耽美のアルテ

胡林

第四話「マジカルジオグラフィック。だよ」(脚本)

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〇結婚式場前の広場
「お尻の〜♬」
「大きな〜🎶」
「お姫〜様〜🎵」
  まっ!?
  何ですの、この歌はッ──!?
  誰ですの!?
  作った輩は誰ですのッ!?
ミオ「白い〜おパンツが〜♬」
  お前かッ──!!
  あら?
  わたくし・・・撃たれて

〇城の回廊
  ダメよ。捨ててきなさいっ
ルック「そんなー!」
ルック「シャモジには帰る家が無いんですよ!?」
  我が王家は財政難ですのよ!?
  ペットを飼う余裕はなくってよ!
ルック「姉上のせいでしょ!」
ルック「パンツ破きすぎなんです!」
  まっ──!?
  走馬灯ってコト・・・ですの?

〇ボロボロの吊り橋
ナオトラ「ちぃぃ・・・」
ヤタラ「パンツがッ!?」
ナオトラ「互角・・・か」
ヤタラ「・・・」
ヤタラ「まだ──」
ヤタラ「やるかい?」
ナオトラ「ふふっ」
ヤタラ「ふっ」
「あはは──」
  あら?
  随分懐かしい・・・
  昔は『ダチ』でしたわね
  って、なんでコイツでてきますの!?
  走馬灯のチョイスに疑問。でしてよ?

〇謁見の間
女王「ヤタラ」
女王「カガ王国は女王を戴く国──」
女王「いずれは、貴女が女王となる」
  わたくしの時代ですのね!
  まずは増税で毟り取りますわよ!
女王「覚えておきなさい」
女王「王は死ぬまで王でなくてはならない」
女王「為政者に──」
女王「後悔のない死など、無いわ」
  まっ──!?
女王「わかるわね、ヤタラ」

〇菜の花畑
ヤタラ「残念でした。お母様」
  わたくし、後悔はありませんわ
  だってこんなにも──
  皆に愛されていたんですもの
  これが、わたくしの
  妄想でないことを祈りますわ

〇立派な洋館
「どうしてよぉぉッ──!!」

〇壁
「窓ガラスがぁッ──!!」
  ※ 弾丸によるひび割れ

〇謁見の間
ミオ「なんでこんなヒドイこと・・・」
ミオ「どうするのよ、ヒビだらけ」
ミオ「ウチは貧乏なのにぃ!」
タツモト「姉さん・・・」
タツモト「一応、心配しとこうよ」
タツモト「女王様のこと」
ミオ「なぜ?」
ルック「お、さすが姉上」
ルック「パンツで銃弾が止まっている」
  ショーツの極厚(ヤタラ特注)
ルック「ん?」
ルック「これ・・・中に何か入ってる?」
ルック「お札・・・」

〇黒

〇日本庭園
つもり「配達完了」
ナオトラ「いざ──」
ナオトラ「東郷!西郷!」
「御意ッ!」
東郷「紙のパワー」
西郷「もすもっすぅ (人形のパワー)」
「式神のパワー!」

〇黒

〇謁見の間
ルック「なんと書いてあるのだ?」
ガムテ「!」
ガムテ「そいつを捨てろ!」
ルック「え?」

〇立派な洋館

〇謁見の間
ネコニキ「おいおい、今度はなんだよ──」
ガムテ「どうやら」
ガムテ「最悪の相手だったようですね・・・」
ネコニキ「え?」
三雨 (ササメ)「あ゛ぁ゛ッ──!?」
三雨 (ササメ)「テメーは・・・!」

〇黒
  ササメ殿に──
  魔法をかけた者の正体

〇謁見の間
ナオトラ「ダーリンっ♬」
ナオトラ「きちゃった」
  魔法軍閥 カマクラ幕府 将軍
  タイラ・ノ・ナオトラ
  魔法界にその名を轟かす──
  狂人。である


〇黒
  『最強』は誰か?

