【第3話】既に幕は上がってる(脚本)
〇けばけばしい部屋
アクノの部屋
アクノ「ふんふふーん♫こーいーのはじまーりーはーばくふうの〜なか〜♫」
アクノ「ふぅ。今日は何もない平和な1日だったわ」
アクノ「こんな日が、ずっと続いたら良いのに」
アクノ「あら、誰かしら?」
アクノ「はーい、今開け」
ブーカ「お邪魔します」
アクノ「言い終わる前に勝手に開けるなよ!?仮にも乙女の部屋なのよ!?」
ブーカ「うわっ!相変わらず奇ば・・・イカれ・・・頭おかしくなり・・・」
ブーカ「独創的な部屋ですね」
アクノ「誤魔化せてないのよ本音が!!75%位まで言ったらもう引き返せないわよ!!」
アクノ「あと頭おかしくなりそうって言いかけたの聞き逃さなかったからね!?」
ブーカ「じゃあもう包み隠さず言いますが、仮にも乙女の部屋なのにここ猟奇的過ぎますよ」
アクノ「どこが猟奇的よ!乙女といえばピンクでしょ?だから頑張って揃えたのに!」
ブーカ「うへ〜。こりゃ手遅れだ」
アクノ「うへ〜っていうな!」
ブーカ「先程、勝手に部屋に入った無礼を詫びて、一つプレゼントを差し上げます」
アクノ「えっ、このタイミングで?」
ブーカ「はい。それでは行きます」
アクノ「行きます・・・?」
ブーカ「”テリェヴ ラ ルーディ”」
〇簡素な部屋
ブーカ「出来ました。模様替えのプレゼントです」
アクノ「いやアンタ何してくれてんだ!!!!!!??????」
アクノ「せめてもうちょっと他にあっただろ!?ベットだけって!あたしゃ囚人か!?」
ブーカ「仕事終わりに寝るだけだし、良いかなって」
アクノ「何も良くないよプライベートも充実させてよ!」
アクノ「でもあんたが一瞬で部屋を替えちゃう程に強くなったのは素直に嬉しいよ頑張ったね!!」
ブーカ「ありがとうございます」
ブーカ「あなたが恋にうつつを抜かしている間に、思ったより成長したでしょう?」
アクノ「・・・棘のある言い方をするわね」
アクノ「必要な仕事はしてるはずよ。あなたの魔法の練習にだって今まで通り付き合ってる」
アクノ「不満があるなら遠回しじゃなくハッキリ言いなさい。ちゃんと聞くわ」
ブーカ「確かに、あなたは最低限の仕事はする。だけど、それまでですよ」
ブーカ「赤点は回避するけど、最高点になろうとはしない」
ブーカ「それが今のあなたです」
アクノ「!」
ブーカ「あなたは悪の親玉、アクノに”なった”んです。それを今一度しっかり理解されては」
アクノ「・・・分かってるわよ」
アクノ「あなたにこんな事を言わせてごめんなさい。これからはもっと精進するわ」
ブーカ「その意気です。じゃあまずは、次の戦闘でグリーンをぶん殴りましょう」
アクノ「えっ!!!???」
ブーカ「アナタ明らかに彼だけ避けてるし、もう敵に勘づかれてもおかしくないんですよ」
ブーカ「それを少しでも払拭するべく、思いっきりグーで行きましょう。壁にめり込むくらい」
アクノ「出来んわ!!このか細い腕を見ろ!」
ブーカ「まぁ、めり込まなくても殴ることは出来ますよね?」
アクノ「うっ!」
アクノ(さっきの宣言をした手前、出来ないとは言い難い)
アクノ(ブーカの言っていることももっともだ。でも、だけど・・・)
〇荒野
アクノの脳内
イエロー「ぐぁああああっ!!!!!!」
アクノ「ふふふ・・・残りはあなただけの様ね、グリーン」
グリーン「そうだな」
アクノ「さぁ、大人しく私にやられなさい!」
グリーン「なんだ、来ないのか」
アクノ「い、言われなくたっていくわよ!!」
アクノ(え〜顔良〜!!毛穴ないんだけど!?まつ毛なっが!!ふぁ〜!!髪サラッサラ!!)
アクノ(って、だ、だめよ!!ここは一発かまさないと!でもか弱い女の子でもいたいから優しく・・・)
アクノ「えっ、えいっ!!」
グリーン「ぐぅわぁああああっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
〇簡素な部屋
アクノ「めりこんじゃった!!!!!!」
ブーカ「アナタの脳みそが大気圏に??」
アクノ「よくそんな恐ろしい例えがポンポン出てくるもんだな感心するよっ!!」
ブーカ「お褒めいただきありがとうございます」
ブーカ「では、次の対戦時を楽しみにしてますよ。部下たちにもちゃんと示しをつけないと。だから」
ブーカ「逃げないでくださいね」
ブーカ「では」
アクノ「あっ」
アクノ「・・・ふぅ」
〇けばけばしい部屋
アクノ「・・・よし、と」
アクノ「まさか部下にこんなことを言われる何てね。反省しないと」
アクノ「・・・そうよね。いつまでも避けては通れない。やっぱり、戦わなきゃダメよね」
アクノ「だって、私は──」
〇黒
悪の親玉、”アクノ”なんだから
続く