王様と弟 後編(脚本)
〇城の救護室
グレイシア((夜に鐘の音?))
グレイシア「騒がしいわね、どうしたのかしら?」
〇城の廊下
グレイシア「えっ!火事!」
パウロ「何だよこれ!」
グレイシア「ルグレーに知らせないと!」
パウロ「や、やめとけ!」
グレイシア「貴方、部屋知ってる?」
パウロ「こ、この通路の突き当たりを左だったはず!」
グレイシア「ありがとう!」
パウロ「お、おい!」
〇貴族の部屋
ルグレー(青年期)「はひっ!」
グレイシア「ルグレー助けに来たわ!」
ルグレー(青年期)「あ、ドア、壊れて、助け?はい?」
グレイシア「寝ぼけてないで!逃げるわよ!」
ルグレー(青年期)「に、逃げる?」
グレイシア「宮殿が火事なのよ!」
ルグレー(青年期)「何と!」
グレイシア「さぁ行くわよ!」
ルグレー(青年期)「あっ、待って!グレイシア!」
〇城の廊下
ログレー「なんて事だ!」
ラッド「申し訳ごさいません、私がランタンを落とてしまって──」
ログレー「・・・・・」
グレイシア「頑張ってルグレー!」
ルグレー(青年期)「ハァ、ハァ、待ってくれグレイシア!」
ログレー「お前!」
グレイシア「お前じゃない!グレイシアよ!」
ルグレー(青年期)「け、喧嘩はダメぞ!」
ログレー「ふんっ!早く避難しましょう兄上」
グレイシア「ちょっと待って!捕虜を見捨てるの!?」
ログレー「その通りだ!我々の命が優先だ!」
グレイシア「ふざけないで!」
ルグレー(青年期)「お、おいグレイシア」
グレイシア「私が助けに行くわ!ルグレー鍵を!」
ルグレー(青年期)「無い!どこいった?あれ?」
グレイシア「えっ?無くしたの?」
ルグレー(青年期)「す、すまん──」
グレイシア「そ、そんな、お父さんが・・・」
「大丈夫!お父さんは無事だぜ!」
ルグレー(青年期)「えっ!」
捕虜「グレイシア!」
グレイシア「パパ!」
ログレー「話しは後だ!とにかく逃げるぞ!」
〇王宮の広間
ガノス王「おお、皆んな無事だったか!」
ルグレー(青年期)「はい、父上!グレイシアが助けてくれました!」
ガノス王「グレイシア?」
ログレー「昨晩に宮殿に乗り込んで来た侵入者です!野蛮な女でございます」
グレイシア「誰が野蛮よ!」
ログレー「口を慎め!侵入者が!」
ガノス王「やめい!見苦しい!」
ログレー「すみません父上!」
ガノス王「そういえば何名か顔の見知らぬ者がおるのう」
ログレー「残りの者は捕虜でございます。昨夜の火事で救出しました!」
ガノス王「そうか、よくやった!」
ガノス王「グレイシアよ、ルグレーの事は礼を言うが侵入者を自由にする訳にはいかぬ、何らかの処罰を検討させてもらう」
グレイシア「・・・・・・」
ガノス王「・・・そうじゃ、王位継承の儀の後、新しい王に処遇を決めてもらうとしようかの」
ルグレー(青年期)「はへっ?いつ?王位継承?!?」
ガノス王「2ヶ月後じゃ」
ログレー「ちゃんと伝えていますよ、兄上!」
ルグレー(青年期)「そうだったかな?あれ?」
ガノス王「ひとまず火が消えるまで安全な所におるのじゃ」
ラッド「大変ですログレー様!」
ログレー「どうした?ラッド?」
ラッド「リザエル様とウェスター様が・・・」
ログレー「どうした?」
ラッド「逃げ遅れて・・・お亡くなりになりました」
「なに!」
ログレー「う、嘘だ・・ろ」
ラッド「ぐっ・・・・・」
ログレー「うぉぉぉぉぉー!」
〇謁見の間
2ヶ月後・・・
ガノス王「これより王位継承の儀を行う!両者前へ!」
「はっ!」
ガノス王「ログレーよ、妻と子共の事は残念じゃったの」
ログレー「私は大丈夫です!いつまでも泣いてる姿を部下に見せる訳にはいけません!」
ルグレー(青年期)「悲しい時は声を出して泣けばいいと思うぞ!」
ログレー「・・・・・・」
ガノス王「では、二人に問う。国力とは何か! 答えてみせよ!」
ログレー「国力とは武力であり!最大の盾でもあります!それを支えるのは知力であり、どちらが欠けても機能しません!私は強い国を造ります」
ログレー「私が指揮を取り、どこよりも強い国を築く!」
ガノス王「うむ。続いてルグレー」
ルグレー(青年期)「強い国には賛成ですが、皆んなが変わる必要はないと思うぞ!何故なら皆は私が思っている以上に十分強いし、賢い」
ルグレー(青年期)「急速に国を強くしたら皆が疲れてしまう。バランスが大事!」
ルグレー(青年期)「私は皆と一緒に国を成長させたい!」
ルグレー(青年期)((えっ?あれ?))
