とある王国の異世界冒険者問題

ぽんたろう

第8話『未練ねえのかよ!』(脚本)

とある王国の異世界冒険者問題

ぽんたろう

今すぐ読む

とある王国の異世界冒険者問題
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇謁見の間
  グレーシア王国 謁見の間
ゼファー・グレーシア「何やら、不穏な空気が またグレーシアを包んでおる」
大臣「陛下」
ゼファー・グレーシア「どうかしたか?」
大臣「魔女について 新たな情報を入手致しました」
ゼファー・グレーシア「ついにか」
ゼファー・グレーシア「で、どのようなものだ?」
大臣「魔女が2人いるということです」
ゼファー・グレーシア「魔女が2人だと?」
ゼファー・グレーシア「どういうことだ」
ゼファー・グレーシア「魔女は1人のはずだろう」
大臣「12年前、一旦は退けましたが その後どうにかして生き延びたようです」
ゼファー・グレーシア「そして、もう1人魔女を 作り出したということか」
大臣「そうなりますな」

〇貴族の部屋
エスティーナ「私、何やってんだろ」
エスティーナ「オタクどもに返り討ちにあったじゃない」
エスティーナ「でも、諦めちゃダメよ」
エスティーナ「次の計画は『帰還の計』よ」
エスティーナ「奴らが帰りたいと願えば 元の世界に帰らすことができる」
エスティーナ「は、はい、どうぞ」
シャルティア「おはよう」
エスティーナ「おはようございます」
シャルティア「落ち着いた?」
エスティーナ「はい」
シャルティア「良かった」
シャルティア「村を案内しようか?」
エスティーナ「はい」

〇市場
シャルティア「どうかした?」
エスティーナ「いや、何でもないです」
エスティーナ(さて、どうしようかな)
伊藤「シャルさん、おはようございます」
シャルティア「おはよう!イトーちゃん」
伊藤「その人が新しい転移者の子ですか?」
シャルティア「そうだよ!仲良くしてあげてね」
伊藤「伊藤です よろしくお願いします」
伊藤(女の子だから話せる)
エスティーナ「上杉です、よろしくお願いします」
エスティーナ(確か、私が転移させた子じゃない)
伊藤「ちなみに上杉さんはシャルユリ派ですか?ユリシャル派ですか?私はシャルユリ派でシャルさんが強気な攻め方をするのが好みです」
エスティーナ「めっちゃ早口で話しかけてくる」
エスティーナ「しかも、本人が目の前にいるのに 物怖じしてない」
シャルティア「喜んでくれるならそれでいいよ」
エスティーナ「いいんかい」
伊藤「それでどうなんです?」
エスティーナ「ごめんなさい、何いってるのか 分からないです」
伊藤「それはいけません!」
伊藤「行きましょう」
エスティーナ「どこに?」
伊藤「教会です」
エスティーナ「教会!?」
伊藤「さあ!」
伊藤「シャルさん!上杉さんをお借りします」
シャルティア「はーい!」
伊藤「さあ、いきますよ!」
エスティーナ「ちょ、ちょっと!」
シャルティア「早速打ち解けて良かった」

〇田舎の教会
エスティーナ「ここは?」
伊藤「教会です」
エスティーナ「何のよ」
伊藤「中に入りましょ」
エスティーナ(確かこの子 凄い人見知りじゃなかったっけ?)

〇教会の中
  聖百合教会
新島「迷える子羊よ」
新島「今日はどのような目的で いらっしゃいましたか?」
伊藤「司祭様、彼女に聖書をお譲りください」
新島「よろしい」
エスティーナ「教会でこんなもん配布すんな!」
新島「安心してください、合法です」
エスティーナ「そうじゃなくて!」
エスティーナ「教会使って何してるのよ!」
新島「百合の布教活動です」
伊藤「そうです」
伊藤「シャルユリは絶対です」
エスティーナ「理解が追いつかないわ」
エスティーナ「ていうか、あなた達は 元の世界に帰りたくないわけ?」
「えっ!?」
伊藤「そんなこと 考えたこともありませんでした」
新島「なんか居心地が良過ぎて その結論には至りませんでした」
エスティーナ「少しは考えろよ」
伊藤「私は来たばかりだし 満喫してみようかなって思ってました」
エスティーナ「それ観光かホームステイ感覚なんよ」

〇取調室
エスティーナ「これより取り調べを行います」
石井「あ、はい」
エスティーナ「元の世界に帰りたくないの?」
石井「帰りたいように見えますか?」
石井「あんなクソみたいな陽キャラしかいない 世界なんか戻りないわけがないじゃないですか」
エスティーナ「はあ?」
石井「き、木原さんはもうあいつと・・・・・・」
石井「あああ──!?」
石井「木原さんはもう非しょ・・・」
エスティーナ「もう分かったから!」
エスティーナ「何かトラウマほじくり返しちゃった?」

〇暗い廊下
ユーリ「取調室で何やってんだ?」
シャルティア「元の世界に帰りたくないのか 聴取するんだって」
ユーリ「来たばかりなのに 上杉さんは積極的だな」
ユーリ「いや、それが普通の反応なんだよな」
ユーリ「普通元の世界に帰りたがるよな」

〇取調室
エスティーナ「はい、次」
エスティーナ「元の世界に帰りたくないの?」
佐々木「親の金でパチンコ行って」
佐々木「ガールズバー行って」
佐々木「就活から目を背けています」
佐々木「親に合わせる顔がありません」
エスティーナ「笑顔で言うな!」
佐々木「はい」
エスティーナ「普通なら行き先は 異世界じゃなくて地獄やぞ!」
エスティーナ「あんた、やべえな!」

