読切(脚本)
〇研究所の中枢
アヤカ「くっ・・・ ここから出しなさい!」
悪の組織「ナイトメア」に捕まってしまった閃光戦隊ライトレンジャーのアヤカ
アヤカ「なんとかしてここから抜け出せないと・・・」
Dr.ゲイル「悪いが君を逃がすわけにはいかないなぁ・・・」
アヤカ「あなたは!?」
Dr.ゲイル「お初にお目にかかる Dr.ゲイルというものだ・・・ 君には是非わたしの実験に協力してもらいたい」
アヤカ「いやよ! どうせ碌でもないことでしょう!?」
Dr.ゲイル「ふっふっふっ・・・ まぁ、君に拒否権なんてないんだがね」
アヤカ「くっ・・・ 離せーっ!!!」
Dr.ゲイル「よしお前たち始めろ!」
怪人「ハッ!!!」
アヤカ「一体何を始めるつもり・・・?」
アヤカ「何・・・ この変な感覚・・・ まるで体中を見られてるみたい・・・」
Dr.ゲイル「ふっふっふっ・・・ もういいだろう・・・」
アヤカ「?」
アヤカ「隣のカプセルから何か・・・」
アヤカ?「・・・」
アヤカ「え?わたし? わたしのコピー・・・?」
Dr.ゲイル「ハッハッハッ!!! 実験は成功だぁ!!!」
Dr.ゲイル「ようし・・・ 実験サンプル1号よ・・・ お前の名前はなんだ?」
アヤカ?「望月アヤカ・・・」
Dr.ゲイル「お前の主人は誰だ?」
アヤカ?「あなた様です・・・ Dr.ゲイル様・・・」
Dr.ゲイル「ハッハッハッ!!!」
アヤカ「そんな・・・」
ナイトメア「フッフッフッ・・・ でかしたなゲイルよ・・・」
Dr.ゲイル「ナイトメア様!」
ナイトメア「しかし奴らの結束力は強い・・・ 見た目だけ似せた人形などでは騙しきれんぞ?」
Dr.ゲイル「内面感情のコピーもお任せ下さい! お前たち!やれっ!!」
アヤカ?「うっ・・・」
アヤカ?「わたしは・・・」
Dr.ゲイル「どうだ?」
アヤカ?「わたしは・・・」
〇研究所の中枢
アヤカ?「わたしは・・・」
アヤカ?「わたしは望月アヤカ・・・」
Dr.ゲイル「うむ・・・」
アヤカ?「あなたはDr.ゲイル・・・」
アヤカ?「悪の組織の一員・・・」
Dr.ゲイル「へ・・・?」
アヤカ?「わたしたちの敵!!!」
Dr.ゲイル「ええっ!?」
ナイトメア「ゲイルよ!!! これはどういうことだ!?」
Dr.ゲイル「まさか本物の正義の心をコピーしたことで身も心も正義の味方になってしまったのでは・・・」
ナイトメア「馬鹿者オオオオオッ!!!」
Dr.ゲイル「ヒィィィィッ」
アヤカ?(ここには怪人どもが集まっている・・・ 数では分が悪い・・・)
アヤカ?「チッ・・・」
アヤカ「え・・・ 枷が・・・」
アヤカ?「逃げるわよ!!」
アヤカ「ええっ!?」
ナイトメア「しまった!!! お前たち奴らを捕らえろ!!!」
アヤカ?「ハァッ!!!」
怪人「ぐああああっ!!!」
アヤカ?「大したことないわね・・・」
アヤカ?「今よ! 逃げるわよ!!」
アヤカ「えぇっ・・・ わ・・・わかった!!」
〇ビルの裏
アヤカ?「ハァ・・・ハァ・・・ ここまで来れば大丈夫かしらね・・・」
アヤカ「ね・・・ねぇあなた!!」
アヤカ?「何よ?そんな大きな声出して」
アヤカ「どうしてわたしのことを助けてくれたの?」
アヤカ?「あなたさっきの奴らの話聞いてなかったの?」
アヤカ「えぇっ・・・ ええっと・・・」
アヤカ?「要するに奴らはわたし・・・ ていうかあなたの正義の心を甘く見てたってことよ!」