ログレー((ふん、決まったな!))
ガノス王「ワシはルグレーに賛成じゃ!」
ログレー「なっ!」
ガノス王「王であるワシの1票は皆と同じだけある!これで五分五分じゃ!」
ログレー「父上!そんなのめちゃくちゃです!」
ガノス王「さて!最後はお主が決めよ!ラッド!」
ラッド「わ、私がですか!?」
ガノス王「さあ、ルグレーかログレーどちらじゃ?」
ラッド「えっと・・・」
ラッド「王になるべきは──」
ログレー((ラッドは私の部下、私を選択するはずだ))
〇城の廊下
ログレー「許さんぞ!この女!」
〇城の廊下
グレイシア「ちょっと待って捕虜を見捨てるの!?」
ログレー「その通りだ。私達の命が優先だ!」
〇謁見の間
ログレー「私が指揮を取り、どこよりも強い国を築く!」
〇謁見の間
ルグレー(青年期)「私は皆と一緒に国を成長させたい!」
〇謁見の間
ラッド「・・・・・」
ラッド「改めて、よろしくお願いします!」
ログレー「わかっ──」
ラッド「ルグレー様!」
ルグレー(青年期)「ほわっ!」
ログレー「・・・・・・」
ガノス王「うむ!新国王はルグレーとする!」
ルグレー(青年期)「えっ?あ、どうも!」
ガノス王「おっとそうじゃ!昨日の侵入者はどうするのじゃ?ルグレー」
ルグレー(青年期)「う〜むそうだな〜」
捕虜「処刑するのであれば私も一緒にして下さい」
ルグレー(青年期)「グレイシアは無罪!そして私の妻にする!」
グレイシア「冗談でしょ?」
ルグレー(青年期)「嘘など言わんぞ!」
グレイシア「なんなのよ急に、偉そうに!」
ルグレー(青年期)「この国の王ですけど!」
グレイシア「フフッ、半分冗談よ!」
ルグレー(青年期)「半分?」
〇牢屋の扉(鍵無し)
〇黒背景
〇黒背景
「こんな地下に何の用だ?人間よ?」
ログレー「──私の願いを叶えてくれ!」
「叶えてやりたいが、鎖が邪魔で身動きがとれん」
ログレー「これでいいか?」
「フハハッ!礼を言うぞ人間よ!」
「して、願いとは何だ?」
ログレー「亡くなった妻と子に会いたい──」
「それだけか?」
ログレー「全てが憎い、破壊したい」
「なら、契約を結ぼう」
「私と契約するには条件がある」
ログレー「・・・どんな条件だ?」
「条件を聞かないという条件だ」
ログレー「どう言う事だ!意味が分からないぞ!」
「怖いか?見えない条件に怯えるのか?お前の覚悟はそんなものか?それならば去るがよい」
ログレー「俺は全てを失ったんだ!この際、条件なんてどうでもいい!願いを叶えてくれ!」
「ククッ、それなら契約成立だ!」
「条件は全ての記憶を失い、私の忠実な部下になる事だ。もしも記憶を思い出せたなら、お前の願いを叶えてやる!ククッ」
ログレー「・・・私は誰?」
「今からお前は、私の為だけに永遠に働くのだ!寿命は私が貸してやる!」
ログレー「はい。分かりました」
「よろしい。ではこの衣装を着てもらおう」
「そうだ!名前が必要だな」
「お前の名は──」
〇神社の本殿
〇黒背景
「どうした?その格好は?」
???「例の西洋人の女を見つけたので、魂を奪おうと思いましたが・・・」
「逆にやられたのか?」
???「はい・・・」
「グワハハハッ!」
???「そして、あの女は霊体ではごさいません」
「何だと!?」
???「魂を奪う対象を例の男に替えましょう あの男は間違いなく霊体ですので・・・」
「・・・仕方ない」
???「この仮面が割れた時にある事を思い出しました」
「どんな事だ?」
???「・・・私は──」
「私は?」
???「私は誰より優れていた!という事です」
「その後は何か思い出したのか?」
???「いえ、思い出したのはそれだけです」
「ククッ、惜しかったな『ザクロ』よ」
???((惜しかった?))
〇古風な和室(小物無し)
「ハックション!」
ルグレー王「誰かがワシの事を良く言っておるのかのう?」
高津 和宏「それなら、いいじゃねぇか!」
高津 和宏「言ってる相手は男かもしれねぇけどな!」
高津 和宏「無表情やめろ!なんか言えよおっさん!」
ルグレー王「・・・・・・」
高津 和宏「おい!おっさん!」
ルグレー王「シシッ!」
高津 和宏「ハハッ!記憶に残るなその無表情!」
ザクロの正体はっ「!」て、面白いですね。仮面の奴の正体はガンダム以来、癖になりますww
声の正体も気になりますね!! やっぱり長編は、仕掛けが色々あり、仕込みもあって面白いです。楽しみですww