サンタちゃんはなまけたい!

Too Funk To Die(公式)

第1話 サンタちゃんはなまけたい!(脚本)

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〇雪山の山荘
  北欧、サンタクロースの家──

〇西洋風の部屋
  お前、北欧でサーフィンか!!
サンタちゃん「あはははは!!」
トナカイ「・・・・・・」
サンタちゃん「あれ、もうオヤツないや」
サンタちゃん「トナカイさん、なんかオヤツ取ってきてー しょっぱいやつね」
トナカイ「はい」
サンタちゃん「あ! ついでにマンガも持ってきて! あのギャルが妖怪と戦うやつ!」
トナカイ「・・・はい」
サンタちゃん「それと背中のマッサージも」
トナカイ「いい加減にしろおおおお!!」
  僕はトナカイ。
  サンタクロースに仕える、
  エリートトナカイだ。
サンタちゃん「どしたのトナカイさん。鼻、赤いよ?」
トナカイ「元からだわ!」
  そしてこの、一年中パジャマの
  グータラ少女がサンタちゃんだ。
  伝説のサンタクロース、
  ミュラ・ニコラ氏の孫である。
  大変不本意だけど。
トナカイ「もうすぐクリスマスですよ!?」
トナカイ「準備しましょうよ!!」
サンタちゃん「えームリムリ」
サンタちゃん「おもちゃは全部工場で作ってるしさ」
サンタちゃん「プレゼントも全部お父さんとかが渡すし」
サンタちゃん「わたし、要らないじゃん」
トナカイ「要らないじゃん、って・・・」
  このとおり、やる気ゼロである。
サンタちゃん「そんなことより早くオヤツ持ってきてー」
トナカイ「・・・・・・」

〇綺麗なキッチン
ビクセン「君も災難だな」
トナカイ「ビクセンさん」
  ビクセンさんは先輩トナカイだ。
  僕がここに来る前から、
  サンタちゃんのお世話をしている。
ビクセン「お嬢のことを悪く思わないでやってくれ」
ビクセン「昔はああではなかったのだが・・・」
トナカイ「でも、仕事もしないで 生活は大丈夫なんでしょうか?」
ビクセン「そうかまだ教えてなかったな」
ビクセン「サンタクロースは重要無形文化財」
ビクセン「国から補助金が出るから、 何もしなくても生活できる」
トナカイ「上級国民かよ・・・」
サンタちゃん「二人ともー、オヤツまだー!?」
ビクセン「はいはい、ただいまー!」
トナカイ「あ、あの!」
ビクセン「ん?」
トナカイ「ビクセンさんはどうして、 それでもサンタちゃんのお世話を・・・?」
ビクセン「おっぱ〇が大きいからだ」
トナカイ「・・・転職しようかな」

〇黒背景
  しかし、
  クリスマスを目前に控えたある日。
  サンタちゃんのグータラ生活は、
  突如終わりを告げた。

〇西洋風の部屋
  補助金終了のお知らせ
  ミュラ・ニコラ氏は大変立派な人でしたが
  あなたは特に何もしてないので、補助金を
  打ち切ります。 政府
サンタちゃん「ええー!? こんなことってある!?」
トナカイ「誰もが予想した展開だよ!!」
トナカイ「・・・あれ? ビクセンさんは?」
  実家の畑を手伝います ビクセン
トナカイ「逃げやがったあの野郎・・・!」
サンタちゃん「おやすみ~」
トナカイ「この流れで寝れる!?」
サンタちゃん「だって今更働くとか無理だし」
トナカイ「こんなときこそ サンタクロースの出番でしょう!?」
トナカイ「皆にプレゼントを配って回りましょう!!」
サンタちゃん「えー。なんでわたしがそんなこと」
トナカイ「サンタだからだよ!!」

〇空
  クリスマスの夜。
  嫌がるサンタちゃんをなだめすかし、
  僕たちは夜の空へと繰り出した。
サンタちゃん「わわわすごい、本当に飛んでる!」
トナカイ「しっかり掴まっててくださいね!」
  ささやかな活動でも政府に認めてもらえば
  補助金を継続してもらえるかもしれない。
サンタちゃん「行け行けトナカイさーん!!」
トナカイ「まったくもう、現金なんだから・・・」

〇男の子の一人部屋
  こうして僕たちは、一軒一軒、
  子どものいる家を周り──
男の子「むにゃむにゃ・・・」
サンタちゃん「きゃっわいいなあ~・・・ トナカイさん、この子持って帰っていい?」
トナカイ「良いわけないでしょ!」

〇一戸建て
  その度トラブル(?)に見舞われながらも──
サンタちゃん「私があの番犬の気を引く! トナカイさん、先に行って!」
小型犬「クゥ~ン・・・」
トナカイ「あなたワンちゃんと遊びたいだけでしょ ・・・ほら、行きますよ」
サンタちゃん「やだ~! ネギミソともっと戯れたい~!」
トナカイ「人ん家の犬に勝手に名前つけない!」

〇クリスマス仕様のリビング
  なんとかほぼすべての家に、プレゼントを置くことができたのだった──
泥棒「お宅も聖夜ならセキュリティが薄いって 睨んだクチ?」
サンタちゃん「あはは、そうなんスよ~!」
泥棒「でもダメだね、どこも懐が寒くて。 この家も金目のものは全然ねえよ」
泥棒「アンタらもほか当たった方がいいぜ~」
サンタちゃん「はーい、おじさんも頑張ってね~!」
トナカイ「・・・・・・」

