HIMAHAN-Z(ヒマハンズ)

君乃世界

エピソード18(脚本)

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〇綺麗な図書館
広川継人「ねえ。なんで図書室なの?」
真泉クリスティーナ「いいから黙ってて」
  一冊の古い本を手に取り、机に置くクリスティーナ。
広川継人「『世界の美しい島』? ずいぶんと古い本だね」
広川継人「これって!」
広川継人「HIMAHAN-Zの島にそっくり」
真泉クリスティーナ「そう」
広川継人「HIMAHAN-Zはこの島をモデルにしてるんだね」
真泉クリスティーナ「HIMAHAN-Zがこのマイリーニ島をモデルにしている事は、ユーザの間でも話題になってるわ」
真泉クリスティーナ「でも、問題はそこじゃないの」
広川継人「?」
真泉クリスティーナ「あなた、HIMAHAN-Zに入った時に、既視感を覚えなかった?」
広川継人「既視感? そう言えば・・・」

〇噴水広場
ケイト「あれ? この街って・・・」

〇綺麗な図書館
広川継人「ポルティアの街に行った時、懐かしい感じがした」
真泉クリスティーナ「当たり前よ。 あなたも私も、あの街に行ったことがあるの」
広川継人「え!? でも僕、全然覚えてないよ」
真泉クリスティーナ「無理もないわ。ずっと昔のことだもの」
真泉クリスティーナ「この花は、ここら一帯の島にだけ咲く珍しい火山花なの」
広川継人「オレフレア!」
広川継人「姉さんのために入手するのに、2カ月もかかったんだよ」
真泉クリスティーナ「この花もHIMAHAN-Zに咲いているわ」
広川継人「そういえば・・・」
広川継人「僕も見つけたよ!」
広川継人「でも、その花が咲いてたからどうだっていうのさ? そんなことより、君の狙いを──」
真泉クリスティーナ「黙って聞いてて。重要なことなの」
広川継人「これが重要なこと?」
真泉クリスティーナ「HIMAHAN-Zには、人の記憶を操作する技術がある」
真泉クリスティーナ「それはあなたも身をもって知っているでしょ?」
広川継人「・・・うん」
真泉クリスティーナ「HIMAHAN-Zは人の記憶を操作するだけのものじゃない」
広川継人「?」
真泉クリスティーナ「人の記憶を仮想空間に移植することができるのよ」
広川継人「人の記憶を・・・移植!?」
真泉クリスティーナ「あの島は、マイリーニ島をモデルにしているんじゃないの。 人々の記憶を元に忠実に再現しているのよ」
広川継人「それが本当ならすごいけど。 いくらなんでも、ちょっと強引すぎない?」
広川継人「珍しい花が咲いていたからってさ。 きっとマイリーニ島をすごく好きな人が──」
真泉クリスティーナ「記憶の移植以外で、誰がどうやって10年も前に無くなった島を忠実に再現できるのよ?」
広川継人「無くなった?」
真泉クリスティーナ「この島は、10年前に起きた噴火が原因で、今はもう住むどころか、上陸すらできない状態なのよ」
広川継人「!」

〇簡素な部屋
ニーナ「私が産まれてすぐに、火山が噴火して住めなくなった」

〇綺麗な図書館
広川継人「・・・まさか」
真泉クリスティーナ「どうかしたの?」

〇簡素な部屋
ニーナ「あ! これ、言っちゃいけなかったんだ。 聞いてないことにしてくれ」

〇綺麗な図書館
広川継人「あ、いや、何でもないよ」
真泉クリスティーナ「とにかく、HIMAHAN-Zは、人々の記憶を移植している。 それは間違いないわ」
広川継人「人々の記憶を移植って・・・いったい、誰が何のためにそんなことを」
真泉クリスティーナ「さあ。 それはあなたのお父さんにでも聞いてみれば?」

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