幼馴染みとの学園生活

夏目心 KOKORONATSUME

6 真希からの逃走(脚本)

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〇教室
江戸川昂輝「・・・・・・」
江戸川昂輝「は!!こ、此処は!?」
  気が付いたら俺は学校の教室に居た。見た所何時も俺が通ってる学校で間違い無さそうだが、何故俺は此処に居るのか、
  全く分からなかった。
江戸川昂輝「な、どう成ってるんだ!?俺確か、真希の家のインターホン押そうとしたら・・・ってか、俺縛り付けられてる!?」
木下真希「あ!昂輝目が覚めたんだね!」
江戸川昂輝「ま、真希!?良かった!誰か居てくれた!なぁ、この縄解いてくれないか?」
木下真希「え?その縄あたしが縛ったんだよ?何でまた解かないといけないの?」
江戸川昂輝「え?どう言う事!?て言うか、最近学校来て無かったけど、何してた訳!?」
木下真希「ねぇ昂輝。昔の約束って覚えてる?」
江戸川昂輝「え?大人に成ったら結婚しようって?」
木下真希「うん!昂輝があたしにプロポーズしてくれたんだよ!」
江戸川昂輝「(い、今思えば、どうしても泣き止まない真希を元気付けたかっただけなんだよな。まさか、ここまで本気にされるなんて。)」
木下真希「あたし最近思った事が有るんだ。昂輝の周りには人が多過ぎるって」
江戸川昂輝「え?」
木下真希「昂輝が沢山友達作って、何かあたしとの時間が無くなって来てる気がするんだよね。しかも女の子の友達まで居てさ」
木下真希「昂輝があたし以外の女と仲良く成ったら嫌だから高い所から突き落としてたんだけどね」
江戸川昂輝「え!?じゃあ最近噂に成ってた突き落とし魔って・・・」
木下真希「うん。あたしだよ。ちゃんと消して置けば良かったかな」
江戸川昂輝「・・・!?何でそんな事!?」
木下真希「あれ?分からないかな?昂輝と結婚するのはあたしだけだよ?他の女は邪魔にしか成らないんだけど」
江戸川昂輝「・・・正気かよ・・・」
江戸川昂輝「な、なぁ、所で真希、俺の事縛ってるけど、これからどうするつもりだ?」
木下真希「これから?次の朝方に購買の商品届けてるトラックが来るでしょ?そのトラックが此処を出るタイミングで一緒に乗るの」
江戸川昂輝「えぇ!?それって、この街から逃げるって事!?」
木下真希「そうだよ!あたし達の事誰も知らない人達の所へ行って、行く行くは二人だけで過ごせる場所へ行くの!こんなに素敵な話は」
木下真希「無いでしょ!?」
江戸川昂輝「(真希の言動。そして頭のおかしい発送。間違い無い。俺の所為で真希がヤンデレ化してる。何とか、抜け出す方法を考えないと。)」
木下真希「結婚したら何しようかな!子供は何人欲しい?思い切って10人位作っちゃう!?そしたら大きめの家も欲しいよね!!」
江戸川昂輝「(少しでも真希を遠ざける方法は・・・有った!)」
江戸川昂輝「ね、ねぇ真希!」
木下真希「ん?どうしたの?」
江戸川昂輝「喉が乾いたんだけどさ。何かジュースとか持って来てくれない?」
木下真希「分かった!じゃあ自販機行って来るね!」
江戸川昂輝「良し、今の内に何とかしないと。幸い縛られてるのは両手だけだし、椅子ごと歩くしか無いな」
江戸川昂輝「何か使えそうな物は・・・ん?」
  俺はロッカーに有る引っ掛けフックを目にして、これで縄が解けないか試みた。
江戸川昂輝「よっ・・・よっ!」
江戸川昂輝「良し!何とか解けた!」
江戸川昂輝「でも問題は此処からだ。真希に見つからずに逃げ出さないと。こう言う時、警察に知らせるのが得策だよな」
  スマホは真希に取り上げられてる為、今の俺には連絡手段が無かった。ともあれ、真希に見つからない様に、俺は出口を目指すの
  だった。

〇学校の廊下
江戸川昂輝「取り合えず教室からは出られたけど、自販機は向こう側だし、反対側から行くしか無いな。見つかったら一貫の終わりだ」
木下真希「昂輝〜!ジュース買って来たよ・・・って・・・」
木下真希「あれ?居ない?縄も解かれてるし、昂輝は?」
木下真希「まさか・・・逃げるなら、許さない・・・」

