エピソード19(脚本)
〇怪しい研究所
〇おしゃれな部屋
17時30分──
継人は青いラインの入ったヘッドギアをパソコンにつなげて操作している。
ピロリン♪
広川継人「つないで」
真泉クリスティーナ「何やってるのよ。 早く行かないと約束の時間に遅れるわよ」
広川継人「ん、あー、ごめん。 もうちょっとかかりそうなんだ。 先に行っててよ」
継人は脇目も振らずキーボードを操作する。
真泉クリスティーナ「先にってあなた、キュービアへの出発は30分後よ?」
広川継人「わかってるよ。 でも、クリスティーナが言ったんじゃないか」
真泉クリスティーナ「?」
広川継人「「悔しかったら強くなれ」ってさ」
広川継人「僕は、もう黙って見てるだけなんて嫌なんだ」
広川継人「だから、僕は僕なりのやり方で強くなるよ」
真泉クリスティーナ「・・・ふん。勝手にすれば」
広川継人「そうさせてもらうよ。 それから、昼間のことだけど」
真泉クリスティーナ「?」
広川継人「HIMAHAN-Zを終わらせるってこと」
真泉クリスティーナ「理由はあなたには関係ないと言ったでしょ」
広川継人「わかってる。 君がHIMAHAN-Zにどんな恨みを持っているかは問わない」
広川継人「でも、僕との約束は守ってよ」
真泉クリスティーナ「約束?」
広川継人「僕が姉さんを救い出すまでは、終わらせるのを待つって」
真泉クリスティーナ「・・・ええ。 でもいつまでも待つつもりはないわ さっさと済ませて頂戴」
広川継人「もちろん。そうするつもりだよ」
真泉クリスティーナ「じゃあ、私は先に行くわ」
広川継人「うん」
真泉クリスティーナ「遅刻したら置いていくから」
広川継人「大丈夫。間に合わせるよ」
〇おしゃれな部屋
17時55分──
広川継人「よし。できた!」
コンコン
広川継人「!」
広川幸奈「継人。ご飯よ」
広川継人「もう! 勝手に入ってこないでって言ってるでしょ!」
慌ててギアを机の引き出しにしまう継人。
広川幸奈「ノックしたじゃない」
広川継人「そういう問題じゃないよ!」
広川幸奈「それ、何」
広川継人「これは・・・その」
広川幸奈「さっき、引き出しに何を隠したの」
広川継人「・・・何でもないよ」
広川幸奈「いいから開けなさい」
ゆっくりと引き出しを開ける継人。
広川幸奈「あなた、まさか・・・」
広川継人「母さん、ちゃんと説明させてよ」
広川幸奈「そんなの聞きたくない」
広川継人「母さん!」
広川幸奈「・・・・・・」
広川継人「止めてよ。母さん」
広川幸奈「な、何言ってるのよ。 あなたまでこんなものに取り憑かれて」
広川継人「取り憑かれてなんてないよ。 僕は、僕の考えでこれを使ってるんだ」
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