雪とピュア恋短編集❤

立坂雪花

第1話❄クリスマスイブ、初恋の君が目の前に。①(脚本)

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〇クリスマスツリーのある広場
  ❄クリスマスイブ、初恋の君が目の前に。❄

〇黒

〇黒
  高校2年生の冬。
  住んでいる街の近くにある
  小さな街の雪景色を撮りたくなって
  朝から電車に乗った。

〇電車の中
  お客さんは本を読んでいる男の人と親子
  そして私だけ。

〇白

〇電車の中
七瀬 小春(ななせ こはる)(外は真っ白)
七瀬 小春(ななせ こはる)(雪は、止んでるな)

〇黒
  30分後・・・

〇雪に覆われた田舎駅(看板の文字無し)
七瀬 小春(ななせ こはる)(雪めちゃくちゃ降ってる)
七瀬 小春(ななせ こはる)(天気予報、ずっと曇りじゃなかったっけ?)
七瀬 小春(ななせ こはる)(どうしようかな?)
  これからの予定を考えている時だった。

〇白

〇雪に覆われた田舎駅(看板の文字無し)
  駅の向かい側に懐かしい彼の顔が・・・
  降っている雪の隙間から
  一瞬ちらりと見えた気がした。
  懐かしいと言っても中学校は同じだったから
  そんなに懐かしくはないのかもしれない。

〇白
  彼の名前は『平野 奏汰くん』
  彼と知り合ったのは幼稚園だった。

〇幼稚園

〇学校の校舎
  小学校卒業するまでは一緒に遊んだり
  話をしたりしていたんだけど・・・

〇学校の廊下
  中学に入ると自然と話さなくなっていった。

〇白
  そして高校は
  別々のところへ

〇冬
  平野 奏汰くんは
  私の初恋の人。

〇白
  好みの漫画が一緒で
  私の好きそうな漫画を見つけると
  教えてくれたり
平野奏汰「大丈夫?」
  他にも色々私のことを気にかけてくれたりして
  すごく優しかった。
  そして名前をいっぱい呼んでくれたり。
平野奏汰「小春ちゃん」
平野奏汰「小春ちゃん!」
  って。

〇雪に覆われた田舎駅(看板の文字無し)
七瀬 小春(ななせ こはる)(名前を呼ばれるだけで嬉しかったな)
七瀬 小春(ななせ こはる)(いつの間にか苗字で呼ばれるようになったけど・・・)
七瀬 小春(ななせ こはる)(一瞬見えただけで、もう見えないから)
七瀬 小春(ななせ こはる)(気のせいだったのかな?)
七瀬 小春(ななせ こはる)(とりあえず、駅の近くにある喫茶店で)
七瀬 小春(ななせ こはる)(雪が止むまで待っていようかな・・・)

〇雪に覆われた田舎駅(看板の文字無し)
七瀬 小春(ななせ こはる)(あれ? 雪が当たらない・・・)
  ふわっとした気配がして
  私の頭の上には傘が
  そして横には

〇白
  彼が。

〇雪に覆われた田舎駅(看板の文字無し)
七瀬 小春(ななせ こはる)「びっくりしたー」
平野 奏汰(ひらの かなた)「七瀬さん、久しぶり」
  彼はすごく身長が伸びていた。
  どのくらいかというと
  見上げないと彼と目が
  合わせられないくらい。
七瀬 小春(ななせ こはる)(昔は同じくらいだったのにな)
  同じ傘の下にいて
  こんなに近距離だからか
  ドキドキしてきた。
  でもそれを悟られないように
  一生懸命に隠した。
七瀬 小春(ななせ こはる)「やっぱり向かいにいたの」
七瀬 小春(ななせ こはる)「平野くんだったんだ」
平野 奏汰(ひらの かなた)「さっき俺たち一瞬」
平野 奏汰(ひらの かなた)「目が合ったよね」
七瀬 小春(ななせ こはる)「合った?」
平野 奏汰(ひらの かなた)「うん、合ったよ」
七瀬 小春(ななせ こはる)(良かった)
七瀬 小春(ななせ こはる)(心臓の音は早いままだけど)
七瀬 小春(ななせ こはる)(普通に話せてる)
七瀬 小春(ななせ こはる)「平野くんはここの駅に用事があったの?」
平野 奏汰(ひらの かなた)「あ、うん」
平野 奏汰(ひらの かなた)「ばあちゃんの家に泊まってて」
平野 奏汰(ひらの かなた)「今から帰るところなんだ」
平野 奏汰(ひらの かなた)「七瀬さんは?」
七瀬 小春(ななせ こはる)「私は街の写真を撮りに来たんだけど」
七瀬 小春(ななせ こはる)「雪がすごいから」
七瀬 小春(ななせ こはる)「とりあえず近くの喫茶店で」
七瀬 小春(ななせ こはる)「雪が止むのを待とうかなって思って」

〇白

〇店の入口
平野 奏汰(ひらの かなた)「じゃ、七瀬さん。バイバイ!」
七瀬 小春(ななせ こはる)「傘さしてここまで送ってくれてありがとう」
七瀬 小春(ななせ こはる)「バイバイ!」
七瀬 小春(ななせ こはる)(このまま離れるのは寂しいな・・・)
七瀬 小春(ななせ こはる)(だけど帰りの電車に乗ろうとする平野くんを)
七瀬 小春(ななせ こはる)(引き止めるわけにはいかないし)
七瀬 小春(ななせ こはる)(でも・・・)
平野 奏汰(ひらの かなた)「七瀬さん!」
七瀬 小春(ななせ こはる)「平野くん!」
平野 奏汰(ひらの かなた)「七瀬さん、どうしたの?」
七瀬 小春(ななせ こはる)「いや、平野くんこそ」
平野 奏汰(ひらの かなた)「・・・」
平野 奏汰(ひらの かなた)「もう少し七瀬さんと一緒にいたいなと思って」
七瀬 小春(ななせ こはる)(私と一緒にいたい?)
  深い意味はないんだろうけど
  ちょっとだけ何かを期待しちゃう自分がいた。
七瀬 小春(ななせ こはる)「じゃあ私と一緒にこのお店に入る?」
平野 奏汰(ひらの かなた)「そうしよっかな」

〇黒
  次回へ続く

次のエピソード:第1話❄クリスマスイブ、初恋の君が目の前に。②

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