蛇地獄

YO-SUKE

第9話 『前兆』(脚本)

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〇山中のレストラン

〇結婚式場のレストラン
遥香「食事、どれもすごく美味しいです」
坂下道雄「良かった」
遥香「でも、このお店、高かったんじゃないですか?」
坂下道雄「平気平気~。気にしないで」
遥香「あれ、なんか嬉しそうですね」
坂下道雄「ハハ。実はね、新しい仕事を紹介してもらうことになったんだ」
遥香「おめでとうございます!」
坂下道雄「友達の紹介なんだけど、給料も良さそうだからさ」
遥香「これで七瀬さんの部屋出られますね」
坂下道雄「え?」
遥香「だってお金あれば部屋借りられるじゃないですか」
遥香「あ、なんならウチでもいいですし・・・」
坂下道雄「いや、それは──」
遥香「七瀬さんのこと怖いって言ってましたよね?」
遥香「まさか未練なんてないですよね?」
坂下道雄「それはまあ・・・そう・・・だね」
遥香「良かった。 じゃあちゃんと七瀬さんと別れてくださいね」
坂下道雄「あ、ああ・・・」
  そのとき、坂下のスマホに着信があった。
坂下道雄「ごめん。ちょっと電話してくる」
遥香「七瀬さんですか?」
坂下道雄「いや、例の友達。仕事の件だよ」
遥香「・・・・・・」

〇山中のレストラン
坂下道雄「もしもし、山岡?」
  ・・・・・・
坂下道雄「仕事を紹介してくれる件、どうなってる? 」
坂下道雄「何度電話しても繋がらないから心配したんだぞ」
  ・・・俺が悪かった
坂下道雄「え?」
  仕事は・・・紹介できない。
  もうお前たちとは関わりたくない
坂下道雄「は? ちょ、ちょっと待て! 」
坂下道雄「それにお前たちって──」
  下心があったんだ。
  だから七瀬ちゃんに近づいた
  でも、俺は・・・俺は!
坂下道雄「・・・山岡?」
  俺は死にたくない!!
坂下道雄「落ち着けって! 何があったんだ!?」
  ッブ、ツー、ツー、ツーー・・・
坂下道雄「おい! 山岡!」

〇結婚式場のレストラン
坂下道雄「ごめん。先に出る」
遥香「七瀬さんのところですか?」
坂下道雄「違うよ。山岡っていう友達なんだ」
遥香「下手な嘘は逆に残酷ですよ」
坂下道雄「嘘じゃないって。 何かあったみたいなんだ。行かなくちゃ」
遥香「・・・分かりました」
坂下道雄「ごめん。また連絡する」
  坂下は急ぎ足でレストランから出ていった。
遥香「・・・・・・」
  取り残された遥香は、坂下が残したステーキに乱暴にフォークを突き刺した。

〇ハイツ

〇おしゃれな廊下
坂下道雄「おい! 山岡! いるんだろ!」
  何度もインターフォンを押すが、返事はない。
坂下道雄「!」
坂下道雄「なんだ、この臭い・・・?」
  坂下はスマホを取り出して再び山岡に電話をかけた。
坂下道雄「山岡! 大丈夫か!?」
  ・・・・・・
坂下道雄「お前の部屋から変な臭いがするけど」
  調べたんだ。
  蛇は線香の匂いが苦手だって・・・
坂下道雄「蛇? 線香? お前なんのこと言ってるんだ」
  お前の、彼女のことだよ
坂下道雄「?」
  お前の言った通りだった。
  あの女はまともじゃない
坂下道雄「どういうことだ? 七瀬と何かあったのか?」
  ・・・・・・
坂下道雄「なあ、とにかくドアを開けて──」
  ガタンッ──
  突然、部屋の中から何かが落ちるような大きな音がした。
坂下道雄「!」
  あいつだ・・・! あいつだ!

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