蛇地獄

YO-SUKE

第14話 『遥香の復讐』(脚本)

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〇ペットショップの店内
  遥香は鼻歌を歌いながら仕事する七瀬を遠巻きに見ていた。
遥香「・・・・・・」

〇団地のベランダ
片岡七瀬「遥香ちゃんのこと、どう思ってるの?」
坂下道雄「・・・別に、まだ好きとか嫌いとか、そういうんじゃねえよ」
片岡七瀬「そっか・・・まあそうだよね♪」

〇ペットショップの店内
遥香「・・・あの女、絶対に許さない」

〇女の子の部屋(グッズ無し)
  坂下は遥香の部屋で荷造りをしていた。
  テーブルには手つかずの料理が並んでいる。
坂下道雄「! 帰ってたのか?」
遥香「朝ご飯、食べなかったんですね。 せっかく作っておいたのに」
坂下道雄「・・・ちょっと食欲なくて」
遥香「どこに行こうとしてるんですか?  もしかして七瀬さんのところ?」
坂下道雄「いや! その──」
  坂下が慌てて荷物を抱えると、その拍子に七瀬から受け取った封筒がこぼれ落ちた。
  封筒からは1万円札の束が顔を覗かせている。
遥香「・・・へえ。 もうお小遣いももらったんですね」
坂下道雄「ほ、ほら! あの蛇! モリーが死んじゃったみたいなんだ」
坂下道雄「それであいつ、ちょっと情緒不安定になってるしさ」
遥香「・・・・・・」
坂下道雄「なんだかんだ、今までも七瀬には助けられてるしさ」
坂下道雄「一時の感情で別れる別れないってなんのも、なんか違うかなって」
遥香「・・・もういいです」
坂下道雄「え?」
遥香「出てってください」
坂下道雄「・・・ご、ごめん!」
遥香「・・・悪いのは、全部あの女だ」

〇綺麗な一人部屋
  七瀬は窓の側に腰かけて、夕食を食べる坂下を嬉しそうに見守る。
片岡七瀬「どう? おいしい?」
坂下道雄「すげー、うまい」
片岡七瀬「良かった」
  七瀬がチラリと窓の外を見ると、電柱の陰から睨んでいる遥香と目が合った。
  微笑みながらカーテンを閉める。
坂下道雄「どうかしたか?」
片岡七瀬「ううん。なんでもない♪」

〇中規模マンション
遥香「死ね・・・! 死ね・・・!」
  遥香は手にしたカッターナイフで七瀬の自転車のサドルを何度も切り付けた。
上野毛信子「・・・怖い目をしてるねぇ」
遥香「!?」
上野毛信子「獲物を横取りされた猫みたいな目だ」
遥香「な、なんなのよ! あんた!」
上野毛信子「藪をつついて蛇を出すって言葉を知らないんだろう」
遥香「け、警察に言ったら、今度はあんたがこうなるからね!」

〇中規模マンション
  遥香は逃げるように立ち去った。
片岡七瀬「・・・・・・」
  七瀬はその様子を黙ってじっと見つめていた。

〇繁華な通り

〇ペットショップの店内
店長「そういうわけなんで、しばらくは僕が代理の店長ということで」
片岡七瀬「あの、増田店長は・・・」
店長「それが、さっぱり音沙汰ないんだ」
片岡七瀬「そうですか・・・」
店長「それより今日はもう一人バイトがいたんじゃないのか?」
片岡七瀬「遥香ちゃんですよね?  それが急に熱を出しちゃったみたいで」

〇大きいデパート

〇雑貨売り場
  遥香はショッピングモールの中にある大型のペットショップに来ていた。
店員「何かお探しですか?」
遥香「実は蛇を探してて」
店員「最近人気なんで、豊富に取り揃えていますよ」
店員「こちらです」
  従業員が指差す棚には、ゲージに入った蛇がたくさん並んでいる。
店員「種別が色々ありますので、良かったらご予算に合わせて説明しますが──」
遥香「全部ください」
店員「え?」
遥香「この棚にあるやつ、全部」
店員「いや、あの──」
遥香「大事に飼って、みーんな幸せにしますね」

〇雀荘
常連の男「兄ちゃん、絶好調だねー」

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