叫んじゃうほど愛おしい

無知の無知

エピソード28 「お祭りフィナーレっ!!」前編(脚本)

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〇文化祭をしている学校
北原 そら(きたはら そら)「そこにいるのは、風ではないか」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、そら、おはよ」
東条 風(とうじょう ふう)「いや~っ、今日は当番が無いから、朝ゆっくり寝れた~」
北原 そら(きたはら そら)「同じく。教室の手伝いすら拒まれたからな、主に園に」
東条 風(とうじょう ふう)「準備してる所、見られたくないんだってね」
東条 風(とうじょう ふう)「楽しみだなぁ、園のコスプレ姿!」
北原 そら(きたはら そら)「コスプレではない、あやつは数多の人間の心を奪う・・・」
北原 そら(きたはら そら)「誘惑のアメリだっ!」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、うん・・・」
東条 風(とうじょう ふう)(まだ中二病は抜けてないんだ・・・)
北原 そら(きたはら そら)「早速、カフェに行こうか?」
東条 風(とうじょう ふう)「うん、行きたい! 楽しみーっ!!」

〇教室
北原 そら(きたはら そら)「たのもう」
東条 風(とうじょう ふう)「来たーっ!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「お待ちしておりました。 ここにあなた方が来るということは・・・、やはり予言が正しかった・・・」
北原 そら(きたはら そら)「昨日から約束していたからな」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「それでは、こちらへ。この無数の道の中、貴方の選択を教えてください」
東条 風(とうじょう ふう)「じゃあオレンジジュース、じゃなくて・・・『太陽が潰える時』を一つ」
北原 そら(きたはら そら)「コーヒーではなく、『虚ろな眼』を一つ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「承知いたしました。では、その時が来るまでしばしお待ちください」
東条 風(とうじょう ふう)「香、すごいなぁ。全然、違和感ない。 凄い練習したんだろうなぁ」
北原 そら(きたはら そら)「流石は香、中二病の素質がある。仲間になれないものか」
東条 風(とうじょう ふう)「うわぁ、狙われてる・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「あっ、園っ!!」
西條 園(さいじょう その)「お待たせっ♡ 太陽が潰える時、虚ろな眼、持ってきたよ♪」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、ありがとうございます!」
北原 そら(きたはら そら)「ごくろう」
西條 園(さいじょう その)「それじゃあアメリが、おまじないかけてあげる!」
西條 園(さいじょう その)「これを飲んで、幸せになれますよ~にっ♡」
東条 風(とうじょう ふう)「え、激かわ・・・」
西條 園(さいじょう その)「それじゃあ、楽しんでいってね、ウフッ♡」
東条 風(とうじょう ふう)「はわぁ・・・」
西條 園(さいじょう その)「クスッ、こんなのに騙されるなんて、バカな人間・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「もう一杯くだしゃい・・・」
西條 園(さいじょう その)「え、い、いいけど・・・、どれにする・・・?」
東条 風(とうじょう ふう)「メニューを上から全部、あとさっきのサービスを毎回つけてくだしゃい・・・」
西條 園(さいじょう その)「えぇ、全部っ!? しかも、毎回っ!?」
北原 そら(きたはら そら)「本当、バカな人間だなぁ」

〇学校の廊下
東条 風(とうじょう ふう)「ごめん、トイレ行ってた・・・」
北原 そら(きたはら そら)「3回目だな」
東条 風(とうじょう ふう)「うぅ、園のおまじない見たさに6杯も飲んじゃった・・・、お腹がぼがぼ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「園も、あからさまにネタが無くなっていたな・・・」
北原 そら(きたはら そら)「一応、あれを見てお客さんが増えたそうな」
東条 風(とうじょう ふう)「売上に貢献できたなら、良かったかなぁ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「その分、園の負担が間違いなく増えたがな」
東条 風(とうじょう ふう)「え、うわぁぁああ!! どうしよっ!?!?」
北原 そら(きたはら そら)「あやつは、そのぐらいで折れる玉ではない。その辺の扱いは手慣れている」
東条 風(とうじょう ふう)「なら、いいかな・・・」
北原 そら(きたはら そら)「それより、どこに行こうか」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、そら、お腹があれで、ご飯はちょっと・・・」
北原 そら(きたはら そら)「心得た。じゃあ、レジャー系か」
東条 風(とうじょう ふう)「ありがとう、そら。えっとじゃあ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、ここどう? 先輩が作ったお化け屋敷! 私、お化け屋敷は結構好きでさ~!」
北原 そら(きたはら そら)「・・・・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「あれ、嫌だった?」
北原 そら(きたはら そら)「・・・嫌では無いのだよ? 怖くなんてないのだよ? 全然、平気さ」
北原 そら(きたはら そら)「ただ、考えてみよう。このあと、香と園が合流するではないか」
北原 そら(きたはら そら)「そうしたら3・・・、4人で入れるじゃないか。その方が、園と一緒に堪能出来て、いいだろう?」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、た、確かに/// ひょっとしたら、園と手を繋いじゃったりして・・・///」
東条 風(とうじょう ふう)「ぃぃなぁ・・・///」
北原 そら(きたはら そら)(危ない、危ない・・・)
東条 風(とうじょう ふう)「じゃあ、お化け屋敷の目星、つけておこっか!!」
東条 風(とうじょう ふう)「なんか、一番クオリティが高いのが二年生の先輩の『怨念の住む家』ってやつみたいで・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、これとか面白そう! 『百物語座』だって! 怖い話、聞けるのかなぁ!!」
北原 そら(きたはら そら)(判断を誤ったぁっ!!)

