〇皇后の御殿
　　ここは・・・？
　　どこかの部屋のようだけど
　　か、身体が透けてる──！
ムッツリ星人「驚いた！」
ムッツリ星人「青年なんでここに”霊体化”して居るん？」
木村英介（霊体）「お前は・・・飲み屋に居た変な奴！」
木村英介（霊体）「この野郎、お前が”フラグ”とやらを立てたせいで、変な状況になってんだぞ！」
ムッツリ星人「ちょっと落ち着け青年」
ムッツリ星人「ここで暴れるのはヒジョーにマズイ」
ムッツリ星人「よいか？　この空間の主は”この世の者”じゃない」
ムッツリ星人「ワレも恐れる怖ーい女主人じゃ」
ムッツリ星人「ゆえにお主のような一般人が来たらいかん 早く帰れ！」
ムッツリ星人（あっ・・・マズイ）
田中アザミ「・・・」
ムッツリ星人「アザミ殿久しぶりー♪」
ムッツリ星人「夫婦生活どんなかんじ〜？」
ムッツリ星人「アレから様子を伺って見たけどアチアチじゃな〜♪」
ムッツリ星人「娘も四人も作って」
ムッツリ星人「このまま勢いに乗って５人目も作るのか？」
田中アザミ「・・・」
ムッツリ星人「えっ・・・セクハラ？」
ムッツリ星人「ウェイウェイ！　待てって」
ムッツリ星人「それは流石にシャレにならんて、謝る！」
木村英介（霊体）（ざまあみろ）
　　けどこのアザミという女、
　　姿は隠れて伺えないけど、
　　近くにいるだけで何故かとてつもない”圧”を感じる
　　只者じゃない・・・

〇皇后の御殿
　　7.5話　運命と思惑

〇皇后の御殿
田中アザミ「・・・」
ムッツリ星人「えっ・・・!?」
ムッツリ星人「この青年、アザミ殿が誰かから”召喚”したん!?」
田中アザミ「・・・」
ムッツリ星人「へぇ・・・驚いた！」
ムッツリ星人「そういうの滅多にしないのに・・・」
木村英介（霊体）「どうしたんだタコ」
ムッツリ星人「タコじゃなくてムッツリ星人！」
ムッツリ星人「それよりなんかアザミ殿が」
ムッツリ星人「青年を”占って”くれるんじゃって」
木村英介（霊体）「・・・なんで？」
ムッツリ星人「さぁ・・・」
木村英介（霊体）「なら結構だ。 僕は占いなんて信じない」
田中アザミ「・・・」
ムッツリ星人「青年、ここは言う通りにしておけ」
ムッツリ星人「さっきのワレに対するこの女の所業を見たじゃろ？」
ムッツリ星人「逆らったら青年も同じ目に会うぞ」
木村英介（霊体）「お前の自業自得だけどな・・・」
　　だけど確かにこの空間の支配者はどう見てもこの人（？）だ
　　機嫌を損ねないほうがいいか・・・
ムッツリ星人「青年・・・」
木村英介（霊体）「わかった、占ってもらう」
ムッツリ星人（ホッ・・・）
木村英介（霊体）「だったらアザミさん」
木村英介（霊体）「僕の”今と未来”を占ってください」
ムッツリ星人「大雑把じゃな」
木村英介（霊体）「他に思いつかないし・・・」
ムッツリ星人「けどまあ大丈夫じゃろう」
ムッツリ星人「アザミ殿はワレと同じ”観測者”じゃからな」
ムッツリ星人「きっとうまくなるように、やってくれるじゃろう」
木村英介（霊体）（観測者ってなんだよ・・・）
田中アザミ「・・・」
ムッツリ星人「始まるぞ──」

〇黒背景
　　意識が・・・、女（アザミ）に集中する
田中アザミ「聞こえるかしら？」
田中アザミ「今から”特別”に私の声を貴方に届けるわ」
　　愚者のカード
田中アザミ「大切な友を見捨てたうえに、 自分の使命までも放棄しようとしてるのね」
田中アザミ「だけど、その結果──」
　　女帝のカード
田中アザミ「貴方を救おうとしてくれる”特別”な少女と出会ったようね・・・」
　　塔のカード（崩壊）
田中アザミ「どうやらこれから貴方に災いが起こりそう」
田中アザミ「これが貴方の”今と未来”よ」

〇皇后の御殿
木村英介（霊体）「・・・」
ムッツリ星人「占いの結果はどうじゃった？」
木村英介（霊体）「散々な結果だ・・・」
ムッツリ星人「ありゃ～・・・」
ムッツリ星人「しかし青年よ！」
ムッツリ星人「結果は悪くとも、未来はまだ変えられるぞ！」
田中アザミ「・・・」
ムッツリ星人「ん？　アザミ殿・・・？」
ムッツリ星人「ハイハイ・・・これを渡せばいいんじゃな」
木村英介（霊体）（何も絵柄が無いカード？）
田中アザミ「・・・」
ムッツリ星人「”御守り”として持っとおくようにじゃと」
木村英介（霊体）「へぇ・・・（捨てよう）」
ムッツリ星人「『それは”大切なもの”捨てるなんてとんでもない！』」
木村英介（霊体）（どうしてバレた・・・）
ムッツリ星人「──ってアザミ殿が怒っておるぞ」
田中アザミ「・・・」
木村英介（霊体）「すみませんでした!! ずっと大切に持っておきます！」
田中アザミ「・・・」

〇皇后の御殿
ムッツリ星人「アザミ殿が”ホール”を開いてくれたようじゃな」
ムッツリ星人「きっとアザミ殿のことじゃから、ここを通れば青年が本来行くべき場所に辿り着けるじゃろう」
木村英介（霊体）「わかった、出来れば二度とアンタらに出会わないことを祈るよ」
木村英介（霊体）「じゃあな」

〇皇后の御殿
田中アザミ「・・・」
ムッツリ星人「あ、アザミ殿・・・」
ムッツリ星人「どうしてこんなことしたん？」
田中アザミ「・・・」
ムッツリ星人「えっ!!」
ムッツリ星人「”夫の復讐”の為!?」

〇渋谷駅前
　　アザミの夫──田中正
　　渋谷紛争に巻き込まれ最初に被害に合うも・・・
　　ダメ・・・死ぬのは──許サナイ

〇シックなバー
田中正（あの日──運悪く”大事件”に巻き込まれた）
田中正（だけど僕は死なない──）
田中正（・・・いや”死ねない”）
田中正（なぜなら僕の”命”は妻に握られている）
田中正（だから勝手に死ぬことは許されない）
田中正（だけど時々思う・・・）
田中正（僕はあと何年、”妻の為”に生き続けなければ”ならないんだろう・・・）
久我ローズ（店長）「ちょーと！　なーにシケたツラしてんのよぉ」
三浦マリン「保護者同士、今日はハメを外して沢山飲むわよーー!!」
田中正「はは、たまにはいいですね～こういうの」
田中正（けどまぁいいか・・・）
田中正（こうして楽しく生きてられるのも──）
田中正（”妻の愛（呪い）”のおかげだ・・・）
　　続く・・・