雪とピュア恋短編集❤

立坂雪花

第1話❄クリスマスイブ、初恋の君が目の前に。②(脚本)

雪とピュア恋短編集❤

立坂雪花

今すぐ読む

雪とピュア恋短編集❤
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇レトロ喫茶
  入口で私たちは雪をはらった。
  お客さんは誰もいなかった。
七瀬 小春(ななせ こはる)(暖かくて、甘い香りがする)
喫茶店の店員「お好きな席へどうぞ」
七瀬 小春(ななせ こはる)(どこに座ろっかな・・・)
平野 奏汰(ひらの かなた)「窓側に座ろっか」
七瀬 小春(ななせ こはる)「うん」
平野 奏汰(ひらの かなた)「甘くて温かいミルクティーで」
七瀬 小春(ななせ こはる)「私も」
  外を眺めると、雪は完全に止んでいた。
七瀬 小春(ななせ こはる)「さっきの雪すごかったね」
平野 奏汰(ひらの かなた)「そうだな」
  さっき雪があんなに降っていなければ
  多分喫茶店には来ていなかった。
  そして彼とも一緒にいなかったと思う。
七瀬 小春(ななせ こはる)「このミルクティー甘くて美味しい」
平野 奏汰(ひらの かなた)「な、美味い」
平野 奏汰(ひらの かなた)「七瀬さん、相変わらず甘いの好きなんだな」
七瀬 小春(ななせ こはる)(甘いのが好きなこと)
七瀬 小春(ななせ こはる)(覚えていてくれて、嬉しいな)
七瀬 小春(ななせ こはる)「うん、好きだよ!」
七瀬 小春(ななせ こはる)「平野くんは甘いの苦手じゃなかったっけ?」
平野 奏汰(ひらの かなた)「いや、最近好きになってさぁ。ケーキとかも・・・」
七瀬 小春(ななせ こはる)(お母さんからメールだ)
  『お土産、駅で売ってるクッキー買ってきてほしいな』
  『分かったよ! バニラとチョコと紅茶味全部買うね』
平野 奏汰(ひらの かなた)「誰?」
七瀬 小春(ななせ こはる)「お母さん。お土産買ってきてって・・・」
平野 奏汰(ひらの かなた)「・・・彼氏かと思った」
七瀬 小春(ななせ こはる)「私、彼氏いないよ」
平野 奏汰(ひらの かなた)「そっか、良かった!」
七瀬 小春(ななせ こはる)(えっ? 今良かったって言った?)
  どういう意味で『良かった』って言ったのか気になった。
  ひとつひとつの彼の言動が気になる。
七瀬 小春(ななせ こはる)「平野くんは、彼女いるの?」
平野 奏汰(ひらの かなた)「いないよ」
七瀬 小春(ななせ こはる)(ほっ)
七瀬 小春(ななせ こはる)(いないと聞いてほっとしたのは)
七瀬 小春(ななせ こはる)(彼のことが好きって気持ちが)
七瀬 小春(ななせ こはる)(まだ私の中に残っているからなのかな)
七瀬 小春(ななせ こはる)(うん、残ってる)
七瀬 小春(ななせ こはる)(再会した時に自分の気持ちが)
七瀬 小春(ななせ こはる)(はっきりと分かった気がした)
  目の前に彼が現れた時の
  心の揺れ具合はすごかった──。
七瀬 小春(ななせ こはる)「・・・」
七瀬 小春(ななせ こはる)「平野くんは好きな人いたりするの?」
平野 奏汰(ひらの かなた)「・・・」
平野 奏汰(ひらの かなた)「いないよ」
平野 奏汰(ひらの かなた)「七瀬さんは?」
七瀬 小春(ななせ こはる)「私は・・・いないかな?」
七瀬 小春(ななせ こはる)「出会いがなくて」
七瀬 小春(ななせ こはる)(嘘ついちゃった)
七瀬 小春(ななせ こはる)(本当は目の前にいる)
  ──私は平野くんのことが
  好き。
七瀬 小春(ななせ こはる)「そういえば最近ね、同じクラスだった・・・」
  お互いの恋話はそれで終わり
  懐かしい話で盛り上がった。
  空気感が昔の仲良かったころに戻った感じ。
七瀬 小春(ななせ こはる)(時間過ぎるの早いな・・・)
七瀬 小春(ななせ こはる)「平野くん、次の電車の時間、そろそろかな?」
平野 奏汰(ひらの かなた)「・・・そうだな」
七瀬 小春(ななせ こはる)「そろそろ出よっか」
喫茶店の店員「ありがとうございましたー」

〇店の入口
七瀬 小春(ななせ こはる)(もっと一緒に、いたいな・・・)
平野 奏汰(ひらの かなた)「小春ちゃん、ここのイルミネーション見たことある?」
七瀬 小春(ななせ こはる)(今、下の名前で呼んでくれた?)
  今日の私の心臓は
  いっぱいドキドキしてて忙しい。
七瀬 小春(ななせ こはる)「見たことないなぁ」
平野 奏汰(ひらの かなた)「昨日、ばあちゃんと見たんだけど綺麗だった」
七瀬 小春(ななせ こはる)「いいなぁ! この街並みにイルミネーション」
七瀬 小春(ななせ こはる)「雰囲気あるんだろうなぁ・・・写真も撮りたい」
平野 奏汰(ひらの かなた)「今日は何時までに帰らないといけないとか、あるの?」
七瀬 小春(ななせ こはる)「特にないかな。遅くなりすぎなければ大丈夫」
平野 奏汰(ひらの かなた)「じゃあ、イルミネーション点灯するまでいたら?」
七瀬 小春(ななせ こはる)「どうしよっかな・・・」
平野 奏汰(ひらの かなた)「一緒にイルミネーション見よ?」
七瀬 小春(ななせ こはる)(一緒にってことは)
七瀬 小春(ななせ こはる)(それまでずっと一緒にいられるのかな?)
七瀬 小春(ななせ こはる)「うん!」

〇黒
  次回へ続く

次のエピソード:第1話❄クリスマスイブ、初恋の君が目の前に。完

コメント

  • 雪花さんのお話をまたTNで読めて嬉しいです😆
    『心臓がいっぱいドキドキして忙しい』とても胸に残ったワンシーンです❤️
    ピュアっピュアな小春ちゃんの気持ちが切な温かくドキドキとさせてくれて、純粋すぎる気持ちに心が洗われていくようです…✨

成分キーワード

ページTOPへ