2 幼馴染みと過ごす時間(脚本)
〇教室
江戸川昂輝「そっか。お父さんの転勤何回か有ったんだね」
木下真希「うん。高校生に成ってから昂輝と一緒に過ごした街にまた来る事に成ってさ。まさかそこで昂輝と再会出来るなんて思わなかったよ」
江戸川昂輝「本当、人生どう成るか分かったもんじゃ無いね」
青山大地「お〜い江戸川。親友ほっぽって奥さんとイチャイチャか?」
江戸川昂輝「何だよ青山。宛が外れたからって落ち込むなよ」
青山大地「落ち込みたくも成るわ!レベル高い子が来たと思ったらお前の婚約者だなんて・・・」
木下真希「えっと・・・貴方は?」
青山大地「あぁ御免御免!俺は青山大地。江戸川とは高一からのダチだよ!」
木下真希「青山君か。宜しくね」
青山大地「江戸川。泣かすなよ?」
江戸川昂輝「おいおい・・・あれは子供の頃の話だし・・・お互い変わってるかもだし・・・」
木下真希「えぇ・・・」
青山大地「そんな事無ぇよ!なぁ江戸川、折角だから木下に学校案内してやったら?」
江戸川昂輝「え?俺が?」
青山大地「幼馴染みが相手なら色々やり易いだろ?どの道やって損は無いからよ」
江戸川昂輝「・・・まぁ、確かに悪い話じゃ無いな。真希、一緒にどうだ?」
木下真希「うん!昂輝が案内してくれるなら!」
江戸川昂輝「良し、なら行こうか」
青山大地「おうおう!楽しんで来いよ!」
江戸川昂輝「お前は何言ってるんだ?真希、行こう」
木下真希「うん!」
青山大地「・・・何時か・・・俺にも春は来る・・・よな・・・・・・」
〇学校の廊下
江戸川昂輝「美術室はあっちで、こっちが理科室。それで体育館は・・・」
木下真希「ねぇ、昂輝」
江戸川昂輝「ん?どうした?」
木下真希「あれから随分経ったけど、昂輝はずっとこの街に居たの?」
江戸川昂輝「う〜んそうだな・・・真希が引っ越してからずっとこの街だね。俺は俺でそれなりに人付き合いとかもしてたし」
木下真希「そっか・・・女の子と仲良く成ったりした?」
江戸川昂輝「まぁ、うん。でも俺ならまだ男と話す事の方が多いかな」
木下真希「そうなんだね・・・」
江戸川昂輝「まぁ、何がともあれ、これからは真希とも話せる機会が増えるから楽しく成りそうだって思うよ。次は何処行きたい?」
木下真希「あ、じゃあ購買とかどうかな?」
江戸川昂輝「OK!じゃあこっちだね!」
空き時間を利用して俺は真希に学校の中を案内し、その過程で真希と話してるのが楽しく、またあの頃に戻れるのが嬉しかった。
〇田舎の学校
放課後。俺達は今日の授業を乗り切り、帰宅か部活の時間と成っていた。
木下真希「昂輝は部活とかやって無いの?」
江戸川昂輝「部活はやって無いよ。バイトはやってるけど」
木下真希「どんなバイト?」
江戸川昂輝「ビルの清掃員のバイト。まぁ掃除だよ」
木下真希「そうなんだ!あたしもバイト考えようかな・・・」
青山大地「お前等お疲れ〜!」
江戸川昂輝「青山か、お疲れ!」
青山大地「江戸川は今日もバイトか?」
江戸川昂輝「まぁ、そうだな。青山はサッカー?」
青山大地「おうよ!近い内に大会だからな!」
江戸川昂輝「何と言うか、やりたい事が有るのって羨ましいよ」
青山大地「何言ってるんだ?掃除のバイトだって立派な事だぜ!将来設計とか建ててるのか?」
江戸川昂輝「一応貯金こそしてるけど、何をどうしたいかはまだ分からないな」
青山大地「そっか・・・でも見つかると良いな。んじゃあ、そろそろ行くよ!」
江戸川昂輝「やりたい事・・・か・・・」
木下真希「やりたい事か。あたしは有るよ」
江戸川昂輝「え?それって?」
木下真希「昂輝のお嫁さんに成る事!」
江戸川昂輝「おいおい・・・それは子供の頃の口約束だろ?他に何かやりたい事とか無いのか?」
木下真希「えぇ?あたし本気なんだよ?昂輝はあたしに嘘付いたの?」
江戸川昂輝「いやいや!あの時は俺も子供だったし・・・」
木下真希「・・・・・・」
木下真希「なら良いわ。あたしがまた昂輝に好きに成って貰えば良いだけだし」
江戸川昂輝「え?」
木下真希「ねぇ昂輝。引っ越しとかはして無い?」
江戸川昂輝「まぁ・・・住所は変わって無いよ・・・」
木下真希「分かった!なら次学校行く時に迎えに行くね!!」
江戸川昂輝「い、いや、自力で起きたり出来るから」
木下真希「昂輝!また明日ね!」
江戸川昂輝「あぁ!ちょっ!真希!って・・・あいつもっと引込思案だったと思ったが・・・」
何だか昔と比べて積極的に成った気がした。確かに結婚の約束こそしたが、あそこまで本気にされるとは思わなかった。