〇学校の廊下
西條 園(さいじょう その)「二人とも、お疲れさまっ♡」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「やっと、お会いすることができましたね」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、二人ともお疲れ!」
北原 そら(きたはら そら)「お疲れさま」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「これ、あれだね。中二病、引きずるね」
北原 そら(きたはら そら)「そう。そうやって皆、中二病の沼にはまるのだ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「え~、まだ、はまりたくないな~」
東条 風(とうじょう ふう)「園、あの後、大丈夫だった? 私、かなり園に無理させちゃったけど・・・」
西條 園(さいじょう その)「うん、大丈夫だったよ! たしかに二、三回注文する人は増えたけど、風が一番注文数、多かったよ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「そっかぁ、じゃあ良かった・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「じゃない! な、なんかごめんねっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「それで、この後どうしよっか」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、今ね、4人で楽しめそうなお化け屋敷探してた。ね、そら」
北原 そら(きたはら そら)「え? あぁ、うん?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「え」
東条 風(とうじょう ふう)「調べたらね、この『怨念の住む家』と、『百物語座』がいいと思ったんだけど、どう?」
西條 園(さいじょう その)「あ、面白そう! 怖い話を聞けるっていうのも新鮮だね。私、行ってみたい!」
東条 風(とうじょう ふう)「本当に? 良かった! じゃあ、4人で行こ!」
西條 園(さいじょう その)「うん! 香ちゃん、そら、行こっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あぁ、うん・・・」
北原 そら(きたはら そら)「・・・・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そら、まじ・・・?」
北原 そら(きたはら そら)「許せ、風の嬉しそうな顔を見て、止めれなかったのだ・・・」

〇屋敷の大広間
東条 風(とうじょう ふう)「ここが『百物語座』、雰囲気あるなぁ・・・」
西條 園(さいじょう その)「雰囲気だけでも、怖いね・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「・・・・・・」
北原 そら(きたはら そら)「・・・・・・」
長沼 美沙(ながぬま みさ)「皆様、ようこそお越しくださいました。 私、長沼美沙と申します」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、始まった始まった・・・」
西條 園(さいじょう その)「ドキドキする~」
長沼 美沙(ながぬま みさ)「それでは、お話を始めます。 これは、美香さんという、とある一人暮らしの女性の話です・・・」

〇大学の広場
  美香さんは20歳の大学生。大学生になる頃に上京し、一人暮らしをしておりました。

〇女の子の部屋
  初めての一人暮らし、美香さんは最初の頃は一人の自由を満喫しておりました。
  しかし、一年経った頃、どこかおかしな雰囲気を感じ始めました。

〇血しぶき
  それは、部屋のどこかから視線を感じる、といったものでした・・・

〇女の子の部屋
  証拠も、根拠も、ありません。単なる気にし過ぎなのかもしれません。
  それでも、やはり視線を感じてしまうのです。
美香(ひょっとして、幽霊・・・?)
  美香さんは怖くなり、付き合っていた健さんに相談しました。
  いつも美香さんのことを大事にしていた健さんは、優しい声で、相談に乗ってくれました。

〇女の子の部屋
  健「もしもし、美香?」
美香「たける? ちょっといい・・・?」
  健「どうしたの? こんな夜遅くに」
美香「ごめんね。でも、ちょっと怖くなっちゃって・・・」
美香「その、おかしなことを言ってるかもしれないけど、なんか、変な視線を感じちゃって・・・」
  健「視線?」
美香「うん、部屋の中なのに、誰かに見られてる気がするの・・・」
美香「・・・って、変だよね、気にし過ぎだよね」
  健「ううん、変なことなんて無いよ。もし不安に感じてるんだったら、抱え込まない方がいいから」
  健「相談に乗ってくれて、ありがとう」
美香「たける・・・」
  健「でも、変な視線を感じたって、どうすればいいんだろう・・・」
美香「別に、ストーカーに遭ってる感じはしないし。その、幽霊かなって・・・」
  健「幽霊・・・。だったら神社とかに行って、お祓いをしてもらったら、かなぁ」
  健「今週末、一緒に神社に行こっか。ついて行くよ」
美香「健、ありがと!」
  健「あとは、部屋に塩をまいておくのもいいかも。机周りとか、ベッド周りとか、本棚周りとか」
美香「机周り、ベッド周り・・・」
美香「・・・・・・」
  健「美香?」
美香「健が前に来た時、私、布団を使ってなかった・・・?」
  健「え?」
美香「ベッドを買ったの、つい最近だし、特に誰にも言ってないんだけど・・・」
  健「・・・・・・」
美香「健・・・」

〇黒
  なんで、ベッドのこと、知ってるの・・・?

〇屋敷の大広間
長沼 美沙(ながぬま みさ)「・・・以上です」
西條 園(さいじょう その)「風、こわ~い・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「うわぁ、怖いなぁ・・・。 リアルなやつって本当、怖いよね」
南沢 香(みなみさわ かおり) (こ、こわぁぁぁ!!!!!!!! 無理無理無理無理死ぬ死ぬ死ぬ死ぬっっっっ!!!!!!!!)
北原 そら(きたはら そら)(・・・終わった。今日の夜、絶対にトイレ行けない・・・)
  後編へ続く

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