〇近未来の手術室
  そして、最後の家──
サンタちゃん「何ここ、へーんな家」
女の子「あなたたち、誰?」
サンタちゃん「やば、見られちゃった!?」
トナカイ「でもなんでこんな時間に起きて・・・」
???「何者だ!!??」
謎の男「お前たち、何をしている!?」
謎の男「ここを見たからには生きて帰さん!!」
サンタちゃん「げっ! 親御さんにバレるのはマズいよ!!」
トナカイ「いや絶対違うでしょ!?」
トナカイ「と、とにかく逃げましょう!」
謎の男「待ちやがれ!!」

〇巨大研究所
トナカイ「く、行き止まりか・・・!!」
謎の男「もう逃がさねえぞ!!」
サンタちゃん「トナカイさん、ここは任せて!!」
トナカイ「サンタちゃん!?」
サンタちゃん「昔、おじいちゃんからもらった 特別なプレゼントがあるの」
サンタちゃん「悪い子にはこれを渡しなさいって!」
トナカイ(嫌な予感しかしない・・・)
トナカイ「ちゃんと中身を確かめてからの方が ・・・!!」
サンタちゃん「なんだかよくわかんないけど、 いっけーっ!!」
  ポイッ

〇巨大研究所
謎の男「か、火事だー!!」

〇空
  翌日──

〇荒廃したショッピングモール
リポーター「クリスマスの夜に起きた、謎の火災。 私はその現場に来ています」
リポーター「ご覧ください、辺り一面焼け焦げています」

〇西洋風の部屋
  出火元には不審な点も多く、
  警察は放火とみて調べを進めています
(やっちまった・・・)
トナカイ「だから言ったじゃないですか!?」
サンタちゃん「知らないよわたし!」
サンタちゃん「まさかあんなことになるなんて・・・」
サンタちゃん「確かに『危険物取扱者(甲種)』 取ってから使えって言われてたけど!」
トナカイ「甲種は難易度高いって・・・」
テレビ「ところがこの事件、 新しい展開を見せています」
「?」
テレビ「なんとこの施設、子どもたちを拉致し、 非合法な実験を行っていたのです!!」
「ええー!?」

〇田舎の病院の病室
女の子「えっと。施設では狭い部屋に閉じ込め られて、とっても怖かったです」
女の子「でも、昨日の夜はサンタちゃんが 来てくれたんです」
リポーター「サンタちゃん?」
女の子「はい。トナカイさんと一緒に サンタのお姉さんが来てくれて」
女の子「この火事は、サンタちゃんが私たちに自由をプレゼントしてくれたんだと思います」
リポーター「確かに昨晩、この街に久しぶりにサンタクロースが現れたという情報も入っています」
リポーター「この火事で奇跡的にけが人がいなかったのも、サンタクロースだからこそなせる技だったのかもしれません」
女の子「ありがとう、サンタちゃん!!」
リポーター「以上、現場からお伝えしました」

〇西洋風の部屋
「・・・・・・」
サンタちゃん「・・・そう言えばさっき、手紙来てた」
  サンタちゃんへ
  補助金は継続するよ。 
  ひどいこと言ってごめんね。 
  来年もよろしこ。 政府
「・・・・・・」
サンタちゃん「いやっふぅー!!」
トナカイ「切り替え早っ!?」
サンタちゃん「いやー頑張ってよかったね!」
サンタちゃん「お祝いしよトナカイさん!! オヤツ持ってきてオヤツ!!」
トナカイ「・・・まあ、いいか」
  ピンポーン
トナカイ「? 誰だろ」
ビクセン「すまないが私ももう一度」
トナカイ「帰れ」

〇上官の部屋
  一方、その頃──
マロウス「・・・それで君は、子どもたちの願いを 取り出す実験をほっぽり出して」
マロウス「ボクのとこに、 オメオメ帰ってきたってこと?」
謎の男「も、申し訳ございません マロウス様・・・!!」
マロウス「嫌だなあ君。 そんなことでボク、怒ったりしないよ」
マロウス「ただし・・・」
ブリッツェン「グオオラウ!!」
謎の男「ひいっ!?」
マロウス「ボクの愛トナカイ・・・ブリッツェン ちゃんがなんて言うかな・・・?」
謎の男「ヒイイッ!? ど、どこがトナカイ・・・!!」
ブリッツェン「グッヒョオオー!!」
謎の男「ギャアーー!!」
マロウス「あーあ、そんなもの食べたら、 お腹壊すってブリッツェンちゃん」
マロウス「・・・で、この子。 サンタちゃんって言ったっけ」
クランプ「調べたところ、ただの在野のサンタ娘」
クランプ「マロウス様が気に掛けるほどの 者ではないかと・・・」
マロウス「いやいや、わかんないよ?」
マロウス「こういう天然だか計算だかわかんない子が けっこう怖かったりするからねぇ」
マロウス「・・・うん、決めた!!」

〇モヤモヤ
  この子、消しちゃおっか♪
  ――続く

次のエピソード:第2話 サンタちゃんは前人未到の無酸素単独登頂を成し遂げたい!

コメント

  • サンタちゃんが公式作品で帰ってきた!
    読切でもめちゃくちゃ笑わせてもらったのを思い出しました😂
    悪そうなおじさんも登場してきて、どんなドタバタが展開していくのか楽しみです😊

  • ビクセンは相変わらず良い性格、サンタちゃんはより可愛いく専用立ち絵でパワーアップ。演出も強化、豪華な挿絵、懐かしくも愉快で楽しかったです☺︎

    とか思ってたら……マロウス?クランプ……?
    え、誰?知らない…楽しみ……

  • めっちゃ面白いです!✨☺️そしてサンタちゃんめっちゃ可愛いですよね!?✨💖😍かわいい!!✨💖
    そして、挿絵めっちゃ笑いました✨☺️
    可愛いし面白いし好きですねー!!✨🥰

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