おじさん構文 VS メンヘラ構文(脚本)
〇黒
闇野重音(やみのかさね)「私のこと・・・一番好きじゃなかったの・・・?」
大童貞(だいどうただし)「え?いや、ちょっ、待っ・・・!」
闇野重音(やみのかさね)「嘘つき・・・」
闇野重音(やみのかさね)「嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき」
闇野重音(やみのかさね)「絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許」
大童貞(だいどうただし)(な・・・なんでこんなことに・・・!)
〇河川敷
~1ヵ月前、11月某日~
大童貞(だいどうただし)「お、今日は観測日和だな!」
小塀玲央(こへいれお)「何の変哲もない満月が見られるな」
天野萌黄(あまのもえぎ)「そういうこと言わないでござるよ!」
天野萌黄(あまのもえぎ)「風情がないでござる!」
小塀玲央(こへいれお)「天文学を志す者は風情で観測するもんじゃないんだよ」
小塀玲央(こへいれお)「そもそも科学の歴史は天文学とともにうんたらかんたら・・・」
(ま~た始まった・・・)
闇野重音(やみのかさね)「はぁはぁ、遅れてごめん、なさい・・・!」
小塀玲央(こへいれお)「あ、闇野さん!そんなに急がなくてもよかったのに!」
いい感じで小塀の講義が切れた。
大童貞(だいどうただし)「そうだよ、月は逃げないんだから」
天野萌黄(あまのもえぎ)「星でロマンを語る男は言うことが違うでござるな」
闇野重音(やみのかさね)「ふふ、相変わらず仲いいの、ね・・・」
〇宇宙空間
~観測中~
〇河川敷
冷たい夜風が吹いてきた。
闇野重音(やみのかさね)「思ったより寒い、ね・・・」
天野萌黄(あまのもえぎ)「はいはーい!」
天野萌黄(あまのもえぎ)「拙者が闇野殿のためにホットドリンクを買ってくるでござる!」
小塀玲央(こへいれお)「いや、俺が行く!」
闇野重音(やみのかさね)「え?買いに行かせるなんて申し訳・・・」
闇野重音(やみのかさね)「あ、行っちゃった・・・」
大童貞(だいどうただし)「まあまあ、あいつらにとって闇野さんはちょっとしたアイドルだから」
闇野重音(やみのかさね)「そうな、の・・・?」
大童貞(だいどうただし)「そうそう、天野に至っては、闇野殿は今時貴重な宇(そら)ガールでござるぅ~!とか言って」
闇野重音(やみのかさね)「ふふ、面白い、ね・・・」
闇野重音(やみのかさね)「でも、私みたいな暗い女のどこがよかったんだろ、ね・・・?」
大童貞(だいどうただし)「暗くなんてないよ!大人しくてかわいいなって思うよ!」
大童貞(だいどうただし)(しまった!直球すぎた!)
闇野重音(やみのかさね)「え、あ、ありがと・・・」
(な、なんか恥ずかしい・・・)
大童貞(だいどうただし)(わ、話題を変えなきゃ・・・!)
大童貞(だいどうただし)「それにしても・・・月が綺麗だね」
闇野重音(やみのかさね)(え?何?さっきかわいいって言われたし、天文サークルならではの告白・・・!?)
闇野重音(やみのかさね)(え、ど、どうしよう・・・?)
闇野重音(やみのかさね)(私、死んでもいいわと返すべき・・・?)
闇野重音(やみのかさね)(いやでも・・・!確かめなきゃ!)
闇野重音(やみのかさね)「え、えと・・・好きな、の・・・?」
大童貞(だいどうただし)(そうだな・・・星は全部好きだけど、やっぱり月が・・・)
大童貞(だいどうただし)「一番好きだね」
闇野重音(やみのかさね)(!!!!!!)
闇野重音(やみのかさね)「どうして一番な、の・・・?」
大童貞(だいどうただし)(どうしてと言われても・・・強いて言うなら)
大童貞(だいどうただし)「色んな表情があるからかな」
闇野重音(やみのかさね)(え・・・?そんな、こと・・・初めて言われた・・・!)
闇野重音(やみのかさね)「ひょ、表情って・・・」
大童貞(だいどうただし)(そりゃあ、今は満月だし・・・)
大童貞(だいどうただし)「例えばこの満ち足りた表情・・・」
闇野重音(やみのかさね)(え?満ち足りてる!?今の私、そんな顔を・・・!)
大童貞(だいどうただし)「ずっと見てて飽きないなあ」
闇野重音(やみのかさね)(ええ!?そこまで私のことを・・・?)
闇野重音(やみのかさね)(こ、応えなきゃ、大童君の気持ちに・・・!)
