第九話「純愛。だよ」⑤(脚本)
〇黒
純愛Tap小説
『半径500メートル』
終
〇映画館の座席
〇映画館の座席
ガムテ「これが」
ガムテ「ナオトラの能力」
ガムテ「『純愛の魔性』」
ガムテ「ぺぷしっ」
ルック「そんな格好では風邪をひくぞ」
ルック「これを着るといい」
ルック「余の女装ウェアだけど」
ガムテ「すまない」
ガムテ「あったかい」
ガムテ「えっ!」
ガムテ「この服・・・」
ガムテ「私が劇中で着ていた・・・」
ガムテ「・・・」
ガムテ「ナオトラさん・・・」
ルック「よしよし」
超耽美・なでなで
三雨 (ササメ)「けっ」
三雨 (ササメ)「昔のオンナを思い出して泣くなんざ」
三雨 (ササメ)「ガキのすることだぜ」
三雨 (ササメ)「みっともねー」
ルック「意地悪!」
ルック「お兄様はないのですか!?」
三雨 (ササメ)「あ?」
三雨 (ササメ)「昔のオトコを思い出し〜ってか?」
ルック「うむ!」
三雨 (ササメ)「ナメた口きいてんなよ、ガキが」
三雨 (ササメ)「思い出しっ─────」
三雨 (ササメ)「っ!」
三雨 (ササメ)「・・・」
三雨 (ササメ)「・・・・・・・・・」
三雨 (ササメ)「ふぐっ」
ルック「ふぅーん」
ネコニキ「つまり」
ネコニキ「幻覚を見せる魔法・・・ってコトか?」
ガムテ「おそらく・・・」
ガムテ「しかし、封印という能力もある」
ガムテ「私は肉まんでした」
ネコニキ「姉ちゃんの場合は──」
ネコニキ「ササメが齧ったら封印が解けたよな」
三雨 (ササメ)「そうだよ」
三雨 (ササメ)「なんで俺だけ幽霊なんだよ」
ルック「肉まん・・・」
ルック「お兄様に横取りされたせいで」
ルック「余の細いウエストが更にか細く・・・」
ルック「あっ」
ルック「これがあった」
ルック「・・・」
ルック「もう我慢できねぇッ!」
ルック「いただきまーす」
〇黒
〇映画館の座席
三雨 (ササメ)「──ッ!?」
ネコニキ「ササメぇッ!?」
ガムテ「成仏・・・した?」
ネコニキ「ジョーブツぅ──!?」
ルック「どうかしたのか?」
ガムテ「そのバナナ」
ガムテ「食べちゃってるケド・・・」
ネコニキ「・・・」
ルック「・・・え?」
〇立派な洋館
「ササメぇぇぇぇッ──!!」
〇地下室への扉
ナオトラ「ふぅむ」
ナオトラ「ここじゃな?」
ナオトラ「ダーリンのカラダを──」
ナオトラ「先に確保。じゃ」
ナオトラ「ァァ──」
ナオトラ「耽美な男の娘のカラダぁ〜」
〇黒
〇英国風の部屋
ナオトラ「ふふーん」
ナオトラ「ダーリンの霊魂を戻す前にぃ〜」
ナオトラ「いっぱいイジっちゃお〜」
「おいおい、勘弁してくれよ」
ナオトラ「へっ!?」
〇英国風の部屋
三雨 (ササメ)「ナニをいじるって?」
三雨 (ササメ)「あぁ〜?」
〇英国風の部屋
三雨 (ササメ)「姉さんよぉ」
〇華やかな裏庭
「吐け!吐けぇぇぇぇッ──!!」
〇清潔なトイレ
ネコニキ「オラァッ!」
ネコニキ「さっさと吐けッ!」
ルック「ちょ、ネコどの!」
ルック「落ち着いて!」
ネコニキ「落ち着けるかッ!」
ネコニキ「ササメが消滅しちまったら──」
ネコニキ「全てがお終いなんだよ!」
ルック「そう言われても」
ルック「吐けと言われて吐けるものでは・・・」
ネコニキ「じゃあ、コイツを喉奥までブチ込んでやる!」
エグいチョコバナナ
ルック「まっ!?」
ルック「こ、こんな立派なの・・・無理・・・」
ルック「あれ?」
ルック「余が食べた部分が──」
ルック「元に戻ってる」
ネコニキ「え?」
ネコニキ「ほんとだ・・・」
ルック「形状記憶バナナ・・・ってコト?」
〇黒
〇清潔なトイレ
三雨 (ササメ)「あっははははッ──!!」
三雨 (ササメ)「方陣展開」
三雨 (ササメ)「超耽美──」
三雨 (ササメ)「竿(さお)」
『超耽美・竿』
耽美道具のひとつ
その昔、太公望の故事に倣い──
耽美な男の娘がこの釣竿を使って
見事にイケメンを一本釣りしたという
〇黒
〇華やかな裏庭
ガムテ「何事っ!?」
ガムテ「あぁッ!?」
〇結婚式場の前
ナオトラ「ゴホゴッホ」
ナオトラ「さすがダーリン」
ナオトラ「強いのぉ」
ナオトラ「やはり形代では厳しいか」
※ 式神の形代
三雨 (ササメ)「紙切れ1枚で動いてるにしちゃ──」
三雨 (ササメ)「テメーもなかなかだぜ」
ネコニキ「ササメ!」
ネコニキ「元に戻ったのか!?」
三雨 (ササメ)「そりゃもう、ビンビンよ」
ルック「よかったー」
ネコニキ「一安心だぜ」
ナオトラ「安心?」
ナオトラ「ふふふっ」
ネコニキ「な、なんだよ?」
ナオトラ「わっちをナメすぎじゃ」
ナオトラ「純愛の魔性」
ナオトラ「伊達ではないぞよ?」
ナオトラ「3」
ナオトラ「2」
1
〇黒
〇結婚式場の前
三雨 (ササメ)「耽美霊」
三雨 (ササメ)「あ゛ぁ゛ッ!?」
ルック「ええ──!?」
ネコニキ「なんでだよ!」
ガムテ「ナオトラさん!」
ガムテ「あ、いや・・・」
ガムテ「ナオトラぁ!」
ナオトラ「あら」
ナオトラ「ガムテさん」
ナオトラ「なんだか、こっ恥ずかしいですね」
※ ついさっきまでの2人
ナオトラ「って、なんじゃ」
ナオトラ「そちも、肉まんから解放されとるんかえ」
ガムテ「それだ!」
ガムテ「なぜササメ殿の封印は解けないんだ!」
ナオトラ「ふむ」
ナオトラ「なぜってそりゃ──」
〇黒
あの時・・・
渾身の魔法を食らわせたからのう