〇荒地
ユーカリ「おぉ！」
ユーカリ「私の名前を今度は覚えていたな！」
ユーカリ「良いことだ！」
セージ「・・・」
セージ「どうしてここにユーカリがいるんだ？」
ユーカリ「オニキスって奴が──」
ユーカリ「この場所に、セージが来るのが”見えた”って話していたのさ」
セージ「オニキス？」
セージ（世界覇者の候補者か？）
セージ（”見えた”ってことは、オニキスって奴は能力持ちか）
セージ「何故ここに来れたのかは分かった」
セージ「世界覇者候補者達が僕の所に来る理由は？」
ユーカリ「知らないのか？」
「おおぉぉーい!!!!」
ロサ・ネグラ「何が何だか分からねーけどよぉお！」
ロサ・ネグラ「闘いの邪魔すんなよ！」
ユーカリ（”何が何だかわからない”って）
ユーカリ（魔王は闘いに夢中で課題を忘れたのか？）
ユーカリ（まぁそれなら好都合か）
ユーカリ「あぁ!!それは申し訳ないことをしました」
ロサ・ネグラ「あぁん!?なんだこのキラキラは!!」
ユーカリ（魔王も魅了の能力は効かないか？）
ロサ・ネグラ「オメー俺様に何か仕掛けようとしたな!?」
ユーカリ「いやいや」
ユーカリ「挨拶しようとしただけですよ」
ロサ・ネグラ（くっ・・・なんだ？）
ロサ・ネグラ（頭が少しぼーっとする感じがしやがる）
ユーカリ（あれ？意外と効いているみたいだな？）
セージ（ユーカリ今何か能力を使ったか？）
セージ（警戒しておくか）
ユーカリ「そんなことより魔王様？」
ロサ・ネグラ「なんだ──」
ユーカリ「セージは私が──」
ロサ・ネグラ（コイツ!?早い!!）
ロサ・ネグラ（くそっ!?身体が思うように動かせねぇ!!）
ユーカリ「いただきますね」

〇原っぱ
ロサ・バンクシア「えー」
ロサ・バンクシア「ネグラちゃん”魅了”にかかっちゃった？」
ロサ・バンクシア「あっさり気絶させられちゃったね」
ロサ・バンクシア（直前のセージくんとの闘いで身体に負荷かかってたのもあるか？）
ロサ・バンクシア（僕がかなり近くに来るまで気配に気づかなかったのも踏まえると、かなりのやり手だ）
ロサ・バンクシア（あの”ユーカリ”って子も──）
ロサ・バンクシア（いつか僕と戦うことになるかもな）

〇黒

〇貴族の部屋
アリア「すぅー・・・」
アリア「んっ・・・」
アリア「ふわふわ・・・あったかぁ・・・い」
アリア「・・・」
アリア「・・・ぜっ・・・たい・・・」
アリア「みつ・・・ける・・・ん・・・だから・・・」
アリア「・・・」
アリア「すぅー・・・」

〇黒

〇荒地
セージ（魔王を気絶させた？）
セージ（剣の太刀筋が見えなかった）
ユーカリ「セージ。私は無駄な争いはしたくないんだ」
ユーカリ「単刀直入に言おう」
ユーカリ「私と一緒にモーニング様のところに来てくれ」
セージ「それはなんでだ？」
ユーカリ「私が世界覇者になるためだ」
セージ「僕は離脱したから、あの場所に行く気はない」
ユーカリ「離脱したから──」
ユーカリ「ねぇ？」
ユーカリ「離脱できてないとしたら？」
セージ「どういうことだ？」
ユーカリ「離脱承認が必要だったのを、君は承認をもらわずに去ってしまったんだよ」
セージ（確かに爺様も通信玉で承認がなんとかって言ってたな）
ユーカリ「セージは正式に離脱する為に──」
ユーカリ「私は世界覇者の座に近づく為に──」
ユーカリ「お互いにとって良い話だろう？」
セージ（確かに良い話だが・・・）

〇白
セージ(数年前)「ぐすっ・・・」
　　なんだ？この記憶は・・・
　　風の音が凄いな・・・

〇雪山
スカイナイト「──ジ」
スカイナイト「セージ」
スカイナイト「大丈夫かぁ？」
セージ(数年前)「ぜんっぜん・・・」
セージ(数年前)「だいじょ・・・ぶ・・・じゃな・・・い」
セージ(数年前)「きゅうけい・・・したい・・・」
スカイナイト「ったく・・・しゃーねぇなぁー」
スカイナイト「んー・・・どうすっかな・・・」
スカイナイト「折角だからタメになる話をしてやろうなぁ」
スカイナイト「セージはよぉ」
セージ(数年前)「はぁ・・・はぁ・・・」
スカイナイト「相手が信じるに値するか判断するには、 何が必要だと思う？」
セージ(数年前)「ぜぇー・・・ぜぇー・・・そんなの・・・」
セージ(数年前)「しら・・・ないよ・・・」
スカイナイト「例えば相手がどう考えても”良い話”を持ちかけてきたとするよなぁ？」
セージ(数年前)「う・・・うん・・・」
スカイナイト「こっちに不都合なことがないか聞いてみろ」
スカイナイト「これを聞いて考える素振りも何もなく、即座に”心配ない”と応えてくる場合・・・」

〇白
　　お前の事を操ろうとしてる可能性が高いからなぁ

〇荒地
ユーカリ「おい！」
ユーカリ「聞いてるのか？」
セージ「ユーカリ」
セージ「僕、ユーカリと一緒にモーニングのところに行こうかと考えたんだが──」
ユーカリ「良い判断だな！」
セージ「僕にとっての不都合なことはある？」
ユーカリ「そんなの何も”心配いらない”さ!!」
セージ「・・・」
ユーカリ「ん？何かまだ悩んでいるのか？」
ユーカリ「続けて使うのしんどいけど仕方ないか」
ユーカリ（迷わなくて済むようにしてあげよう）
セージ「僕は君とは一緒に行かない」
　　魔術・飛行船へ帰還
ユーカリ「なっ!?」
ユーカリ「私の魅了の能力にっ!!」
ユーカリ「人間がかからないなんてあり得ない!!」
ユーカリ「・・・」
ユーカリ「なーんで」
ユーカリ「嘘ついてるのバレたのかな？」
ユーカリ「セージ・・・相変わらず厄介な奴だな」

〇海

〇雲の上

〇飛空戦艦
セージ「・・・」
セージ「凄く疲れた」
セージ「考えることが多すぎる・・・」
セージ「中に入る前に、飛行船の傷を──」
セージ「修復完了」
セージ「結界に隙間が？・・・あの時のか」
セージ「神と魔王も入れないように──」
セージ「これで誰も入れないな」

〇暗い廊下
セージ（歩きながら眠りそうだ）
セージ（洗浄魔法も歩きながらやるか）

〇謎の扉

〇貴族の部屋
セージ「だめだ目が開かない」
セージ（明日起きたらモーニングのところに行くか）
セージ（今日はもう・・・）
セージ「布団がつめたくない？」
セージ（やわらかくて、あたたかい・・・）
セージ（心地いいな・・・）
セージ「すぅー・・・」
アリア「んんっ・・・すぅー」