闇野重音(やみのかさね)「あの、私・・・頑張るから、ね・・・」
大童貞(だいどうただし)(頑張る?ああ、サークル活動のことか)
大童貞(だいどうただし)「うん、一緒に頑張ろう!」
闇野重音(やみのかさね)「よろしく・・・お願いします・・・」
〇大教室
脇野「闇野さん、今日は予定ある?」
闇野重音(やみのかさね)「うーん、彼氏次第かな・・・」
脇野「彼氏できたって言ってたもんね~」
闇野重音(やみのかさね)「あ、返信きた・・・!」
脇野「ねえねえ、彼氏とどんなメッセしてるの!?」
闇野重音(やみのかさね)「ええ~、恥ずかしいよ・・・」
闇野重音(やみのかさね)「ちょっとだけだから、ね・・・」
脇野「おお~、ワクワク!」
〇SNSの画面
闇野重音(やみのかさね)「おはよ、大童君。今日も会いたいな 6:15 まだ起きてない、の・・・? 6:16」
~中略~
闇野重音(やみのかさね)「あ 10:15 既読ついた、ね・・・ 10:15 ふふ・・・ 10:16」
闇野重音(やみのかさね)「大童君て意外とお寝坊さんなのかな? 10:16」
~中略~
闇野重音(やみのかさね)「もう講義全部終わっちゃうよ・・・? 17:45 今日会えるんだよね・・・? 17:46」
大童貞(だいどうただし)「こんばんはヽ(^∀^)ノ(`・∀・)ノ(´▽`)返事遅くなっちゃってゴメンネ(o゜ー゜o)?(・_・?)(*´д`)?」
大童貞(だいどうただし)「今日も闇野チャンに会えるナンテ嬉しいなぁ〜(^ω^)(^_-)-☆(*^ー゚)b」
大童貞(だいどうただし)「おかげでまた一週間頑張れるよ(^з<)(*^ー゚)bありがとうね(*´▽`)ノ(*^ー゚)b(^◇^)」
大童貞(だいどうただし)「それじゃ、いつもの時計台前でネ(^o^)(`・∀・)ノ(^_^)(^ω^) 17:47」
〇大教室
脇野「おぅふ・・・」
脇野(変わった子だとは思ってたけど、まさかのメンヘラだったとは・・・)
脇野(そして彼氏はおじさん構文の使い手・・・)
闇野重音(やみのかさね)「どうした、の・・・?」
脇野「ああうん、ちょっと情報量が多すぎて・・・」
闇野重音(やみのかさね)「情報量・・・?ふふ、変わってる、ね・・・」
脇野(お前が言うな!!)
〇おしゃれなレストラン
闇野重音(やみのかさね)「大童君、明日はどうする、の・・・?」
大童貞(だいどうただし)「バイトも講義もないからね、撮りためた星の写真の整理でもゆっくりしようかな」
闇野重音(やみのかさね)「私も、ね・・・明日は空いてるんだ・・・」
大童貞(だいどうただし)「あ、そうなんだ。闇野さんは何するの?」
闇野重音(やみのかさね)「何って・・・?どこか行きたい、な・・・」
大童貞(だいどうただし)「へえ、どこに行くの?」
闇野重音(やみのかさね)「そうじゃなくて、ね・・・せっかくだから一緒にお出かけしたいなって、ね・・・」
大童貞(だいどうただし)「それもいいね!天野たちにも声かけてみよっか!」
闇野重音(やみのかさね)「だから、違うの・・・2人で、ね。お出かけしたいなって」
大童貞(だいどうただし)「ええ!?」
大童貞(だいどうただし)(どういうことだ!?最近やたらメッセもいっぱいくれるし・・・)
大童貞(だいどうただし)(やけに距離感近くなってないか!?)
闇野重音(やみのかさね)「嫌なの・・・?」
大童貞(だいどうただし)「いや喜んで!じゃあ映画でも見よっか!」
闇野重音(やみのかさね)「えへ、やった・・・私、ね。見たい映画があるの」
大童貞(だいどうただし)「へえ、何々?」
闇野重音(やみのかさね)「これ・・・」
カリフォルニア・チェーンソー
悪魔にとり憑かれた男は、チェーンソーを片手に凄惨な事件を引き起こす。
本国アメリカでも上映禁止になった幻の問題作!
