猫だって、傍に (TN用超短編集)(脚本)
〇実家の居間
猫「ご主人はよく遊んでくれる よく撫でてくれる いつも美味しいご飯をくれる」
猫「物心ついたときには もうご主人と一緒にいて かいた胡座(あぐら)の上で 昼寝をするのが至福の時だ」
猫「ふぅ〜 今日の見回りは疲れた 縄張りに来た流れ者が なかなか出ていかなかったからな」
猫「今日こそご主人に いっぱい撫でてもらうぞ!」
猫「あれ? 今日もご主人が居ない・・・ このところずっとだ どうしたんだろう・・・」
猫「それに、 日に日にご主人の匂いが 薄くなっていく こんなことは今まで無かった・・・」
猫「そういえば、 ご主人の次にご飯をくれる 仲良しの人間が よく目から水を流している」
「その人間が座るようになった 黒い箱の中には ご主人の顔があって 臭い煙の出る棒が燃えている」
猫「そして花と、 食べてはいけない小さなご飯」
猫「ご主人・・・ いつ私を撫でてくれるんだろう? 早く帰って来ないかなぁ・・・ はぁ〜・・・」