アヤカ「えぇっ・・・ な・・・なんか照れるなぁ」
アヤカ?「言わないでよ! こっちまで恥ずかしくなるじゃないのー」
アヤカ「ご・・・ごめんなさい」
アヤカ?「全くもう・・・」
アヤカ「でも・・・これからどうするの?」
アヤカ?「どうもなにも帰るわよ? わたしたちの基地に」
アヤカ「やっぱり?」
アヤカ?「っとその前に・・・」
アヤカ「?」
アヤカ?「あなた・・・ わたしのことどう思う?」
アヤカ「どうって・・・」
アヤカ?「一応・・・ あなたはわたしのオリジナルでわたしはあなたのコピー・・・だから・・・」
アヤカ?「あまりいい気分じゃないでしょ? ・・・気持ち悪く・・・ない?」
アヤカ?「コピーのわたしが言うのもなんだけど・・・」
アヤカ「ええっと・・・」
アヤカ?「?」
アヤカ「いや・・・ こういうときってお前を倒してわたしが本物になるー! とかそういう展開になるかと・・・」
アヤカ?「・・・ あなたねぇ・・・」
アヤカ?「漫画とかの見すぎよ・・・ まったく・・・」
アヤカ「あなたのこと・・・ 最初は戸惑ったけど・・・」
アヤカ「あなたはわたしを助けてくれた・・・ あなたを信じる理由もそれで充分よ!」
アヤカ?「ありがとう・・・」
アヤカ「じゃ、行こう?」
アヤカ?「ええ・・・ その前に変身を解除していくわよ この格好のままじゃ目立つでしょ?」
アヤカ「あ、そうだった」
アヤカ?「・・・」
アヤカ「・・・」
アヤカ「じゃあ行きましょう? わたしたちの基地へ!」
アヤカ?「ええ!」
〇開けた交差点
アヤカ?「や・・・やっぱり・・・ すごく見られてるわね・・・」
アヤカ「おんなじ見た目だもんね~」
アヤカ?「あなたはどうしてそんなにごきげんなのよ?」
アヤカ「えーっ? なんか妹が出来たみたいで嬉しくて─」
アヤカ?「えぇっ!? わたしが妹なの?」
アヤカ「ツッコむところそこ?」
アヤカ?(これがわたしのオリジナルかぁ・・・)
アヤカ?(でも妹か・・・)
アヤカ?「案外悪くないかもね・・・」
アヤカ「どうしたの? 顔赤いよ?」
アヤカ?「な・・・なんでもないわよ!」
アヤカ?「何今の!! 悲鳴!?」
アヤカ「あっちからよ!」
〇大きい交差点
ナイトメア「裏切り者め!!! 出てこい!!」
怪人「ウオオオオオオッ!!!」
アヤカ?「あいつら・・・ わたしたちを探してるのね・・・」
アヤカ「でもわたしたち2人じゃ・・・」
アヤカ?「〜〜〜〜っ!!!」
アヤカ?「わたしが行くわ・・・」
アヤカ「ええっ!?」
アヤカ?「わたしがあいつらの注意を引き付けてるからあなたはその間に基地のみんなを!!」
アヤカ「そんな! 無茶よっ!!」
アヤカ?「頼んだわよ?」
アヤカ「もうっ・・・」
〇大きい交差点
アヤカ?「お前たち!! 用があるのはわたしでしょう? 暴れるのはやめなさい!!」
ナイトメア「ようやく出てきたか・・・ 手間を掛けさせる・・・」
アヤカ?「大人しく帰らないっていうのなら・・・」
怪人「ぎゃあああっ!!!」
アヤカ?「どう?まだやるつもり!?」
アヤカ?(相手はナイトメア・・・ さっきまでの雑魚とは格が違う・・・ 大人しく引き下がってくれれば・・・)
ナイトメア「やってくれるな・・・ だがお前の相手はわたしではない・・・」
アヤカ?「何?」
ナイトメア「出てこい実験サンプル2号!!!」
アヤカ?「えぇっ!?」
実験サンプル2号「・・・」
