海の中での告白(脚本)
中学の時
〇グラウンドの水飲み場
鏑 菜「あれ、俺のタオルどこ?」
鏑 菜「あー家に忘れてきてる」
その時現れたのが、
吉葉 あいか「ファンなんです」
ある物を渡した
自分のあいかの学校名に
その女子のネームが縫い付けらている
タオルだった
鏑 菜(いいの?)
吉葉 あいか「受け取って下さい」
吉葉 あいか「あいかはより恥ずかしい気持ちが上回って「 じゃあ 」と」
そのタオルを手にして
鏑 菜「あの、待って!」
吉葉 あいか「あいかは立ち去ろうとする寸前に 振り替える」
鏑 菜「名前は何て言うの?」
吉葉 あいか「あたしあいかって言います!!」
吉葉 あいか「頑張って下さいよ ふふ」
これが鏑とあいかの出会いだった
鏑もあいかも高校1年の夏休み
〇古めかしい和室
ケータイでの電話
苛「そうなんだよ、メンバーな」
鏑 菜「えっ吉葉もくんの?」
苛「はは、そうだよ。美加女子校だよ」
苛「いくか? 近くの海岸、みんな行くって言ってるぞ」
鏑 菜(うーんそうだな、いく事にするかな)
地元の人のみ知る穴場スポット
〇海辺
海を目の前にして、
男友達が美加女子校の女子達と砂を
集めて、塔を作ろうとしていて
〇海辺
鏑達グループといえば、
海水を使い足で、
あそんでいる
吉葉 あいか「あいかはといえば 「 ばしゃばしゃばしゃ 」と」
吉葉 あいか「足で海水を蹴っている」
鏑 菜「鏑もまるで少年の無邪気さを見せるように 「 あはははは 」」
いつの間にか
そこでは鏑とあいかは
別行動の2人きりになっていた
鏑 菜「はっははは」
吉葉 あいか「あいかは勿体付けるかのように水着姿で、 あ、あのかぶらくん?」
吉葉 あいか(あたしかぶらくんの事すきよ!)
鏑 菜(うん、俺も好きだよ)
吉葉 あいか「それと」
鏑 菜「うん、なに?」
さざ波が足元をさらっていく
吉葉 あいか(あたし、 アイドルオーディションに合格したんだ)
鏑 菜「えっ!」
鏑 菜「えー―――――!!」
鏑 菜「スゴイじゃん!!」
吉葉 あいか「かぶらくん、喜んでくれるんだ」
波はさらにサーと足から
鏑 菜「当たりまえじゃんか、すげー」
引いていく
吉葉 あいか「そうかな、 あたしはかぶらくんがバスケを頑張る姿の方が凄いと思うけどな」
そして、あいかが鏑に振り向き直り
いきなり近付き両手を握り込む
足にはさらに波がざざー、と
吉葉 あいか(ねっ、そうしたら)
吉葉 あいか(何か言いたげに目を閉じた)
吉葉 あいか(そうしたら、応援に来てくれる?)
鏑 菜「うん、当たり前だよ」
吉葉 あいか「あいかは笑みを止め、別の事を口走った ー そう、応援に来てくれるんだ ー」
そして、鏑に向いたままの姿で、
吉葉 あいか「嬉しいな」
さらに、さざ波が来きた足が海水で満ち
吉葉 あいか(あいかは、やや涙目になったが必至に耐え)
吉葉 あいか「あたし」
鏑にはあいかがアイドル芸能界に
一歩入り込むということがどういう事か
分からない
あいかは実はこの場で鏑に
アイドルを辞めて付き合って欲しいと
言ってもらいたかった
それには鏑はバスケ以外では『普通の』
高校生で無理な考えとも言え
〇海辺
木川高校男子友達「菜!焚き木やるぞ!!」
鏑 菜「あー、えっ。はい、先輩!」
それ以来、鏑とあいかが出会う事は無い
ライブ会場以外では