RiversideBaron~最終章~

山本律磨

蓬莱事変(7)(脚本)

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山本律磨

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〇黒
  『奔放な女(ひと)だった』
  『だけど明るくて優しい女だった』
  『私の太陽だった』
  『或る日突然、太陽は沈んだ』
  『一緒に沈んだ男は、口先ばかりの取るに足らぬ自(あ)称(そ)芸(び)術(に)家(ん)だったそうだ』
  『私は確信した』
  『それは誰にも打ち明けた事のない思い』
  『滅びこそが革命』
  『美しく、それ以上に愚かしく滅びることこそが新時代の為に出来る貴族の姿』
  『根室清濁』
  『彼の軽薄さなんて薄々は気付いていた』
  『でもその軽薄さが私を癒した』
  『私を救ってくれた』
  『これが新時代?』
  『これが私の滅び?』
  『違う』
  『私は倒さなければならぬ者がいる』
  『たとえ刺し違えても共に滅びねばならぬ者がいる』
未来子「だから何?」
未来子「それがあの機械をただの子供に渡した理由だって言うの?」
桜子「この国の全ての民に訴えかける言葉を私は持ってないわ」
桜子「だから新時代を担うあの少年に託したの」
桜子「彼がみんなに見せたいもの、聞かせたい事を伝えてほしいと」
桜子「それが貴女の歌だったら、それでもいい」
未来子「ねえ、もしかして復讐かしら?」
未来子「倫太郎を奪い返された復讐?」
桜子「・・・そう」
桜子「そうかも知れない・・・」
桜子「でも貴女のお腹の子まで恨んでないわ」
桜子「貴女にはこの戦いを最後に穏やかに生きてほしい」
桜子「根室・・・いえ校倉さんと一緒に」
未来子「当り前じゃない。革命なんてただの遊びよ」
未来子「滅びたければお好きにどうぞ。あの乞食達と一緒にね。お手伝い致しますわお姫様」
未来子「でも、ひとつ言っておくけど」
未来子「私の歌声は・・・最強よ」

〇炎
  ぶっ壊せ!ぶっ壊せ!ぶっ壊せ!
  ぶっ壊せ!ぶっ壊せ!ぶっ壊せ!

〇古い競技場
トラ「うおおおおおッ!ぶっ壊せーーーッ!」
桜子「トラ・・・」
デンキ「帝都をぶっ壊せ!金持ちを叩き潰せ!」
桜子「デンキ・・・」
桜子「みんな、同じ顔になってゆく」
  『これが・・・革命?』
  『これが・・・団結?』
  『これが・・・私達の目指す未来?』
桜子「これが・・・?」
トラ「戦え!戦え!戦え!」
デンキ「壊せ!壊せ!壊せ!」
未来子「さあみんな!盛り上がっていっけーーッ!」
未来子「キャハハハハーーーーーーーーーーッ!」

〇荒廃した市街地
活動家「我らは美しき獣なり!」
活動家「帝都革命の拠点としてこの蓬莱街を内より改革し外より開放する!」
活動家「協力せよ!蜂起せよ!団結せよ!」
モヒカンズ「この臆病者が!てめえも戦うんだよ!」
モヒカンズ「老害が!若者の盾になって死ねや!」
老人「ひいいっ!お助けを!」
チンピラ浮浪者「おい女!革命のためだ!有り金、全部差し出してもらおうか!」
チンピラ浮浪者「それとも貴様、ブルジョワの手先か?」
貧民「こ、このお金は息子のための・・・」
チンピラ浮浪者「だったら体で払って貰ってもいいんだぜ」
チンピラ浮浪者「我らは革命の闘士なり!蓬莱街の民は協力する義務があるんだよ!」
  『何が闘士だ。ゴミクズがよ』
チンピラ浮浪者「ああ?誰だ今ほざいたのは?」
チンピラ浮浪者「この新時代の革命家に向かって・・・」
チンピラ浮浪者「ぎゃん!」
鹿沼「革命革命うるせえよ」
猪頭「覚えたての言葉だから嬉しくて使っちゃうパターンか?」
モヒカンズ「なんだ手前ら!」
モヒカンズ「ぶっ殺されてえか?ああ?」
鹿沼「おいおい。俺らカマされちゃってるよ」
鹿沼「ちょっと留守してる間に時代は変わるもんだねえ~」
猪頭「いいんじゃない?元気があって」
鹿沼「相棒がこう申しておりますが。どうします親分?」
蝶子「お前達も随分と鬱憤たまってんだろ」
蝶子「いいよ。思う存分遊んどいで」
猪頭「あざ~っす」
鹿沼「ではお兄さんがた~。私達御堂組と楽しい時間を過ごしましょうか~」
チンピラ浮浪者「ひ、ひいっ!御堂組だと?」
モヒカンズ「や、やべえ!逃げるぞ!」
鹿沼「はい。無~理~」
猪頭「野暮なこと言うなよ~楽しもうぜ~」
蝶子「さあ、ボクちゃんたち。こっからは嬉しい楽しいお祭りだよ」

〇骸骨
蝶子「血祭りっていう名のね」
  つづく

次のエピソード:蓬莱事変(8)

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