ナイトメア「さぁ・・・ 失敗作のガラクタを始末せよ!!!」
実験サンプル2号「仰せのままに・・・」
実験サンプル2号「ハァァッ!!!」
アヤカ?「ああぁっ!!!」
アヤカ?「まさか・・・ まだコピーを生み出していたなんて・・・」
ナイトメア「ゲイルの過ちは単純にオリジナルの正義の心を使ったこと・・・ ならばそれを使わなければいいだけのことだ」
アヤカ?「くっ・・・」
ナイトメア「ではあとは任せたぞ・・・」
実験サンプル2号「お任せ下さい・・・ ナイトメア様・・・」
実験サンプル2号「さぁ・・・ 始めましょうか・・・」
アヤカ?「・・・」
アヤカ?「さっきは油断したけど・・・」
実験サンプル2号「?」
アヤカ?「ただ物を壊すだけのあなたになんかにはやられないわよ?」
実験サンプル2号「強がりをっ!!!」
〇屋敷の書斎
アヤカ「みんなっ!!!」
リョウ「どうしたんだ? 心配してたんだぞ?」
アヤカ「大変なの!! 街でナイトメアの怪人たちが暴れててもう一人のわたしが一人で食い止めてるの! 早く助けに行かないと!!」
アキラ「もう一人のわたし・・・? とにかく少し落ち着くんだ! 何がなんだかわからないぞ!?」
アヤカ「と・・・とにかく!! ピンチなの!!! 早く助けに行かないと!!!」
リョウ「なんだかよくわからないけど・・・」
リョウ「仲間のピンチならすぐに行かないとな!」
アキラ「おう!」
アヤカ「ありがとう!!」
〇大きい交差点
実験サンプル2号「ハァァッ!!!」
アヤカ?「くぅぅっ・・・」
実験サンプル2号「どうしたの? 息が上がってるわよ?」
アヤカ?「まだまだぁ!!! ハァァッ!!!」
実験サンプル2号「まだ動けるか・・・」
アヤカ?「これで終わりよ!!!」
女の子「怖いよぉー」
アヤカ?「逃げ遅れた女の子?」
アヤカ?「マズい!!! 逃げて!!!」
実験サンプル2号「隙ありぃぃぃっ!!!」
アヤカ?(マズい・・・ やられる・・・)
実験サンプル2号「何っ!?」
リョウ「どうやら間に合ったみたいだな・・・」
アヤカ?「みんな・・・ 来てくれたのね!!」
アヤカ「よかったああぁっ 間に合ってよかったよおおお」
アヤカ?「ハァ・・・ハァ・・・」
アヤカ「大丈夫!?」
アヤカ?「ちょっと・・・ 力を使いすぎたみたい・・・」
リョウ「こんなにボロボロになるまでよく頑張ったな・・・」
アヤカ「あとはわたしたちに任せて!!」
アヤカ?「気を付けて・・・ 敵は・・・」
実験サンプル2号「フッフッフッ・・・」
アヤカ「またわたしのコピー・・・」
アキラ「仲間と同じ顔を相手にするのはやりにくいが・・・」
リョウ「それ以上に仲間に好き勝手された怒りが上回るぜ!!」
リョウ「いくぜ!! 合体奥義!!」
リョウ「トライアングルエクスプロージョン!!」
実験サンプル2号「何だ!? この力は!?」
実験サンプル2号「ぐああああっ!!!」
アヤカ?「終わった・・・の?」
アヤカ「うん! もう大丈夫だよ?」
リョウ「しっかしまぁ本当にアヤカそっくりだなぁ」
アヤカ?「わわっ! ちょっ・・・近いってば・・・」
アキラ「どうした? 顔真っ赤だぞ?」
アヤカ?「〜〜〜〜〜っ」
アヤカ「もうっ! あんまりからかわないであげてよね?」
リョウ「じゃあみんなで帰ろう! 俺たちの基地に! 君も一緒に・・・ね?」
アヤカ「今さらだけど・・・ これからよろしくね?」
アヤカ?「・・・」
アヤカ?「うん!」