〇テレビスタジオ
司会「本日は素敵なゲストに お越しいただきました」
司会「加藤マイラさんです！」
加藤マイラ「ど、どうも」
司会「なんでも、新作映画の撮影中だとか」
加藤マイラ「えっと、はい・・・」
司会「ははは、そんな緊張しないで、 リラーックス」
芸人「そうそう。生放送だから絶対に失敗したらダメだけど、緊張しないで」
司会「ちょっ、余計なこと言うな！」

〇諜報機関
堂前俊一「牧瀬ディレクター、マイラのことねじ込んでくださってありがとうございます」
牧瀬「全然OKだよ。マイラちゃんなら大歓迎！ やっぱ華あるね、可愛い～」
牧瀬「この後の『全国美味い物ツアー』のコーナーだけど、例の件、本当にいいんだよね？」
堂前俊一「もちろんです。 ガンガン飲ませちゃってください」
柴川「いやいや、飲ませるのはちょっとだけ です！ あと、水で薄めてください！」
柴川「ほろ酔いの可愛いマイラをお茶の間に浸透させられれば、それでいいんですから」
堂前俊一（甘すぎる・・・。そんな程度じゃ泥酔写真のイメージは払拭できないだろ！）
柴川「あ、すみません、ちょっと電話」
堂前俊一「・・・牧瀬さん、今日の『美味い物ツアー』って、新潟特集でしたよね？」
牧瀬「そう。のどぐろの刺身と日本酒を 出すんだけど──」
堂前俊一「マイラにはこのお酒出してください」
牧瀬「こ、これって、越後の『落武者』!? 焼酎じゃん！」
牧瀬「しかもアルコール度数40度越えだけど、 大丈夫？」
堂前俊一「やっちゃってください。マイラを グデングデンにさせて欲しいんです」
牧瀬「おお、おおお！ いいねぇ、燃えてきた！」
牧瀬「やっぱテレビは放送事故ギリギリが 燃えるよねぇ！」
堂前俊一（そう、これは賭けだ。だが、 リスクの無いところに勝利など無い！）
　　『マイラちゃん、
　　今日も凛としてて素敵～』
　　『やっぱ透明感ハンパないなー』
堂前俊一（今のところ、 SNSでのマイラの評判はいつも通り）
堂前俊一（果たしてこれが、酔っぱらったマイラを 見てどう変化するか・・・）

〇テレビスタジオ
芸人「うーん、うっま！ のどぐろ美味すぎるって。 日本酒とめっちゃ合う！」
司会「おいおい、あんま飲み過ぎるなよ。 元々つまんないのがもっとつまんなくなる」
芸人「いや、面白いわ！」
司会「マイラちゃん、どう？ 美味しい？」
加藤マイラ「この日本酒、結構濃いですね」
司会「あ、キツかったら 無理しないでいいからね！」
加藤マイラ「いえ、美味しいです・・・ふへへ」
司会「ん？」
加藤マイラ「ふひひへへへ、美味しーー！ ふぅーーっ！」
司会「!?」

〇諜報機関
柴川「あ、あれ？ なんか、マイラの様子 おかしくないですか!?」
堂前俊一「そうですか？ 楽しそうですよ」
柴川「ダメですよ、完全に酔ってます！ 止めなきゃ！」
堂前俊一（させるか！）
柴川「ぐえっ！」
柴川「痛っ・・・。え、堂前さん、 いま私の足を引っ掛け──」
堂前俊一「柴川さん、鼻血出てます！」
堂前俊一「すぐ医務室へ行かないと！」
柴川「いえ、これくらい別に・・・」
堂前俊一「スタッフさん、柴川さんを連れて行って！」
スタッフ「大丈夫ですか!?」
柴川「は、放してください！ 私はマイラを 見守らないといけないんです！」
スタッフ「はい、安静にしましょうねー」
柴川「いやぁぁぁ、やめてぇぇぇ！」
堂前俊一「ふう、危なかった・・・」
堂前俊一（まだ足りない。マイラにはもっともっと 酔ってもらわないと！）

〇テレビスタジオ
加藤マイラ「キャハハハッ、 ねぇ、もっとお酒くださ～い」
司会「マイラちゃん、お酒飲むとそんな感じ なんだね。お酒好き？」
加藤マイラ「お酒だ～い好き。ずっとにょんでいてゃ、じゅっとにょんで・・・」
芸人「全然呂律回ってないじゃん！」
加藤マイラ「むー、しょんなことにゃいもん！」

〇諜報機関
　　『酔っぱらったマイラ面白っ』
　　『清楚系のイメージだったけど、
　　これはこれで可愛いかも』
堂前俊一（よしっ！ いい感じに酔っぱらいキャラが 受け入れられてる）
堂前俊一（これなら週刊誌の写真が出ても──）
芸人「ちょっ、何してんの！」
加藤マイラ「とりゃっ！」
　　バキッ！
堂前俊一「!?」

〇テレビスタジオ
司会「マイラちゃん、ストップ！ セット壊さないで！」
加藤マイラ「んーー、えいやっ！」
加藤マイラ「あははは、壊れちゃった！」

〇諜報機関
堂前俊一（うおおっ、最悪な空気になっちまった！ 流石にセット壊すのはやりすぎだろ）