7話 視える者(脚本)
〇地球
遥か遠い惑星
〇キラキラ
この惑星の大気には──
”魔素”と呼ばれる
生命エネルギーが存在した
そして、この生命エネルギーは──
〇ファンタジー世界
魔法を扱えるヒューム(人間)
精霊(シュピリア)
亜人(デミ・ヒューム)など──
様々な特徴を持った種族を沢山生み出した
こうしてこの世界は、
幻想的な生命溢れる世界
『ファージア』と呼ばれるようになった。
だが──
時代が進むと
ヒューム族が繁栄して国家を築き
周辺の亜人国家や、他種族を征服し始めたのだった。
〇西洋の城
ヒューム族国家──マーガル帝国
〇謁見の間
マーガル帝国第2皇子「父上、恐れながら申し上げます」
マーガル帝国第2皇子「”シュピリア人”は我が帝国と同盟関係でこざいます」
マーガル帝国第2皇子「ですが・・・」
マーガル帝国第2皇子「何故此度の戦争で彼らを攻撃して滅ぼしたのですか!?」
マーガル帝国皇帝「・・・」
マーガル帝国第2皇子「父上! お答えください!」
マーガル帝国第2皇子「確かに私は過去に、」
マーガル帝国第2皇子「父上の反対を押し切り」
マーガル帝国第2皇子「シュピリア人の妻を迎えて結婚しました」
マーガル帝国第2皇子「それがやはり気に入らなかったのですか!?」
マーガル帝国第2皇子「父上!!」
マーガル帝国皇帝「・・・」
???「父上を困らせるな、弟よ・・・」
〇謁見の間
マーガル帝国第一皇子「貴様の妻がシュピリア人だろうが関係は無い」
マーガル帝国第一皇子「ただ──」
マーガル帝国第一皇子「滅ぼす必要があった、 それだけだ」
マーガル帝国第2皇子「兄上・・・! だからそれは何故なのですか!?」
マーガル帝国第一皇子「戦争に出ない貴様に、理由など教えるか!」
マーガル帝国第2皇子「くっ・・・」
マーガル帝国第2皇子「戦争は国力を低下させる! 更に周辺国の関係まで悪化させ」
マーガル帝国第2皇子「将来、我が帝国は多くの損をします!」
マーガル帝国第2皇子「ですから私が周辺国──」
マーガル帝国第2皇子「そして他種族と友好を結び・・・」
マーガル帝国第一皇子「そんな政策は帝国に必要ない!」
マーガル帝国第一皇子「帝国は最強なのだ」
マーガル帝国第一皇子「さっさと征服してしまえば良いのだ」
マーガル帝国第2皇子「──ですからそれは!」
マーガル帝国皇帝「やめーいっ!!」
マーガル帝国第2皇子「父上・・・」
マーガル帝国皇帝「お前はもう下がれ・・・」
マーガル帝国第2皇子「そんな・・・」
マーガル帝国第一皇子「クククッ」
マーガル帝国第一皇子「弟よ、この場から下がる前に一つだけ教えてやろう」
マーガル帝国第一皇子「貴様の妻であるシュピリア姫は・・・」
マーガル帝国第一皇子「後顧の憂いを断つために、」
マーガル帝国第一皇子「とっくに”異界送りの刑”に処した」
マーガル帝国第2皇子「うおおおおおおっ!!!」
マーガル帝国第2皇子「兄上ええええええええ!!!」
マーガル帝国第一皇子「貴様!!」
マーガル帝国第一皇子「神聖なる皇帝(父上)の前で刃物を抜いたな!?」
マーガル帝国第一皇子「衛兵!」
