#10 2023.7.7 ②(脚本)
〇ラジオの収録ブース
RICO「日々繰り返される、学校での暴力・暴言」
RICO「それを見て見ぬふりの担任教師」
RICO「夫婦不仲な上、子供に関心を寄せない両親」
RICO「そんな環境下にあった当時の私にとって、 抜け出す選択肢は1つしかなかった・・・」
RICO「そうして、20年前の6月・・・」
RICO「中学3年生だったアタシは、 最低最悪の選択肢を選んでしまった・・・」
RICO「幸か不幸か、一命を取り留めたけど 半年以上の入院生活を余儀なくされてね」
RICO「大事にしたくない教師と両親は、 速やかに病院内の特別支援学校に転校させ」
RICO「この件について、速やかな幕引きを図った」
RICO「だから、当時の同級生からしたら、」
RICO「急に名簿等から名前が消えた = 死んだ」
RICO「・・・とでも思ったのでしょうね」
RICO「その後、アタシは母方の祖父母が暮らす 岐阜県へと移り、」
RICO「全てをリセットして 新しい土地で高校生活を送るようになった」
RICO「・・・というのが、飛び降りてからの経緯」
RICO「納得がいきましたか?」
RICO「ねぇ・・・いじめの主犯格サン」
RICO「では、ここで一旦CMを挟みます」
依田 大樹(構成作家)「おい、そんなことあったのかよ・・・」
RICO「ゴメンね、黙っていて・・・」
依田 大樹(構成作家)「いや、黙っていたのは仕方ないけど」
依田 大樹(構成作家)「こんなの、軽々に話せるネタじゃねーしな」
依田 大樹(構成作家)「それよりも、一ついいか・・・?」
依田 大樹(構成作家)「その元・同級生に対して悪感情を持つのは 仕方はないけどさ、」
依田 大樹(構成作家)「絶対にここを、私怨を晴らす場にすんなよ」
依田 大樹(構成作家)「お前さんの日常話を聴きたいって奴も ラジオの向こう側にいるんだからな」
RICO「・・・うん、気を付ける」
栗沢 大和(ディレクター)「RICOさん・・・」
栗沢 大和(ディレクター)「この話、もうやめませんか?」
栗沢 大和(ディレクター)「週刊誌からの問い合わせ 「自殺したリスナーと 個人的に連絡を取り合っていた件」」
栗沢 大和(ディレクター)「もう、十分な弁明になってますから・・・」
栗沢 大和(ディレクター)「こんなRICOさんのトーク 聴いてられないですよ・・・」
RICO「・・・ゴメン」
RICO「もうちょっとだけ・・・話させて」
栗沢 大和(ディレクター)「・・・わかりました」
栗沢 大和(ディレクター)「でも、状況によっては、 強制的に打ち切りますからね」
栗沢 大和(ディレクター)「じゃあ、CM明け・・・5秒前・・・」
RICO「では、続いて・・・」
RICO「あの子・・・紗那ちゃんと どんなやり取りをしたかという件だけど」
RICO「キッカケは、紗那ちゃんが いじめに遭っているという投稿メール」
RICO「当時のアタシと同じ緑山市で暮らしていて その境遇も似ていたため、」
RICO「気持ちを抑えきれずに 彼女のアドレスにメールを送ってしまった」
RICO「ま、最初は不審がられたけどね・・・」
RICO「それでも、メールの往来を 繰り返すうちに・・・」
〇白
RICO「紗那ちゃんって、学校をお休みしてる間の 勉強はどうしてるの?」
北竜 紗那「一応、毎日教科書を読むようにしてます」
北竜 紗那「・・・数学以外は」
RICO「わかるー、アタシも数学ダメだったから」
RICO「でも感心しちゃう! ちゃんと勉強を続けているって」
北竜 紗那「ありがとうございます!」
RICO「今の環境を乗り越えた先にも 勉強って付いて回るものだから」
RICO「今のように続けていったたほうがいいわね」
北竜 紗那「はいっ!」
北竜 紗那「ええと、その・・・」
北竜 紗那「あと、他にしたほうがいいことって 何かありますか?」
RICO「そうね・・・」
RICO「いっぱい本を読んたり、 いっぱい音楽聴いたり、 とにかく色々なモノに触れてみて」
RICO「あとは、興味のあることを 徹底的に調べてみるとか・・・」
北竜 紗那「興味のあること・・・」
北竜 紗那「わかりました!」
北竜 紗那「リコ姐さんのラジオ番組で出た いろんな下ネタワード、」
北竜 紗那「がんばって調べ尽くしてみますっ!」
RICO「・・・それはやめて」
〇白
北竜 紗那「また、お母さんと喧嘩になりました・・・」
北竜 紗那「「不登校なんてだらしない」って・・・」
RICO「それ、ヒドイ言い方じゃない!?」
RICO「そのコト、お父さんは知ってるの?」
北竜 紗那「うち、お父さんいないんです」
北竜 紗那「小さい頃、事故で死んじゃったんです」
RICO「そっか・・・ゴメン」
北竜 紗那「いえいえ、もう慣れちゃってます」
北竜 紗那「うち、親はお母さんしかいないので、」
北竜 紗那「そんなお母さんを怒らせたくないから、」
北竜 紗那「辛くても学校行ったほうがいいのかな・・」
RICO「ダメだって!」
RICO「何にも準備も対策もしないまま 学校に通ったって・・・」
RICO「前みたいに心を潰されるだけだから・・・」
RICO「ねぇ、いじめの件って、 担任の先生に相談できないの?」
RICO「今の学校って、いじめの相談を受けたら 必ず対応に動くルールになってるから・・」
北竜 紗那「できません」
北竜 紗那「お母さんが知ったら、絶対に怒るから」
