第五話「純愛。だよ」①(脚本)
〇立派な洋館
〇謁見の間
ナオトラ「ふふーん」
ナオトラ「ダーリン」
ナオトラ「結婚しよ?」
ナオトラ「あー、違うのう」
ナオトラ「結婚しよ。じゃなくて──」
ナオトラ「結婚しろ」
ナオトラ「殺すぞ?」
三雨 (ササメ)「あ゛?」
三雨 (ササメ)「このカマボコ女が──」
※ カマボコ(髪型)
三雨 (ササメ)「よく聞けコラ」
三雨 (ササメ)「俺さんはな──」
三雨 (ササメ)「『差別』と『女』」
三雨 (ササメ)「が〜」
三雨 (ササメ)「大嫌いなんだよ」
(差別してるぅ)
ネコニキ「って、結婚ん──!?」
ネコニキ「ダメだ」
ネコニキ「絶対ダメ!」
ルック「ネコどの、よいではないか」
ルック「男の娘が女性と結婚する」
ルック「大いに結構」
ルック「愛の形は人の数だけあるのだぞ?」
ネコニキ「そーいうこっちゃねえよ」
〇可愛い結婚式場
耽美のアルテは──
独身原理主義なんだ
〇結婚式場の入口
だから
人妻(男)は──
除名処分となるッ!!
耽美妻「こういうのを──」
耽美妻「幸せと呼ぶんやな」
イケメン「キミは僕だけの耽美」
ネコニキ「バカヤロぉぉぉぉッ──!!」
ネコニキ「反対だ反対ッ──!!」
〇立派な洋館
「反対するな外野ぁぁぁッ──!!」
〇城の回廊
ルック「痛ったぁ〜」
ネコニキ「いてて・・・」
ネコニキ「あぁッ!?」
ネコニキ「ササメは?」
「ここだここ」
ルック「ん?」
ルック「余のスカートの中から?」
〇黒
〇城の回廊
ネコニキ「おぉぉーいッ!」
ネコニキ「ナニしてんだこんな時にッ──!!」
ルック「いやや、ネコどの!」
ルック「これは余のバナナじゃなくて──」
ルック「バナナだからッ!」
ネコニキ「あ、ほんとだ」
ネコニキ「えっと・・・ササメは?」
三雨 (ササメ)「ふぅ」
三雨 (ササメ)「パンツの中は──」
三雨 (ササメ)「ちと狭かったぜ」
ルック「お兄様ケダモノ」
ネコニキ「まあ、ヤツから離れたのはいいが」
ネコニキ「なんでパンツの中に?」
三雨 (ササメ)「そのバナナに引っ張られたんだよ」
ルック「これは・・・」
ルック「お兄様を封印していたバナナだ」
ネコニキ「バナナの封印は──」
ネコニキ「完全には解けてない・・・ってコト?」
〇謁見の間
ナオトラ「やはりか」
ナオトラ「誰ぞ、かじりよったな?」
「銃弾ではパンツ破れないのね」
「姉さん、逃げないと──」
ナオトラ「んっ」
※ 気絶中
ナオトラ「んん?」
ナオトラ「え・・・?」
ナオトラ「ヤタラ?」
ナオトラ「はっ!?」
ミオ「久しぶり」
ミオ「起こします?」
ナオトラ「ミオ・・・か?」
ミオ「ええ、そうです」
ミオ「変な髪型ね」
ナオトラ「・・・」
ミオ「せっかくだし」
ミオ「3人でお茶でもします?」
ミオ「あ、窓は弁償ね」
ナオトラ「御免ッ!」
ミオ「あらあら」
ミオ「まだ負い目を感じてるのね・・・」
ヤタラ「ん・・・?」
ヤタラ「縫い目?パンツですの?」
タツモト「パンツは無事ですよ、女王様」
ミオ「さて」
ミオ「虎退治には──」
ミオ「少々、戦力が足りないわね」
タツモト「あー、だる」
タツモト「もうこの世界に関わりたくない」
ミオ「耽美な男の娘なら魔法が──」
タツモト「な、なんだよ姉さん・・・」
ミオ「バンビ」
ミオ「ちょっと来なさい」
〇城の廊下
ナオトラ「ちぃぃ」
ナオトラ「まさか、カガ王国だったとは・・・」
ナオトラ「東郷!西郷!」
〇日本庭園
※ 本体はオークラにある
藁人形を介して、交信可能
東郷!西郷!
ちゃんと『ホウレンソウ』せいッ!
たわけがッ!!
東郷「ほうれん草?」
東郷「野菜足りて無いのかな?」
西郷「もすもす」
ダーリンの位置を──
はよぅ、知らせいッ!
東郷「御意ぃ〜」
西郷「もーす」
〇城の廊下
もすもす
もすももっすもす!
ナオトラ「え?」
ナオトラ「訛りが強すぎて・・・」
「梱包のパワー!」
ガムテ「仕留めたッ!」
ガムテ「トドメだッ!」
「了解ッ──!!」
ナオトラ「遅いのう」
〇黒
〇城の廊下
ガムテ「!」
ガムテ「私の魔法が一瞬で!?」
ナオトラ「ふむ」
ナオトラ「封印型の魔性か」
ナオトラ「悪くはない」
ガムテ「くっ!」
ナオトラ「悪くはない・・・が」
ナオトラ「礼儀がなっとらん」
ナオトラ「躾が必要じゃな」
〇黒
ナオトラ「純愛のパワー」
〇立派な洋館
〇城の回廊
ルック「あっ!」
ルック「忘れてた!」
ネコニキ「どうした?」
ルック「シャモジを助けに行かねば!」
ネコニキ(忘れてたのかよ・・・)
〇武骨な扉
「ハックシッ──!!」
〇城の客室
※ 忘れられるヒロイン(男)
〇城の回廊
三雨 (ササメ)「安心しろ」
三雨 (ササメ)「向こうも忘れてる」
ルック「そんなッ!」
三雨 (ササメ)「今頃は、新しいオトコと──」
三雨 (ササメ)「いや」
三雨 (ササメ)「女と!」
三雨 (ササメ)「よろしくやってるかもなぁッ!」
ルック「そんなこと・・・」
ルック「シャモジは・・・」
ルック「オトコが好きだからッ!」
ネコニキ「まぁ落ち着け」
ネコニキ「そのイケメンを救うにしても」
ネコニキ「まずはこの状況を──」
ルック「肉まん!」
ネコニキ「んん〜?」
ルック「これは、僥倖──!」
僥倖(ぎょうこう)
思いがけない幸運のこと。
ルック「男の娘は燃費悪いから──」
ルック「お腹が空くのだ!」
超耽美ール 生(ナマ)
三雨 (ササメ)「ふっ」
三雨 (ササメ)「かぁッ──!!」
ルック「あー!余の肉まん!」
三雨 (ササメ)「ガキは砂でも食ってろ」
ルック「──!!」
ネコニキ「なんで肉まんが・・・」
ネコニキ「むっ!?」
〇黒
「ッ──!!」
〇城の回廊
ガムテ「あれ・・・?」
ガムテ「へっくし!」
「・・・・・・・・・」
ガムテ「ん?」
ガムテ「あ・・・」
〇巨大な城門
他の追随を許さぬ圧倒的な戦闘描写の一方で、人妻(男)、ヒロイン(男)などの絶妙な表現、「大好き」の言葉しか出てこないです🥰
「耽美のアルテは──独身原理主義なんだ」この設定に、ドキドキ感が上がりっぱなしで止まりません💕