平野 奏汰(ひらの かなた)「小春ちゃんのところに行って話しかけないと」
平野 奏汰(ひらの かなた)「これからも後悔し続けるのかな?って」
平野 奏汰(ひらの かなた)「思ったから」
七瀬 小春(ななせ こはる)「これからも?」
平野 奏汰(ひらの かなた)「実は、中学卒業してから小春ちゃんとすれ違った時があって・・・・・・」
七瀬 小春(ななせ こはる)「えっ? いつ?」
平野 奏汰(ひらの かなた)「ちょうど1年前くらいかな?」
平野 奏汰(ひらの かなた)「地元の駅前のベンチに小春ちゃんが座ってて」
平野 奏汰(ひらの かなた)「話しかけようかしばらく迷ってたら」
平野 奏汰(ひらの かなた)「彼氏らしき人が来て一緒にベンチに座って楽しそうに話していたから、通り過ぎた」
七瀬 小春(ななせ こはる)「ちょっと待って? 通り過ぎたとか・・・っていうか」
七瀬 小春(ななせ こはる)「私、恋人いたことないよ」
七瀬 小春(ななせ こはる)「もしかして、男の子って弟かな・・・・・・」
平野 奏汰(ひらの かなた)「弟・・・・・・彼氏じゃなかったんだ」
平野 奏汰(ひらの かなた)「そっか、そうだったんだ・・・・・・」
平野 奏汰(ひらの かなた)「はぁー。そうだったんだ・・・」
七瀬 小春(ななせ こはる)「平野くんは、誰かとお付き合いしたことあるの?」
平野 奏汰(ひらの かなた)「俺も恋人いたことないよ」
七瀬 小春(ななせ こはる)「意外だなぁ。平野くんモテそうだから、」
七瀬 小春(ななせ こはる)「誰かと付き合ったことありそうだなって思ってた」
平野 奏汰(ひらの かなた)「・・・・・・だって俺は、小春ちゃんのことがずっと好きだったから」
平野 奏汰(ひらの かなた)「好きな人いないとか、さっき嘘ついちゃったけど」
信じられない言葉。
七瀬 小春(ななせ こはる)「それも、嘘?」
平野 奏汰(ひらの かなた)「ううん、好きなのは本当」
〇クリスマスツリーのある広場
〇クリスマスツリーのある広場
〇クリスマスツリーのある広場
平野 奏汰(ひらの かなた)「急にこんなこと言ってごめん。焦るよね・・・はい、ティッシュ」
七瀬 小春(ななせ こはる)「なんかこっちこそごめんね。ずっとずっと片想いだと思っていたから・・・・・・」
平野 奏汰(ひらの かなた)「片想い?」
七瀬 小春(ななせ こはる)「そう、私だけがずっと平野くんのことを好きだったんだって思っていて・・・・・・」
平野 奏汰(ひらの かなた)「小春ちゃんが、俺の事?」
七瀬 小春(ななせ こはる)「うん。ずっとずっと好きだったんだよ! 小さい頃からずっと」
平野 奏汰(ひらの かなた)「・・・」
平野 奏汰(ひらの かなた)「小春ちゃん・・・・・・ずっと、会いたかった」
彼は私の手をさっきよりも強く握ってくれた。
私もぎゅっと、強く握り返した。
〇雪に覆われた田舎駅(看板の文字無し)
〇雪に覆われた田舎駅(看板の文字無し)
平野 奏汰(ひらの かなた)「小春ちゃん、来年も一緒にイルミネーション見に来たいな」
七瀬 小春(ななせ こはる)「うん。私も一緒にまた見たいな」
電車が来るまでずっと平野くんと手を繋いでいて
心の中もあたたかかった――。
〇冬
〇黒
〇クリスマスツリーのある広場
メリークリスマス✨
クリスマスの届けてくれた奇跡みたいな、可愛らしいお話の結末にほっこりでした☺️互いにすれ違ってたんですね…。一途な互いの想いが実って、本当に良かった! 優しくて温かい、爽やかな恋の物語をありがとうございました♡