〇暗い廊下
シャルティア「異世界がただの現実逃避先になってる」
ユーリ「ここは異世界者の掃き溜めと 更生場所じゃないんだぞ」

〇取調室
エスティーナ「何でまともなやつがいないの」
エスティーナ「1人ぐらい帰りたい奴いないの?」
エスティーナ「つぎ!」
エスティーナ「あなたか」
エスティーナ「前の2人に比べたら まだまともそうな感じはするけど」
エスティーナ「さっきのあれがあるからなぁ」
エスティーナ「あなたは帰りたくないわけ?」
伊藤 「私には友達がいませんでした」
エスティーナ「ちょっと空気変わった?」
伊藤 「この世界で変わりたいんです」
伊藤 「過去の陰キャラだった自分と お別れしたいんです」
エスティーナ「1番まともじゃない」
伊藤 「そして・・・・・・」
エスティーナ「う、うん」
伊藤 「シャルユリ本を世界中に布教したい!」
エスティーナ「布教すんな!」
伊藤 「いえ、これは私の使命なんです」
エスティーナ「どんな使命感なのよ!」
伊藤 「お姉様とシャルさんの尊さを伝えるために しばらくこの世界にいます」
エスティーナ「夏休みに親戚の家に 遊びにきてる気分なんよ!」
エスティーナ「異世界舐めんな」
エスティーナ「もうだめだ、こいつら」

〇大樹の下
エスティーナ「はあ」
エスティーナ「あいつらの思考は本当に分からないわ」
エスティーナ「ていうか、元の世界に・・・」
エスティーナ「未練ねえのかよ!」
エスティーナ「どんな人生歩んできたのよ」
エスティーナ「これじゃあ、計画を実行できないじゃない」
エスティーナ「ん?これって?」
エスティーナ「聖書・・・じゃなくて同人誌」
エスティーナ「暇だし読んでみるか」
エスティーナ「・・・」
エスティーナ「これはいい!」
エスティーナ「シャルとユーリの女の子同士の純愛」
エスティーナ「自然と涙が溢れてくる」
エスティーナ「だけど、足りないわ」
エスティーナ「これに足りないものは」

〇城の会議室
伊藤「編集長、次の新刊はシャルユリ メイドカフェ編なんてどうでしょう?」
岩本「それはいいね」
「誰!?」
伊藤「上杉さん!」
岩本「昨日は大変失礼しました」
エスティーナ「そんなことは、もうどうでもいいの!」
岩本「は、はい」
エスティーナ「これ描いたの誰?」
岩本「絵は僕が描きました」
伊藤「ね、ネームは私が描きました」
エスティーナ「ねえ、どうして」
  ※ここからの先の会話では
  エスティーナさんの希望により
  少し下ネタな会話が繰り広げられます
  お気に召さない場合は
  シーンをスキップしてください
エスティーナ「何で付いてないの!?」
「えっ?」
伊藤「何がです!?」
エスティーナ「決まってるでしょ!」
エスティーナ「お◯◯◯◯よ!」
伊藤「今なんて?」
エスティーナ「お◯◯◯◯!」
エスティーナ「確かにこの作品はいいわ」
エスティーナ「感動した」
エスティーナ「でもね、ユーリさんのお◯◯◯◯が なくなってるじゃない」
伊藤「つまり、上杉さんは男子のユーリさんと 女の子シャルさん本が見たいわけですね?」
エスティーナ「違うわ、私が見たいのは 男の娘✖︎男の娘なのよ!」
エスティーナ「だから、シャルティアにも お◯◯◯◯付けて」
岩本「あ、いや、何か違います?」
エスティーナ「全然違うわよ!」
伊藤「シャルさんは女の子ですよ!」
エスティーナ「ユーリは男でしょうが」
伊藤「そ、そうですね」
伊藤「つまり、一種のBLみたいなものですね」
エスティーナ「まあ、そうなるわね」
伊藤(上杉さん、そっち側だったか)
エスティーナ「とにかく男の娘✖︎男の娘を描くこと」
エスティーナ「分かったわね?ネームは私が描くわ」
エスティーナ「少しだけ絵心はあるの」
「は、はい」

〇城の会議室
エスティーナ「ついに出来たわね」
エスティーナ「シャル(男の娘)✖︎ユーリ(男の娘)本」
伊藤「はい」
岩本「予想以上に良い出来だ」
岩本「こんなアプローチの仕方があるなんて 目から鱗だった」
伊藤「これは新風を巻き起こすかもしれません」
エスティーナ「お◯◯◯◯付けると変わるでしょ?」
伊藤(きっと性癖が変わる人続出するわ)
エスティーナ「当たり前よ!私が監修したんだから!」
エスティーナ「あれ?私、何をするはずだったんだっけ?」
エスティーナ「まあ、いいか」
エスティーナ「さて、部屋に帰って見ようっと」

〇魔界
家来「あの小娘、何やってるんだか」
家来「すっかりあいつらのペースに 巻き込まれてるじゃない」
家来「仕方ない、次の計画に移すか」

次のエピソード:第9話『女子?会』

コメント

  • ここまでずっと涙腺崩壊するくらい笑わせていただきましたが、今回こそが最凶最悪ですね…、エスティーナ様、そんな性癖を吐露されるとは……😂 そして、そんなエスティーナ様の性癖も受け入れ創作の糧とする岩本さんたちも…🤣🤣 おなかいたいです、たすけて……😇

成分キーワード

ページTOPへ