帰ってきたザンザロス

本田すみれ

読切(脚本)

帰ってきたザンザロス

本田すみれ

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〇電器街
ザンザロス「なんだ、夏子か。 オレに依頼とは何だ?」
夏子「うん、ザンザロスにしか頼めないと思って」
夏子「私、最近ストーカーに悩まされてるんだ・・・・・・」
ザンザロス「マジか、そんな野郎は成敗せねば」
夏子「うんとね、女の子なんだよね」
  女性にストーカーされるなんてうらやましいなどと脳天気なことを考えてしまったザンザロスであった。
夏子「私が仕事帰りの時にひたすら後をつけてくるの。郵便受けにギフト券や商品券入ってたりするし」
ザンザロス「ふむ。 夏子を困らせるのなら男女関係なく対応するしかないな」
夏子「話が早くて助かる。 さすがザンザロスっち」

〇住宅街
夏子「今日は仕事休みだけど、この時間帯くらいに出てくるはず」
瑛莉子「はわわっ」
夏子「あなたよね、私のこといつも尾行てるの」
瑛莉子「な、なぜわかったんですか?」
夏子「3回くらい、私の郵便受け入れるところベランダから見てたし」
瑛莉子「そ、そんなぁ・・・・・・。絶対バレない自信あったのに」
ザンザロス「夏子が困ってるんだ、やめてくれないか?」
瑛莉子「イヤです」
夏子「私のどこがそんなに好きなの?」
瑛莉子「姉御肌で、色々な方の力になってるところです/////」
夏子「褒めてくれるのはありがたいけど・・・・・・」
瑛莉子「私じゃダメですか?私を恋人にしてくれませんか?瑛莉子はとにかく夏子さんを想ってます」
夏子「えっと・・・・・・」
瑛莉子「私夏子さんのこと好きです。私夏子さんのこと好きです。私夏子さんのこと好きです。私夏子さんのこと好きです」
夏子「ごめん、こ、怖いよ」
瑛莉子「夏子さんの下着になりたいし、夏子さんの内臓になりたいし、夏子さんの秘められた部分にもなりたいです」
  やれやれ、とんだヤンデレが来てしまった。そう思う夏子とザンザロスであった。
夏子「それじゃ何をしたら瑛莉子ちゃんは 満足してくれるのかな」
瑛莉子「デートしてください」
夏子「そんなことか、いいよ」
ザンザロス(置いてきぼりくらってるな、オレ)
  ザンザロスに果たして出番はあるのか!?

〇遊園地の広場
瑛莉子「キャハー! 夏子さんと一緒にいられるー」
夏子「スゴくうれしそうだね」
瑛莉子「だって1年3か月、夏子さん 追ってきたから」
夏子「そっか。 でも今日1日だけだからね」
瑛莉子「今のは聞かなかったことにします」
夏子「で、どこに寄る?」
瑛莉子「もう観覧車乗りたいです」
夏子「なるほどね」

〇観覧車のゴンドラ
瑛莉子「夏子さん、手握っていいですか?」
夏子「ん。いいよ」
  夏子の水荒れした手を握る華奢な手
瑛莉子「夏子さんの手、あったかい。 もう二度と洗いません」
夏子「そんな大げさな」
瑛莉子「夏子さん、あなたは 道に迷ってる子供を 助けたことがありますね」
夏子「そんなことあったかも」
瑛莉子「私、あの子の叔母なんです」
夏子「そうなんだ」
瑛莉子「そこからです 私が夏子さんの特徴を掴み 探り当て追いかけることになったのは」
夏子「ふふ、何で直接礼を言わなかったの?」
瑛莉子「私、極度の恥ずかしがり屋で・・・・・・ でも先日車にはねられて」
瑛莉子「右手の小指と手の一部を 骨折して 人生何があるかわからないって 思って・・・・・・」
夏子「私とデートしてる場合じゃないじゃん」
瑛莉子「もう病院で治療は済みました でも恋の治療はできてないみたいです」
夏子「私のこと好きなの?」
  返事の代わりに、瑛莉子は手を握る力を強めて答えを示した
夏子「気持ちは嬉しいけど、私にはザンザロスって 恋人がいるの」
瑛莉子「知りません! 私は夏子さんのことが私は夏子さんのことが 私は夏子さんのことが私は夏子さんのことが 私は夏子さんのことが」
夏子「瑛莉子ちゃんってすぐ壊れるよね」
瑛莉子「だって夏子さんのことがだって夏子さんのことがだって夏子さんのことがだって夏子さんのことがだって夏子さんのことが」
夏子「ごめん、元に戻って?」
瑛莉子「もう夏子さんは瑛莉子のものですよ?」
  背筋を冷たい汗が伝うのを夏子は実感した
瑛莉子「私の長話に付き合って欲しいので 夕方までひたすら観覧車に 乗りまくりましょう!」
  かくして約4時間
  夏子は瑛莉子に拘束された

〇遊園地の広場
夏子「どうしたの?」
瑛莉子「夏子さんと、いつまでもいたい」
夏子「気持ちはうれしいけど・・・・・・」
瑛莉子「ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ 好きって言って好きって言って好きって言って好きって言って好きって言って」
夏子「瑛莉子ちゃん、ごめんね」
ザンザロス「もう夏子を楽にしてやってくれないか」
瑛莉子「あん!?」
ザンザロス「ええっ?」
瑛莉子「元はと言えば、貴様がいるから 私は夏子さんを物にできない そうだ・・・・・・」
瑛莉子「これでアンタに引導渡してあげる」
  瑛莉子は足に装備していたナイフの鞘から
  それを取り出すと
  ザンザロスに斬りかかった
瑛莉子「決まったぁ!」
ザンザロス「ごふっ! なかなかやるようだな」
瑛莉子「止まって見えるわ」
  ザンザロスの攻撃を
  余裕でかわす瑛莉子
ザンザロス「マジか 私の攻撃を避けるとは」
瑛莉子「無駄な抵抗は やめた方がいいですよ?」
瑛莉子「少しでも動いたら 夏子さんの手首に カッター走らせます」
ザンザロス「目を覚ませ 瑛莉子 そんなことをしても 夏子は君に振り向かない」
瑛莉子「そ、そんなことは わかってるよ じゃあどうしたらいいの!」
夏子「こうしてあげるよ」
  夏子は瑛莉子の唇に
  優しくキスをした
瑛莉子「えっ あっ んっ・・・・・・」
夏子「もう二人共争わないで」
瑛莉子「・・・・・・わかりました」
ザンザロス「夏子に言われちゃ仕方ないな」
瑛莉子「私と時々デートしてくれませんか? 2号でガマンします」
夏子「ダメって言っても 言うこと聞く性格じゃないのは わかったし」
夏子「私をひたすら褒める 4時間は悪くなかったしね」
夏子「ただ1時間から2時間くらいに してもらうと助かるかな」
  かくして夏子の友達以上恋人未満の関係に
  1人の女の子が繋がったのであった

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