〇学校の下駄箱
江戸川昂輝「良し、何とか此処まで来れた・・・入口の鍵は・・・内開きだから問題無いよな?」
  何とか物音を最小限にしながら、俺は学校の出入り口に到着した。出入り口の扉を確認し、鍵を開ける。
江戸川昂輝「良し!後は此処を離れて、警察に保護して貰って・・・」
木下真希「何してるの昂輝・・・」
江戸川昂輝「・・・!?真希!?」
木下真希「勝手に縄を解いて、抜け出して、あたしを置いて何をする気?」
江戸川昂輝「真希、俺はこの街を出て行くつもりは無い。俺にだってやりたい事は有る。真希が俺の事守ってくれるのは嬉しい。だけど、」
江戸川昂輝「今の真希のやり方じゃ、何時か俺達は共倒れだ。真希、俺はこれから警察に行って、真希の事話すよ」
木下真希「昂輝、あたしとの約束、全部忘れちゃったの?全部昂輝が言った事だよ?全部無かった事にするの?あたしは昂輝と離れてずっと、」
木下真希「昂輝に相応しい女の子に成る為に頑張ったんだよ。それもこれも全部無かった事にするの?」
江戸川昂輝「真希!お前のやり方は強引過ぎる!もっと色んな人と仲良く成った方が良い!俺一人が全てじゃ無い!もっと周りを良く見た方が」
江戸川昂輝「良い!」
木下真希「そんな物は要らない!あたしの全ては昂輝!昂輝が居ない人生なんて耐えられない!昂輝があたしから離れるなら・・・」
江戸川昂輝「ま、真希!お前正気か!?」
木下真希「あたしはどんな事が有っても昂輝と一緒だよ!あたしから離れるのなら、その足を切ってでも!!」
江戸川昂輝「だ、駄目だ・・・もう何言っても聞いてくれない!逃げなきゃ!!」
木下真希「昂輝!あたしから逃げないで!!」

〇通学路
江戸川昂輝「はぁ・・・はぁ・・・早く警察に会わないと!」
木下真希「逃さないよ昂輝!!」

〇繁華な通り
江戸川昂輝「何とか此処まで来れた!でも、人が居ない?誰か居ないのか!?」
  学校から走って何とか街中に来たは良かった物の、街に入ってから誰かしらの人と接触出来て無かった。
江戸川昂輝「さっき警察署に行っても開いて無かったし、どう成ってるんだ?とにかく、一度何処かに隠れないと!」

〇殺人現場
江戸川昂輝「はぁ・・・はぁ・・・駄目だ・・・一度休まないと・・・」
  とにかく夢中で走ってたら、一目の付かない路地裏に辿り着いた。此処まで全力疾走したので、流石に休まないと持たなかった。
江戸川昂輝「真希は見当たらない。家に戻るにしても見つかる可能性が高い。どうしよう・・・」
木下真希「見〜つけた!」
江戸川昂輝「ま、真希!?どうして此処に!?」
木下真希「昂輝の事ならお見通しだよ!気絶してる間に発信機を取り付けたから、どの道逃げられないよ」
江戸川昂輝「う、嘘だろ!!?」
木下真希「昂輝!此処までしたんだから、もう覚悟は出来てるよね?悪い子には、お仕置きしないとね!」
江戸川昂輝「ま、真希!お願いだから、考え直して!!」
木下真希「考え直さないよ。少し居たいけど、我慢してね!」
江戸川昂輝「真希・・・止めろ・・・止めてくれ・・・うわぁぁぁ!!!」

〇一人部屋
江戸川昂輝「う、うあぁぁぁ・・・」
江戸川昂輝「は!こ、此処は!?」
  俺は目が覚めたと思ったら、自分の部屋のベッドの上に居た。
江戸川昂輝「ど、どう成ってるんだ!?さっきまで俺、真希に追われてた気が・・・って・・・」
  スマホのカレンダーを確認したら、真希が転校した日の前日の日付に成っていた。
江戸川昂輝「そう言えば俺、最近風邪引いて、昼間辛かったから薬飲んで寝てたんだよな?直ぐ寝ちゃったから良く覚えて無いや」
江戸川昂輝「しかし・・・何で真希の夢を見てたんだ?て言うか、有れは本当に真希だったのか?随分派手で、長い夢だったな」
  目が覚めた時、身体の調子が良い事も有り、俺は自分の体温を調べて見たら平熱で風邪は完治しており、次の日は問題無く
  登校出来る状態だった。明日の事も有るので俺はまた寝る事にした。今度はもっとマシな夢を見たいと思いながら。

次のエピソード:7 夢か現実か

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