北竜 紗那「そんなことがバレたら 絶対に家から追い出される・・・」
RICO「わかった・・・なら無理に勧めない」
RICO「でも、覚えておいて」
RICO「その環境を変えるためには、 誰かしらの大人の力が必要になることを」
北竜 紗那「はいっ」
RICO「アタシが、紗那ちゃんの親戚だったり ご近所さんだったら介入できたんだけどね」
RICO「ゴメンね・・・力になれなくて」
北竜 紗那「いいえ、こういう話もできて、 リコ姐さんには感謝しかないです」
北竜 紗那「リコ姐さんが母親だったらよかったのに」
北竜 紗那「リコ姐さん、ウチのお母さんと同い年だし」
RICO「・・・えっ」
RICO「ちょ、ちょっと待って!?」
RICO「紗那ちゃんのお母さんとアタシが同い年!?」
北竜 紗那「はい、お母さんも 1988年生まれの35歳です」
RICO「・・・ウソ」
RICO「アタシって、中学生の子供がいても おかしくないトシなんだ・・・」
RICO「ヘコむわ・・・」
〇白
北竜 紗那「あの、変な質問しちゃいますけど、」
北竜 紗那「リコ姐さんって、辛い状況を どうやって乗り越えたんですか?」
RICO「あー、ソレ聞いちゃうかぁ・・・」
RICO「どう説明したらイイものやら・・・」
北竜 紗那「えっ、答えづらいんなら、質問やめます」
RICO「いいのよ」
RICO「絶対に真似してほしくないけど、」
RICO「ビルから飛び降りたら、 大事になって環境が一変しちゃった」
北竜 紗那「えーーーーっ!?」
北竜 紗那「ケガしなかったんですか?」
RICO「もちろん大怪我したわよ」
RICO「治療やら何やらで、 半年以上棒に振っちゃったの・・・」
北竜 紗那「ですよね・・・」
北竜 紗那「でも、リコ姐さんが生きていてくれて よかったです!」
RICO「うん、ありがと!」
北竜 紗那「ビルからの飛び降りって こわくなかったんですか?」
RICO「すっごい怖かったわよ」
RICO「手すりを乗り越えるときも ガタガタ震えていたし・・・」
RICO「何せ、9階建てのビルの屋上だったから」
北竜 紗那「無理ですっ無理ですっ」
北竜 紗那「私、高所恐怖症だから絶対無理ですっ」
北竜 紗那「ちなみに、そのビルって街中のですか?」
RICO「うん、街中のセンタービルってところ」
RICO「屋上には絶対に行かないでね ホントに怖いから」
北竜 紗那「センタービル・・・?」
RICO「駅前の交差点にある、銀行の横のビルね」
北竜 紗那「あー、プラザビルのことですね!」
北竜 紗那「たしか、大昔はそんな名前だったって 聞いたことありますっ!」
RICO「ええと・・・」
RICO「アタシの学生時代って 「大昔」のことなんだ・・・」
北竜 紗那「あっ・・・」
〇ラジオの収録ブース
RICO「・・・いっぱい話してくれるようになった」
RICO「それから、彼女のメール内容は 徐々に生き生きとしたものになっていった」
RICO「いじめに遭う前は、 きっと明るく元気な子だったのだと思う」
RICO「でも、ある日のこと・・・」
〇白
北竜 紗那「リコ姐さんって、 春宋中に通っていたんですよね?」
RICO「ええ、そうだけど・・・」
北竜 紗那「すごく言いにくいんだけど・・・」
北竜 紗那「ウチのお母さん、 リコ姐さんをいじめていた加害者かも」
RICO「えっ!?」
北竜 紗那「お母さん、さっき言っていたんです」
北竜 紗那「「私が中学生の時の同じクラスの子、 みんなのサンドバックだったのに」
北竜 紗那「気が付いたら飛び降り自殺してた」って」
北竜 紗那「「アンタも強くならないと、 そいつみたいに自殺する羽目になる」って」
北竜 紗那「これってリコ姐さんのことですよね?」
北竜 紗那「お母さんとリコ姐さん、同級生だし・・・」
RICO「・・・・・・・・・」
北竜 紗那「うちのお母さん、旧姓は仁木っていいます」
北竜 紗那「仁木穂香って人、クラスにいましたか?」
北竜 紗那「仁木穂香って、いじめ加害者ですか?」
北竜 紗那「仁木穂香って、 リコ姐さんに最低のことをしたんですか?」
RICO「・・・・・・・・・」
北竜 紗那「答えてください、リコ姐さん!」
RICO「・・・」
RICO「・・・」
RICO「・・・うん、全部その通り」
〇ラジオの収録ブース
RICO「・・・それからの彼女のメールの内容は、」
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今思えばこれまで色々と伏線が含まれていたんですね😫
誰が悪いとか言っても、今更どうにもならない報われない展開過ぎて、切ないですね😫
サナさんも、慕っていた人をいじめていたのが、自分の母親だったなんて、優しい性格故に自己嫌悪になってしまいますよね😢
果たして、この後どうなるんだろうか、、、
ましまるさん=下ネタと思い込んでいて、すみませんでした😇
悲しい…ただただ悲しい
リコ姐もずっと自分を責めて過ごしていたかと思うと胸が締め付けられそうです😭
私がリコ姐の立場ならどうやって問題を防げたのだろうか色々考えさせられる回でした😞
んん…しんどい😭サンドバッグなんて言葉が出るってことはお母さんは何も反省してない…。
けど紗那ちゃんの親であり当たり前だけど紗那ちゃんを心配しての対応だったはずだけど…
リコ姐が寄り添ってくれて嬉しかっただろうな…
本当にいじめって、傷害罪という名前に変えて欲しいです。
この感想の後にアレですが下ネタメール10連発気になります😂✨