とある王国の異世界冒険者問題

ぽんたろう

第5話『誰だよ、お前』(脚本)

とある王国の異世界冒険者問題

ぽんたろう

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〇魔界
エスティーナ「あいつら、マジなんなの?」
エスティーナ「何で、あいつら簡単に手引くの?」
エスティーナ「あれでも男なの?」
エスティーナ「性根を叩き直してやりたい」
家来「仕方ありません」
家来「初対面の女子というのは 奴らには荷が重すぎたのです」
家来「次の策に移りましょう」
エスティーナ「まだあるの?」
家来「もちろんでございます」
エスティーナ「その策は何?」
家来「内輪揉めがダメなら 外から物理的に破壊します」
エスティーナ「最初からそうしとけば良かったんじゃない?」
家来「あ、いや、やはり段取りというものが ありますからね」

〇市場
ユーリ「いやー、今日も平和だな」
シャルティア「そうだね」
ユーリ「ていうかさ、俺は女装しないとダメなのか?」
シャルティア「当然じゃん、そうしないと イトーちゃんの訓練にならないじゃない」
ユーリ「はあぁ、こんな姿 国王陛下や父上には見せられないな」
伝令「ユーリ様、シャルティア皇女殿下」
伝令(可愛い)
ユーリ「どうした?」
伝令「急報でございます」
ユーリ「何事だ!?」

〇市場
ユーリ「お前らよく聞け!」
石井「一体何でしょう」
ユーリ「どうやら、始まりの村から少し離れた所に 異世界人が出没したらしい」
佐々木「なんだって!?」
石井「まさか日本人?」
ユーリ「いや、それが分からねえんだ」
ユーリ「情報によれば、暴力的で グレーシア兵士たちと交戦して 逃走中らしい」
石井「他の国に出現した異世界人は 凶暴と聞いていましたが まさかそんなに凶暴とは思いませんでした」
北川「誰かがどうにかしないといけませんね」
いのうえ「きっと兵士の方々が解決してくれます」
ユーリ「何でお前ら他人事なんだよ」
ユーリ「俺はこれから調査と状況次第では 戦闘してくる」
「頑張ってきてください!」
ユーリ「だから、何で他人事なんだよ」
ユーリ「お前らも行くんだよ」
「えっ!?」

〇原っぱ
ユーリ「じゃあ、行くぞ」
北川「何で俺らまで」
いのうえ「そうですよ」
ユーリ「お前、何のために 素振り1万回したんだよ」
北川「そ、それは」
北川(伊藤さんのためだけど)
ユーリ「相談乗るよとか言ってたよな」
いのうえ「言いましたけど」
いのうえ(伊藤さんのためだけど)
ユーリ「ほら、いくぞ」
「はい」

〇荒地
異世界人A「略奪の時間だぁぁ!」
異世界人B「次はどこに行くか!」
異世界人C「ウェーイ」
異世界人A「だが、この辺で一旦休憩するか」
異世界人C「ウェーイ」

〇荒野
「・・・・・・」
北川「世紀末過ぎる」
石井「言葉は通じても話は通じなさそうですね」
いのうえ「我々とは一生相容れない存在」
ユーリ「いや、お前らもあんな感じだったぞ」
北川「酷い」
いのうえ「そうですよ」
ユーリ「とにかく、話してみるか」
いのうえ「ユーリさん、頑張ってください」
ユーリ「いや、お前らが行くんだよ」
ユーリ「異世界人同士だから話が合うかもよ」
北川「だから、連中とは性格が合いません」
ユーリ(仕方ねえ、奥の手使うか)
ユーリ「ユーリぃぃ、」
ユーリ「みんなのかっこいいところ見たいなぁ」
北川「ユーリちゃんの頼みなら仕方ないな」
いのうえ「よし、俺いってくる!」
ユーリ「嬉しい!」
ユーリ(まさか、ここまで効果的とはな)

〇英国風の部屋
ユーリ「ていうか、この格好で行くのか?」
シャルティア「そうだよ その方が絶対に役立つから」
シャルティア「みんなが嫌な顔をしたら 甘い声でおねだりするの」
ユーリ「お、おう」
ユーリ「そんなんで本当にあいつらが従うのか?」