大童貞(だいどうただし)「・・・」
闇野重音(やみのかさね)「大童君、こういうの嫌い・・・?」
大童貞(だいどうただし)「あ、そういうわけじゃないよ!ただちょっと、普段見ないジャンルだっただけ!」
大童貞(だいどうただし)「せっかくだから一緒に見よう!」
大童貞(だいどうただし)(か、変わった趣味なんだな・・・)
闇野重音(やみのかさね)「ふふ、よかった・・・」
〇本棚のある部屋
天野萌黄(あまのもえぎ)「大童殿遅いでござるな」
小塀玲央(こへいれお)「全く、時間にルーズなヤツだ」
天野萌黄(あまのもえぎ)「デュルフフフ・・・そう言う割に闇野殿には甘かったでござるな・・・」
小塀玲央(こへいれお)「な、う、うるさい!」
大童貞(だいどうただし)「スマン遅れた!」
天野萌黄(あまのもえぎ)「これでようやく乾杯でござるな!」
小塀玲央(こへいれお)「萌えアニメに付き合わされたこっちの身にもなってくれ」
大童貞(だいどうただし)「いやちょっと闇野さんを送ってて・・・」
「は・・・?」
天野萌黄(あまのもえぎ)「大童殿・・・」
小塀玲央(こへいれお)「ちょっとその話詳しく・・・」
大童貞(だいどうただし)「ええ!?何だよこの空気!」
天野萌黄(あまのもえぎ)「どうもこうもないでござる」
小塀玲央(こへいれお)「我々の間には抜け駆けをしない不可侵条約が結ばれていたはず」
大童貞(だいどうただし)「ちょっと闇野さんからメッセきたから、晩飯一緒に食べてきただけだよ!」
大童貞(だいどうただし)「大体抜け駆けもクソもないよ!あんなかわいい子が俺たちに振り向くわけないだろ!」
天野萌黄(あまのもえぎ)「それもそうでござった」
小塀玲央(こへいれお)「闇野さんが大童と付き合うなど、コペルニクス的転回をもってしてもあり得ぬこと・・・」
大童貞(だいどうただし)「そうそう、きっとサークルの外に彼氏が出来るよ!」
天野萌黄(あまのもえぎ)「それは言わないお約束でござるぅ・・・」
小塀玲央(こへいれお)「このチューハイ、なんかしょっぱいな」
大童貞(だいどうただし)「お前繊細すぎるだろ・・・ん?」
大童貞(だいどうただし)(うお、めっちゃメッセたまってる・・・!闇野さんからだ)
大童貞(だいどうただし)(さすがに今は通知切っとくか)
〇タンスの置かれた部屋
闇野重音(やみのかさね)「どうして返事くれないの・・・? 21:30 既読ついてる、よ・・・? 21:30」
闇野重音(やみのかさね)「大童君、まだ起きてるはずだよ、ね・・・ 21:31」
闇野重音(やみのかさね)「そうだ、電話してみよ・・・」
闇野重音(やみのかさね)「出ない・・・どうして・・・?」
闇野重音(やみのかさね)「確か今天野君の家だった・・・はず・・・」
〇本棚のある部屋
天野萌黄(あまのもえぎ)「さてと、24日の過ごし方を決めないとでござるな!」
小塀玲央(こへいれお)「所詮我らはモテない日陰者同士・・・」
大童貞(だいどうただし)「よし、じゃあクリスマスケーキでも作って気を紛らわそう!」
天野萌黄(あまのもえぎ)「男たちで、でござるか・・・?」
小塀玲央(こへいれお)「何と言うコペルニクス的発想・・・」
大童貞(だいどうただし)「こういう時は勢いで乗り切るんだよ!街にあふれるカップルなんて見るだけ目に毒だ!」
小塀玲央(こへいれお)「せめて闇野さんがいてくれたらなあ・・・」
天野萌黄(あまのもえぎ)「闇野殿は誰とクリスマスを過ごすのでござろうな・・・」
大童貞(だいどうただし)(言われてみれば、闇野さんも彼氏くらいいるだろうに、何で俺なんか誘ったりするんだ・・・?)
天野萌黄(あまのもえぎ)「ん?一体誰が・・・」
闇野重音(やみのかさね)「いた、大童君・・・」
大童貞(だいどうただし)「え?闇野さん!?どうしてここに?」
闇野重音(やみのかさね)「ねえ、まだ起きてるよ、ね・・・?どうしてメッセ返してくれない、の・・・?」
大童貞(だいどうただし)「ええ!?だってメッセいっぱいだし、今天野たちと飲んでて・・・」
天野萌黄(あまのもえぎ)「闇野殿、落ち着くでござる。どうしたでござるか?」
闇野重音(やみのかさね)「私ね、こんなにいっぱいメッセしてたのに、ね・・・大童君が構ってくれない、の・・・」
闇野はスマホの画面を見せた。
天野萌黄(あまのもえぎ)「うおっ、これは・・・!」
小塀玲央(こへいれお)「な、何ということだ・・・!」
「だ~いど~うくぅ~ん。これはどういうことかな~~~?」
大童貞(だいどうただし)「ええ!?ただ晩飯食って映画に行く約束しただけなのに!?」
闇野重音(やみのかさね)「大童君にとって、私ってそんなに軽い存在だったんだ・・・」
大童貞(だいどうただし)「ええ!?なんで泣くの!?付き合ってるわけでもないのに!?」
闇野重音(やみのかさね)「え?」
大童貞(だいどうただし)「え?」
〇黒
闇野重音(やみのかさね)「私のこと・・・一番好きじゃなかったの・・・?」
大童貞(だいどうただし)「え?いや、ちょっ、待っ・・・!」
闇野重音(やみのかさね)「嘘つき・・・」
闇野重音(やみのかさね)「嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき」
闇野重音(やみのかさね)「絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許絶許」
大童貞(だいどうただし)(な・・・なんでこんなことに・・・!)
これは新しいオタサーの姫物語🤣
雰囲気が楽しくてニヤけたでござる。
月が綺麗ですねの台詞迷うの分かる気がするでござるね。意味知ったばかりだと勘違いするのも仕方ないかも〜🌝
続きが気になって仕方がないです!!!
天野さんがキモくて好きです☺️