マーガル帝国第一皇子「謀反だ! 弟を取り抑えよ!」
マーガル帝国第2皇子「離せ! 離せえええええ!!!」
こうして第2皇子は謀反の罪で捕まった
そして──
〇魔法陣2
マーガル帝国第2皇子「おのれ・・・!」
マーガル帝国第2皇子「我が祖国マーガルよ!」
マーガル帝国第2皇子「覚えておくがいい!!」
マーガル帝国第2皇子「私は貴様らに滅ぼされ”異界送り”された民を引き連れて戻って来る!」
マーガル帝国第2皇子「絶対に復讐してやる!!」
マーガル帝国第一皇子「はっ・・・戯言を」
マーガル帝国第一皇子「やれ! 弟を異界送りして」
マーガル帝国第一皇子「二度とファージアに帰還できなくせよ!」
謎の兵士「さっさとホールに入れ」
マーガル帝国第2皇子「うわあああああ!!!」
〇黒背景
第7話 視える者
〇ネオン街
現代──日本
〇シックなバー
シオン「だからぁ、エース君はシオンが側にいれば、死神さん達に食べられなくてすむんだよぉ」
木村英介「──黙れ」
〇ネオン街
木村英介「・・・」
木村英介(なにが死神だ)
木村英介(バカバカしい、非現実的だ)
木村英介(それに僕は──)
〇荒廃したセンター街
謎の兵士「うおおおお!! マーガル帝国万歳!」
木村英介(クソっ・・・)
木村英介(次から次へと・・・)
「『ファイヤ・プロージョン』」
〇荒廃したセンター街
「・・・」
木村英介「・・・」
木村英介(まだ・・・生きてる)
木村英介(爆発がもう少し近くで起こってたら死んでた)
「エース! 伏せろ!」
川島朋也「おら! 魔法野郎!」
川島朋也「さっきのお返しだ!」
川島朋也「手榴弾!!」
川島朋也「はっ! 木っ端微塵だせ!」
木村英介「か・・・川島!」
川島朋也「──たく、おめえは鈍臭いからよぉ」
川島朋也「さっき攻撃で死んじまったと思ったが」
川島朋也「”運”が良いな」
川島朋也「ほら! 行くぞ!」
川島朋也「この”地獄”を生き残ろうぜ!」
木村英介「・・・」
〇黒背景
そうだ・・・
僕はあの地獄を生き延びた
だから死ぬわけなんか無いんだ!
???「ううん、」
???「エース君は絶対に死んじゃうよ」
〇モヤモヤ
シオン(?)「エース君はたまたま運が良かっただけ」
シオン(?)「それに殆ど川島君に助けてもらってただけでしぉ?」
シオン(?)「君は一人でな~んにもできない」
シオン(?)「なのにさぁ・・・」
〇荒廃したセンター街
木村英介「川島ぁ!!」
シオン「エース君は今まで散々戦場で助けてくれた川島君を見殺しにしたよねぇ」
〇モヤモヤ
「やめろおおおおおっ!!!」
木村英介「やめろ・・・」
シオン(?)「ううん、やーめない♡」
シオン(?)「だからぁ、ハッキリ言ってあげるね♡」
君はぁ・・・
臆病で卑怯者・・・
生きる価値の無い人間
木村英介(・・・)
木村英介「その通りだ・・・」
木村英介「僕は、生きていてはいけない人間だ」
木村英介「だから、死──」
「ダメーーーー!!!」
〇川沿いの公園
シオン「はぁはぁ・・・」
シオン「間に合って良かったぁ・・・」
木村英介(はっ!)
木村英介(いつの間に僕は移動してたんだ?)