〇荒野
ユーリ(まさかここまで効果的だったとは 思わなかった)
ユーリ「こいつらの将来が不安だ 変な女に貢いで人生破綻しそう」
北川「なんか言いました?」
ユーリ「いや、何も」

〇荒地
異世界人A「酒がうめえぜ」
異世界人B「この世界の酒も格別だな」
いのうえ「あ、あの」
異世界人A「なんだ、てめえ!」
いのうえ「ひいい!」
いのうえ「あ、あの」
異世界人B「ちょうどいいカモがきたな」
いのうえ「待ってください」
異世界人A「てめえ、金目のもん出せや」
いのうえ「いきなり!?」
いのうえ(やっぱ話通じないタイプ)
いのうえ「学生なんでお金ないっす」
異世界人A「ちっ、仕方ねえな」
いのうえ「実はいい人?」
異世界人A「だったら殴らせろよ」
いのうえ(やっぱ話通じない)
いのうえ(これだから、こういう連中は嫌いなんだ)

〇教室
いのうえ「今日も早く家に帰って ネットでレスバしてあいつら論破してやろ」
不良生徒「よう、いのうえ」
不良生徒「頼みがあんだけど聞いてくんね?」
いのうえ「あ、えっと」
不良生徒「掃除当番変わってくんねえ?」
いのうえ「あ、でも、、」
不良生徒「こうして頼んでんだから 聞いてくれたっていいだろうが」
いのうえ「あ、了解」
不良生徒「はじめから、そうしとけよな じゃあな」
いのうえ「DQN野郎め」
いのうえ「将来見てろよ!」
不良生徒「なんか言ったか?」
いのうえ「掃除が楽しいなって言ってました!」
不良生徒「ちゃんと掃除しろよ!」
いのうえ「喜んで!」
いのうえ「ネットに名前書き込んでやるからな」

〇荒野
ユーリ「あいつ、強い相手には 媚びる生き方してきたんだな」
「・・・・・・」
石井「あれじゃ、ただカツアゲに あってるようにしか見えませんよね」
北川「しかも、自分から絡まれに行ってるから 余計に悲しい」
ユーリ「あいつ、普段イキってるくせに ああいうタイプの前では何もできないんだな」
ユーリ「こっちの世界に来ても進歩してねえ」
石井「オタクとはそういうものなんです」
北川「強い相手には媚びて 弱い相手しか勝負しない 悲しい生き物なんです」
ユーリ「まあ逆らうほどの根性があれば 村からはもう出てるか」

〇荒地
異世界人A「早く殴らせろや!」
いのうえ「ひいい!」

〇荒野
石井「こっちに逃げてきますね」
いのうえ「怖かった」
ユーリ「何しに行ってきたんだよ」
いのうえ「誰が行かせたんですか!」
ユーリ「自分でいったんだろ」
ユーリ「じゃあ、次、石井が行け」
石井「僕がですか?」
ユーリ「がんばれよ」
ユーリ「いざとなったら助けてやるからさ」
石井「仕方ないですね」

〇荒地
異世界人A「さっきのやつなんだったんだ?」
石井「あ、あの」
異世界人A「てめえ、ぶっ殺すぞ!」
石井(見た目通りの人だ)
異世界人C「陰キャラ過ぎてジワるんですけど」
石井(やっぱり陽キャラうぜえ これだから嫌いなんだ)

〇教室の教壇
石井「さて、今日は帰るかな」
石井「あ、おっと」
ギャル「落としたよ」
石井「あ、す、す、すみ、ません」
ギャル「こういうときは 『ありがとう』って言うんだよ」
石井「あ、、ありがと、うございます」
ギャル「どういたしまして」
石井(あの木原さんが 僕に話しかけてくれるなんて)
石井(もしかして、僕のこと好きなのかな)
ギャル「マンガ好きなの? 私も好きなんだよね」
石井「あ、はい」
石井(これが、あの”オタクに優しいギャル”!?)
陽キャラ「ゆみー」
陽キャラ「飯いこうぜ」
石井(あれは、隣のクラスの陽キャラ 僕の木原さんに気安く話しかけるなんて)
ギャル「そうだ、今日、両親が 旅行で帰ってこないんだよね」
陽キャラ「マジかよ! 明日は休みだし一晩中楽しんじゃう?」
ギャル「もうやめてよ、こんなところで」
陽キャラ「そうと決まれば、さっそくいこうぜ」
ギャル「うん!」
陽キャラ「帰りにエナドリ買いまくろ」
ギャル「じゃあね、岩井くん」