〇屋敷の門
  連日の記録的猛暑の中──
  我々は、ある男に
  忖度のない回答を求め
  取材を敢行した


〇古い本
  『マジカルジオグラフィック』
  〜特集・魔法界の最強〜

〇海辺の街

〇神社の本殿
  真夏だというのに
  その男は──
  燕尾服を纏っていた
魔法界ソムリエ「『最強』」
魔法界ソムリエ「でございますか?」
  『魔法界ソムリエ』
  魔法界に関する知識に於いて
  彼の右に出る者はいない
魔法界ソムリエ「ふむ」
魔法界ソムリエ「なんとお答えしても──」
魔法界ソムリエ「カドが立ちそうな話では、ある」

〇神社の石段
魔法界ソムリエ「世界には──」
魔法界ソムリエ「魔法軍閥は3つございます」

〇名門の学校
  パワー学園

〇後宮前の広場
  紫幇 (ヅゥパン)

〇神社の石段
魔法界ソムリエ「そして」
魔法界ソムリエ「カマクラ幕府」
魔法界ソムリエ「この3つの軍閥」
魔法界ソムリエ「ぞれぞれの頂に立つ者たちが──」
魔法界ソムリエ「最強。と呼ぶに相応しいのでしょうな」

〇神社の出店
魔法界ソムリエ「どうぞ」
魔法界ソムリエ「私の奢りです」
  立派なチョコバナナ
  オトナの夏を噛みしめたい
魔法界ソムリエ「私の知る限り」
魔法界ソムリエ「カマクラ幕府ほど」
魔法界ソムリエ「狂気の集団は無い」

〇池のほとり
魔法界ソムリエ「ご存知ですか?」
魔法界ソムリエ「カマクラ幕府の将軍となるためには」
魔法界ソムリエ「3つの行を成す必要がある」

〇古びた神社
  一つ目は
  『剣の行』
  剣の達人になれ。ということですな
  無論、真剣でザクザク斬り合います

〇渓谷
  二つ目は
  『獣の行』
  粗末な衣一枚のみで
  武器はおろか、食料も持たず
  1000日間
  獰猛な獣を相手にサバイバル
  非常に過酷ですな
  大半はここで脱落します

〇洞窟の深部
  そして3つ目が
  『魔の行』
  一切、手を触れることなく
  己の魔性を以てして
  岩石を丸く整形するのです

〇標本室
魔法界ソムリエ「魔の行を成しえるのは非常に困難」
魔法界ソムリエ「魔法で岩を砕いてはいけない」
魔法界ソムリエ「魔性をコントロールし」
魔法界ソムリエ「綺麗に丸く整形するのです」
魔法界ソムリエ「えーと、確かあのあたりに・・・」
「あった」
「こちらへ」

〇美術館
魔法界ソムリエ「あちらに飾られているのが──」
魔法界ソムリエ「先代将軍 アシカガ・ヨシトキ」
魔法界ソムリエ「彼女が成した魔の行です」

〇白
  美しいでしょう?
  まるで水晶のよう
  ここまで美しい魔の行は類を見ない

〇美術館
魔法界ソムリエ「そして」
魔法界ソムリエ「現将軍 タイラ・ノ・ナオトラ」
魔法界ソムリエ「彼女の魔の行が──」
魔法界ソムリエ「こちらです」

〇白
  なんということでしょう
  整形どころではない──
  これは彫刻・・・芸術です
  神業。でございますな
  魔の行を成した際──
  ナオトラはこう言ったようです

〇白
ナオトラ「『デザインした』のではない」
ナオトラ「最初から決まっておった」
ナオトラ「あのような形になると」
ナオトラ「サダメられておったのよ」
ナオトラ「わっちは」
ナオトラ「それが『見えた』ゆえ──」
ナオトラ「手を貸したまで。じゃ」

〇神社の本殿
魔法界ソムリエ「・・・」
魔法界ソムリエ「剣の達人」
魔法界ソムリエ「強靭なタフネス」
魔法界ソムリエ「神業の魔性コントロール」
魔法界ソムリエ「そして」
魔法界ソムリエ「『何か』を見抜く眼を持っている」
魔法界ソムリエ「・・・」
魔法界ソムリエ「私の答えはお分かりですな?」

〇謁見の間
  タイラ・ノ・ナオトラ
  彼女こそが──
  『最強』

次のエピソード:第五話「純愛。だよ」①

コメント

  • 銃弾を止める極厚パンツ🤣🤣
    そして、流れるように挿し込まれる『マジカルジオグラフィック』と魔法界ソムリエ😂
    読むたびにこの耽美で最高な世界観に取り込まれてしまいます😊

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