シオン「・・・」
シオン「・・・ふぅ」
木村英介「ど、どうしたの──その”瞳”!」
シオン「エース君・・・」
シオン「シオンに”触って”!」
木村英介「何だって!!??」
シオン「──早く!」
木村英介「う、うん・・・」
シオン「えっとぉ・・・」
シオン「そこちがーう・・・」
木村英介「なっ・・・!?」
木村英介「君が触れって言ったんじゃないか!」
シオン「”手”を・・・」
シオン「握って欲しいなぁ・・・」
木村英介「あっ・・・」
木村英介「ごめん」
シオン「ううん・・・いいよぉ(ドキドキ)」
ギュ
シオン「エース君、一緒に視て・・・」
〇川沿いの公園
シオン(?)「えっ・・・なに!?」
低級死神「ゲッ!」
低級死神「お前らオレ様が”視える”のか!?」
低級死神「ということは・・・ ”運”がねえのはオレ様のほうだってオチかよ」
木村英介「なんだコイツ!?」
シオン「シオンの姿に化けてエース君の心を弱らせないで!」
木村英介「えっ!」
木村英介「ということはこいつが暗示を僕にをかけて」
木村英介「ここまで誘導して自◯させようとしたのか!?」
低級死神「クククッ、その通りだよあんさん」
低級死神「死神は人間の心を弱らせて”自◯”に追い込み、それから魂を食らうんでさぁ」
低級死神「何故なら生きてる人間から魂を無理矢理取り出すのは相当力が強くないとできないんでね」
低級死神「けっこうチャンスだったのになぁ・・・」
低級死神「今のアンタは隙が多くて弱いオレ様でも簡単に暗示をかけて追い込めそうだったからな」
低級死神「なのに人間の男って奴は単純だな」
低級死神「ちょっと女に”触れた”くらいで元気になりやがって!」
木村英介「黙れ!」
シオン「早くアッチに行って!」
低級死神「はいはい、行くよ・・・」
木村英介「えーと・・・」
木村英介(これは・・・現実なのか?)
シオン「エース君、」
シオン「シオンの言ったこと信じてくれるぅ?」
シオン「シオンはねぇ、」
シオン「”特別”な人と”触れ合う”とぉ・・・」
シオン「視えてる世界を”共有”できるんだぁ」
シオン「だからエース君もさっきの死神さんが目の前で視えたでしょぉ?」
木村英介「はぁ・・・」
シオン「もぉ~!」
シオン「なにその反応ぉ~!」
シオン「まだ疑ってるのぉ?」
木村英介「いや、疑うというより、」
木村英介「展開が急すぎて理解が追いつかない」
シオン「むぅ〜!」
シオン「だったらぁ!」
シオン「エース君が理解できるようにぃ」
シオン「もっと”シオンの世界”を視せてあげる!」
木村英介「えっ・・・?」
〇川沿いの公園
シオン「・・・」
シオン「──────、」
木村英介(何かブツブツ言ってる・・・)
木村英介(頭に”電波”を受信してるのかな?)
〇川沿いの公園
木村英介(これは・・・『ホール』!!)
シオン「それじゃあエース君」
シオン「シオンに着いて来てえ」
ギュ
木村英介「ちょ・・・!」
「うわああああああっ!!」
〇キラキラ
眞来教導師「驚いた・・・」
眞来教導師「誰かがこの世界に”侵入”してくるなんて」
眞来教導師「・・・」
眞来教導師「ご安心ください、”神”よ」
眞来教導師「”計画”の邪魔になる侵入者は必ず排除します」
眞来教導師「南無眞来──すべてを貴方に捧げます」
続く
ちょ…エース、最初にシオンちゃんのどこに触って元気になったの!?
これはタイホ案件ですね😍
そして、シオンの電波は本当だったんですね。
色々な謎が解けてきて、眞来教の狙いも分かってきたけど、こんなヤバい奴ら(敵)に現代兵器で太刀打ちできるのか?と心配になってきました。
いや、魔法使う前に吹っ飛ばせば良いのかな?
予想出来ない!
シオンは魂を見ることができる!なるほどー、店長さんが助けた赤ん坊!こんな所で繋がっているとは😳
自◯を救われた事で、エースもやっとシオンを信じましたね。眞来教も絡んできてどうなるのか?
そしてエースの魂はどんな形をしてるのか気になります☺️