〇荒地
異世界人A「なんか、黙り込んじまったぞ」
異世界人C「勝手に倒れやがった マジウケんだけど」

〇荒野
ユーリ「あいつ、勝手に倒れやがった」
ユーリ「しかも、勝手に相手に期待して 勝手に失望しただけだろ」
ユーリ「ていうか、何でお前ら泣いてんだ?」
北川「分かるよ、石井君 その気持ち」
北川「好きな女の子が運動部の奴と 付き合ってることを知った時は 半年は引きずったよ」
いのうえ「脳破壊されたんだ」
いのうえ「一生もののトラウマだよ」
ユーリ「お前らな」
ユーリ「ていうか、それよりも 倒れたあいつを助けに行かないと!」

〇荒地
異世界人A「とりあえず身ぐるみ剥いで 金目のもん貰おうぜ」
異世界人C「勝手に倒れてくれたから楽だったぜ」
「待て!」
「誰だ!?」
異世界人A「この国の兵士か!?」
「・・・・・・誰?」

〇荒野
「誰!?」

〇荒地
ケン三郎「弱者をいたぶることは見逃せない」
異世界人A「そいつが勝手に近づいてきて 勝手に倒れたんだよ!」
ケン三郎「言い訳など聞かぬ」
異世界人C「まず、てめえは誰だよ!」
ケン三郎「貴様らのような悪党に 名乗る名前などない」
ケン三郎「我が銀河拳法の使い手”ケンザブロウ”が 罰を与えてやる」
異世界人A「名乗る名前はないんじゃなかったのかよ!」
異世界人B「だから、俺たちは何もしてねえよ!」
ケン三郎「ドリャドリャドリャ!」
異世界人A「長えよ!」
ケン三郎「とどめだ!」
「ぎゃあーーー!」
ケン三郎「ふん、手応えがない」

〇荒野
ケン三郎「お嬢さん、怪我はないか?」
北川(ユーリさんを女だと思っている)
ユーリ「あ、はい」
ユーリ「仲間を助けていただき ありがとうございました」
ケン三郎「礼を言われるほどのことはしていない」
ユーリ「そうですか」
ケン三郎「では、また会おう」
ユーリ「さよなら」
ユーリ「結局誰だったんだ」

〇荒地
異世界人A「さっさとずらかるぞ」
異世界人C「うぇーい」

〇荒野
北川「逃げちゃいましたけど大丈夫ですかね?」
ユーリ「それなら大丈夫だ」
いのうえ「どうしてです?」
ユーリ「奴らが行き着く先にあるのは・・・」

〇西洋の街並み
  ラーヒユ村
  ◇ラーヒユ村
  かつて難民たちが最初に転移した村
  難民たちに苦しめられたが今は和解
異世界人A「この辺鄙な村なら大丈夫だろ」
異世界人C「早く奪うもん奪おうぜ」
異世界人B「さっきの変なやつはいなそうだぜ」

〇西洋の街並み
村長「皆よ! ユーリ様からの報告のあった侵入者だ!」
村人B「拳で語るのみ」
村人A「話の通じないあの穀潰しどもに比べれば 可愛いものだ!」

〇牢獄
異世界人B「ここの村人が1番強かった」
異世界人A「異世界人やべえ」
異世界人C「ここが1番安全だな」
異世界人A「しばらく大人しくしとくか」
  取り調べの結果
  出身は日本のない世界でした

次のエピソード:第6話『てえてえ手』

コメント

  • あざと可愛いユーリちゃん、ステキです🥰
    そして、涙なしでは見られない回想シーン二連発ッ😂 みんなトラウマを抱えてるなーと眺めていたら、キャラクター情報欄であまねく「過去にトラウマを持つ」…🤣🤣 オタクが生きづらい世界ニホンですね✨
    それ以上にトラウマを抱えたが故に強くなったラーヒユ村の村人たち……最強👍

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