〇学校の下駄箱
りこ「先輩！」
先輩「よぅ！ 今帰りか？」
りこ「はい！先輩もですか？」
先輩「あぁ、そうだぞ」
りこ「では、一緒に帰りましょうか？ って、聞くまでもなかったですね」
先輩「うん？何でかな？」
りこ「先輩、見るからに１人で帰ろうとしてましたよね？」
先輩「・・・・・・」
りこ「それともお友達と待ち合わせですか？」
先輩「いや～そういう訳では」
りこ「・・・・・・」
先輩「・・・・・・」
りこ「・・・・・・」
先輩「一緒に帰りましょう!!」

〇開けた交差点
りこ「そういえば、先輩この間お姉ちゃんと買い物に行ったんですか？」
先輩「あぁ。 好きな漫画の発売日とかで、付き合わされた」
りこ「お姉ちゃん言ってましたよ」
先輩「うん？ 何か言ってたか？」
りこ「楽しかった、良かったって言ってました」
先輩「えっ!?」
りこ「漫画が・・・・・・今回も面白かったって」
先輩「・・・・・・それは良かったね」
りこ「先輩。 自分の事だと思い・・・・・・」
先輩「いーや！何にも思ってないよ!!」
りこ「私は楽しいですよ。先輩と居るの」
先輩「えっ!?えっ!?」
りこ「先輩、予想通りのリアクションですね！」
先輩「やっぱり姉妹だな！ 君のお姉さんにも同じ事言われたよ！」
りこ「そうでしたか」
先輩「そうだよ」
りこ「こんな事するの、先輩にだけですよ」
先輩「一応聞こうか。 どうして？」
りこ「他の人にこんな事したら失礼じゃないですか」
先輩「俺にも失礼だけども！」
りこ「先輩は特別ですから・・・・・・」
先輩「一応聞こうか。 何で？」
りこ「何とでも言えば、許してくれるというか・・・・・・」
先輩「あ～、チョロいって事ね！ それ、照れながら言う事じゃないんだよ」
りこ「チョロいだなんて・・・・・・ そんな事は思ってません!!」
先輩「じゃあ、どう思ってんの？」
りこ「どうとでもなると思ってます」
先輩「同じ意味だよ!! 同じ様に照れながら言う事じゃないんだよ！ あと、同じだね！ お姉さんとやる事が!!」
りこ「そうですか。でも、お姉ちゃんと全く違う所があると思いますよ」
先輩「うん？ どこだろう？」
りこ「それを教えて欲しいです」
先輩「うん、無いかな！ お姉さんと一緒」
りこ「そうですか・・・・・・」
りこ「では、先輩。 お姉ちゃんとの違いが分かる様になるくらい、もっと仲良くしましょうね！」
先輩「えっ!?」
先輩「・・・・・・あっ！そう言って、俺が戸惑ってるのを『先輩、単純ですね♪』って言うんでしょ？」
りこ「ふふ。 お姉ちゃんなら言いそうですけど、私は言いませんよ」
先輩「えっ？」
りこ「と、見せ掛けて言います。 先輩、単純ですね♪」
先輩「やっぱり、お姉さんと一緒!!」