入れ替わり生活

ヲズ

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〇怪しい実験室
ユキ「んんっ・・・ここは・・・」
???「ようやく目を覚ましたか・・・」
ユキ「あなたは誰!? わたしをどうするつもりなの!?」
???「別にどうもしやしないよ・・・ ただ君はもうここから出られないけどね」
ユキ「そんな!」
ユキ(大丈夫・・・ わたしがいなくなったらきっとお父さんたちが捜し出してくれる・・・)
???「残念ながらそれはないよ・・・」
ユキ「!?」
???「君のお父さんは刑事さんだったね・・・ 確かに娘がいなくなったら大事になるだろうね・・・ 娘がいなくなったらね」
ユキ「どういうこと!?」
???「こういうことさ」
ユキ?「・・・」
ユキ?「こういうことさ」
ユキ「うそ・・・わたし?」
ユキ?「ふふっ・・・ どう?声までおんなじでしょ?」
ユキ?「これが俺の能力なのさ・・・ 自分の姿を自在に変えられる・・・」
ユキ「ウソみたい・・・」
ユキ?「訳あって俺は警察に追われる身でね。 この力で色んなやつに化けて逃げてまわってたんだけど、逃亡生活にもウンザリしてね」
ユキ?「で、思ったんだ」
ユキ「?」
ユキ?「刑事の娘である君に化ければ疑われる心配もないし警察の動きも分かるかもしれないってね」
ユキ「そんな・・・!?」
ユキ?「まぁ、君に恨みがあるわけじゃないから殺しはしないよ? 食事だって用意してちょくちょく様子を見に来るつもりだし・・・」
ユキ「でもきっと気づかれるわよ?」
ユキ?「えっ!?」
ユキ「だって喋り方とかしぐさとか全然わたしっぽくないもの」
ユキ?「なんだそんなことか・・・」
ユキ?「・・・」
ユキ「?」
ユキ?「こんな感じ・・・かな?」
ユキ「なんか急に雰囲気が・・・」
ユキ?「ってね♪」
ユキ?「確かに俺は他人に化けることが出来るだけで他人の記憶まではものに出来ない・・・」
ユキ?「だからここ数ヶ月の間、君のことを徹底的に調べて観察してたんだ」
ユキ?「一度は君の留守中に部屋に入ったりもしたんだよ?」
ユキ「ええっ!?」
ユキ?「お父さんとも鉢合わせちゃったけど、全然気付かれなかったわよ?」
ユキ「そんなぁ・・・」
ユキ?「っと・・・ そろそろ帰らないとお母さんが心配しちゃうわ!」
ユキ「まっ・・・待って!!!」
ユキ?「じゃあね~」
ユキ「どうしよう・・・」

〇シックな玄関
ユキ?「ただいまーっ」
お母さん「おかえりなさい。 少し遅かったわね」
ユキ?「ごめんなさい 友達と話がはずんじゃって」
お母さん「そうなの? 荷物置いてらっしゃい ご飯出来てるわよ」
ユキ?「はーい!」

〇女の子の部屋
ユキ?「ふーっ・・・」
ユキ?「お母さん・・・全然気づいてないな~」
ユキ?「お父さんは仕事場で寝泊まりが多いみたいだし・・・」
ユキ?「楽勝楽勝♪」

〇怪しい実験室
  翌日・・・
ユキ「ここに閉じ込められてからどれぐらい経ったんだろう・・・ うぅ・・・」
ユキ「!?」
カエデ「ユキ!! 大丈夫!?」
ユキ「カエデ!? どうしてここに!?」
カエデ「今日のユキの様子がおかしくて後を着けてたの・・・ そしたら・・・」
カエデ「偽者なら安心して! ここには今いないから」
ユキ「よかったぁ~ 助かったよぉ〜」
カエデ「大丈夫? お腹空いてるんじゃない? せっかく用意した食べ物にも手を付けてないみたいだし・・・」
ユキ「だって何が入ってるかもわかんないのに・・・」
ユキ「え?」
ユキ「カエデ・・・?」
カエデ「・・・」
ユキ「なんで手錠を外してくれないの・・・?」
カエデ「・・・」
ユキ「ふざけないでっ!!!」
カエデ「あっはっはっは」
ユキ?「ごめんごめん ようやく気づいた?」
ユキ「カエデに化けたりなんかして!!」
ユキ?「アハハッ みーんな誰もわたしのこと気づかなかったわよ~」
ユキ「そんなぁ・・・」
ユキ「もうここから出してよ!」
ユキ?「だからそれは出来ないって・・・」
ユキ?「・・・」
ユキ?「やっぱり・・・出たいよね・・・」
ユキ「え?」
ユキ?「仕方ないかぁ・・・」
ユキ「?」
ユキ?「もういいよ・・・ 帰っても」
ユキ?「正直、今の生活も長く続くとは思ってなかったしね・・・」
ユキ「え?でも・・・ あなたはこれからどうするの?」
ユキ?「わたしはまた別の姿を借りて身を隠すさ」
ユキ「そう・・・」
ユキ?「悪かったね・・・ それじゃあ・・・」
ユキ「待って!」
ユキ?「えっ!?」
ユキ「もし・・・ あなたがわたしの姿で変なことしないって約束出来るなら・・・」
ユキ「時々でもわたしと入れ替わってもいいよ・・・」
ユキ?「えぇっ!? どうして?」
ユキ「監禁はされたけど、あなた、特にわたしの姿で変なことしたわけでもないみたいだし・・・」
ユキ「それ程悪い人じゃなさそうだし・・・」
ユキ?「願ってもない話だけど・・・」
ユキ?「ほ・・・本当にいいの?」
ユキ「ただし条件が一つ!」
ユキ?「な・・・何?」
ユキ「隠れ家はもう少しきれいなところにしてよね?」
ユキ?「・・・」
ユキ?「うんわかった・・・ わかったよ!」
ユキ「それじゃあこれからよろしくね? わたし?」
ユキ?「うん、よろしくね? わたし!」

〇女の子の二人部屋
  その後・・・
ユキ「今日はお疲れさまー わたし!」
ユキ?「うん!お疲れさまー わたし」
ユキ「今日は何か変わったことあった?」
ユキ?「えっとねー 今日の晩御飯はハンバーグだったよー」
ユキ「あっズルーい! いいな~」
ユキ?「アハハッ」
  あれからわたしたちはもう一人のわたしが別人の姿を使って借りた部屋を使って入れ替わり生活をしていた。
  元は別人だけど今はわたしとして生活してるからかな?
  今では好みも同じになってすごく話しが合うの!
ユキ?「じゃあ今週はあなたの当番ね? 任せたよ?」
ユキ「うん! 任された!」
  今はこの奇妙な生活がとっても楽しい!

コメント

  • 不思議な作品ですね!!
    最初はサスペンスタッチですが・・・最後はなんだか友情物みたいな感じになって!!
    カエデのトリックなども面白く、全然飽きない展開で楽しかったです(^^)

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