〇本棚のある部屋
闇野重音（やみのかさね）「絶対・・・許さないんだから・・・」
大童貞（だいどうただし）「ちょっと待って！一番好きなんていつ言ったの!?」
闇野重音（やみのかさね）「忘れてるなんてひどい・・・一緒に満月見てる時に確かに言ったのに・・・」
大童貞（だいどうただし）「ん？」

〇河川敷
闇野重音（やみのかさね）「え、えと・・・好きな、の・・・？」
大童貞（だいどうただし）（そうだな・・・星は全部好きだけど、やっぱり月が・・・）
大童貞（だいどうただし）「一番好きだね」

〇本棚のある部屋
大童貞（だいどうただし）（いやいやいやおいおいおい！そうはならんだろ！）
大童貞（だいどうただし）（いやなってしまっている！誤解を解くべきか？）
大童貞（だいどうただし）（しかし天野たちの面前で恥をかかせると、より闇野さんを傷つけることに・・・！）
大童貞（だいどうただし）「ごめん！重音！」
闇野重音（やみのかさね）「え？」
小塀玲央（こへいれお）「かさ・・・ね、だと・・・」
天野萌黄（あまのもえぎ）「拙者らが手を出せなった禁断の領域に足を突っ込みやがったでござる・・・」
大童貞（だいどうただし）「俺、こんなに上手くいってしまっていいのかなって、戸惑ってて・・・！」
大童貞（だいどうただし）「自分の気持ちに素直になれなかったんだよ！」
闇野重音（やみのかさね）「ほんと、に・・・？」
大童貞（だいどうただし）「やり直そう、重音！」
「そ、そんな・・・」
大童貞（だいどうただし）（俺が恨まれるだけで済むなら・・・！）
闇野重音（やみのかさね）「じゃあ、証明、して・・・？」
大童貞（だいどうただし）「え？」
闇野重音（やみのかさね）「私への、愛・・・」

〇高い屋上
　　翌日
　　大学A棟、屋上
大童貞（だいどうただし）「本当にこれを叫ぶのか・・・」

〇本棚のある部屋
闇野重音（やみのかさね）「私が送るメッセージ全部読み上げて、ね・・・」
闇野重音（やみのかさね）「時計台前まで聞こえるように・・・」

〇高い屋上
大童貞（だいどうただし）「ワタクシ、大童貞は!!一生涯かけて!!」
大童貞（だいどうただし）「闇野重音だけを見つめ！愛し！守り抜くことを誓います!!!」

〇大学の広場
闇野重音（やみのかさね）「わあ・・・」
「なぁに？あれ・・・ｸｽｸｽ」
「青春にしてもクサすぎだって、ｸｽｸｽ」
天野萌黄（あまのもえぎ）「な、何という羞恥刑でござるか・・・」
小塀玲央（こへいれお）「大童・・・ここまでやる覚悟だったとは・・・」

〇高い屋上
大童貞（だいどうただし）「重音のメッセージには、いつ！なんどき！何があっても！10秒以内の返信を誓います！」
大童貞（だいどうただし）「重音以外の女子とは、一切目を合わせません！連絡先も交換しません！」

〇黒
　　15分後

〇大学の広場
天野萌黄（あまのもえぎ）「大童殿、貴殿の覚悟はしかと見届けたでござる・・・」
小塀玲央（こへいれお）「また闇野さんを泣かせたら、承知しないぜ・・・」
闇野重音（やみのかさね）「た～君・・・！ありがとう、ね。私、た～君のこと、信じるから、ね・・・」
大童貞（だいどうただし）「ああ、うん・・・」
「あの２人・・・ﾋｿﾋｿ」
「やっぱり彼女にやらされたのかな・・・ﾋｿﾋｿ」
大童貞（だいどうただし）（何か大切なものを失った気がする・・・）

〇本棚のある部屋
　　～12月24日～
天野萌黄（あまのもえぎ）「フヒィイイイイイ！ケーキが！」
天野萌黄（あまのもえぎ）「ケーキが涙の味しかしないでござるぅ～！」
小塀玲央（こへいれお）「ケーキが塩味！これぞコペルニクス的転回いいいいいいい！」

〇ホテルのレストラン
闇野重音（やみのかさね）「でね、ヒロインが惨殺された時の血の飛び方がね、ほんとスゴいの・・・！」
大童貞（だいどうただし）「ああ、うん・・・」
闇野重音（やみのかさね）「やっぱりスプラッタ映画はね、こうでなくちゃ、ね・・・」
大童貞（だいどうただし）（彼女と過ごすクリスマス・・・思ってたのと違う・・・）
　　もしかしたら、何も知らない天野と小塀の方が幸せなのかもしれない・・・