口は災いの元(脚本)
〇女の子の部屋
梔子桜「今日のメイクもバッチリね」
梔子桜「お洒落したし、出かけようかしら」
梔子桜「ふふ、今日はどんな素敵な人に出会えるかな?」
梔子桜「あ、口移しチェリー忘れるところだった。危ない危ない」
梔子桜「これがないと始まらないわよね」
梔子桜「よーし、今日も口を集めるぞー!!」
梔子桜「おー!!」
〇田舎の公園
山上太郎「フラれた・・・。どうしてだよ・・・」
山上太郎「俺は・・・あんなに尽くしてたのに・・・」
山上太郎「うっ・・・ううっ・・・くそう・・・」
梔子桜「ねえ、どうして泣いてるの?」
山上太郎「うっ・・・ううっ・・・彼女にフラれたんだよぉ~・・・」
梔子桜「そっか。それは辛いね」
梔子桜「こんな格好良い素敵な男の人をフッちゃうなんて、彼女さんは勿体ないな」
山上太郎「君は・・・優しいね」
梔子桜「私で良かったら話を聞くよ。人に話すとスッキリするよ!」
山上太郎「ありがとう。まあ元はといえば、俺が悪いんだけどね」
山上太郎「一緒に買い物をしてたんだ。それで彼女の服を見てた時、彼女に聞かれたんだ」
山上太郎「ねえ、これどっちが似合う?って」
梔子桜「うんうん」
山上太郎「俺は長い時間待たされてて疲れてたからさ、どっちでもいいんじゃない?ってテキトーに返事したんだよね」
山上太郎「そしたら彼女が元カレは、一緒になって考えてくれたのにって怒っちゃってさ」
山上太郎「俺も元カレと比べられてイラッとなっちゃって、俺も彼女のこういうところがダメだって言い返しちゃったんだ」
梔子桜「そっかそっか」
山上太郎「そうなんだよ。俺があんなことを言わなければ喧嘩にならずに済んだのに・・・」
梔子桜「口は災いの元だね」
山上太郎「俺はもう一度彼女とやり直したいと思ったけど、もう修復不可能なんだ」
梔子桜「次の恋がきっとあるよ」
梔子桜「ねえ、今から私とお茶しない? パフェ食べたかったんだよね」
山上太郎「いいけど」
梔子桜「あなたの事、もっと知りたいな!」
〇シックなカフェ
梔子桜「あはは。そうなんだー。太郎さんって面白い人だね。それにその子犬ももらってくれる人がいて幸せになれて良かったよ」
山上太郎「桜ちゃんは、よく笑ってくれるし、話しやすいし、一緒にいて凄く楽しいよ」
梔子桜「えー、ありがとうー。初めて言われたー」
山上太郎「君みたいな子と付き合えたらいいのに・・・」
梔子桜「私も太郎さんみたいな素敵な人と出会えたらいいのになー」
梔子桜「ねえ、今から私の家に来ない? 一人暮らしなんだ~。私」
山上太郎(さ、誘われてる!? これってもしかしてオッケーってこと!?)
山上太郎「い、行こう!! ああ、も、もちろん下心とかはないからさ」
梔子桜「ふふ。大丈夫だよ~。 太郎さんは、そんな悪い人じゃないし」
梔子桜「ねえ」
山上太郎「ん?」
梔子桜「このパフェのさくらんぼ、口移ししてあげようか?」
山上太郎(ゴクリッ)
山上太郎「い、いいの?」
梔子桜「うん、いいよ」
山上太郎「あ、ありがとう・・・」
梔子桜「ふふっ、じゃあそろそろ行こっか」
〇女の子の部屋
山上太郎「ここが桜さんの部屋か。 女の子って感じの綺麗な部屋だ」
梔子桜「ありがとう~。お茶淹れるね~」
梔子桜「ねえ、夜も遅いし、今日泊まって行かない?」
山上太郎「うん」
梔子桜「じゃあ先にお風呂どうぞ~。私は後でいいから」
山上太郎「ああ、じゃあお先に」
〇清潔な浴室
山上太郎「ふう。良いお湯だ」
山上太郎「えーと、石鹸はっと・・・。あ、これか」
山上太郎「・・・んん?」
山上太郎「えっ?あれ!?ええっ!!!!!」
山上太郎「ない!!ない!ない!!ない!!」
山上太郎「俺の口がない!!」
山上太郎「ど、どうなってるんだ!?」
〇女の子の部屋
山上太郎「ねえ!!お、俺の顔おかしくない!?」
梔子桜「あ、やっと気づいたんだ」
梔子桜「太郎さんの口は、ここにあるよ」
梔子桜「この口移しチェリーを使えば、口がポロっと取れちゃうの」
山上太郎「どうしてそんなことをするんだ!!」
梔子桜「私、口のコレクターなんだよね。人の口を集めるのが好きなの」
梔子桜「それでね、こうやって集めた人の口をチョコレートの箱の中に集めていってるの」
山上太郎「ひぃいいいーーーーー!!!!」
梔子桜「ふふふっ」
梔子桜「それでね、最後のお楽しみがあるんだ。 それはね・・・」
山上太郎「がはっ・・・」
梔子桜「こうやって血がどばって出て倒れるところを見るのが大好きなんだー」
梔子桜「さてと、死体の処理と部屋の掃除しなくちゃ」
梔子桜「あー、楽しかった。 太郎さん、ありがとうね♪」
梔子桜「口は災いの元だよ。ふふふっ」