4話(1/5)顔だけ見てる男(脚本)
〇高層ビルの出入口
旧部室棟の内装工事をする予定だったらしいが、大御堂先輩が関わってると知った大御堂グループが大慌てで建て直したらしい
会長が言うには過去には勝手に補修工事をしていたらしいけど、今回はちゃんと理事長に話を通していたらしかった
〇学校の部室
芭登 卓真 バトウ タクマ「もう散らかしてるのか?」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「散らかしてるとは心外だなぁ。美容についての参考本を読み込んでいるところなんだよ」
芭登 卓真 バトウ タクマ「嬉しそうで何よりだが・・・白杜陽介は来てないのか?」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「月矢を探しに行くって言ってたな」
芭登 卓真 バトウ タクマ「月矢の野郎・・・本当に出席取ってる間だけしか学校にいなかったな」
芭登 卓真 バトウ タクマ「あいつがいようがいまいがどうでもいいが、白杜陽介に迷惑をかけるのは許せん・・・」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「騒がしかったのは月矢のせいか。俺たちの教室まで聞こえてきてたよ」
芭登 卓真 バトウ タクマ「担任が号泣したんだよ」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「そんなに月矢のこと心配してたかな?」
芭登 卓真 バトウ タクマ「あいつは教室に入ってきて早々に気に入らない奴の椅子と机を中庭に投げ捨てて、担任を脅して黒板に穴を空けた」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「行動がきちがいだなぁ。みんなが月矢を怖がる理由が分かるよ」
芭登 卓真 バトウ タクマ「お前も噴水持ち出そうとしたり旧部室棟に住み着いたり、月矢と同じきちがいだろ」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「君って月矢と私どっちの味方なんだい」
芭登 卓真 バトウ タクマ「どっちの味方でもないが?」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「・・・じゃあ、私のお尻を撫でるのをやめてくれないかな」
芭登 卓真 バトウ タクマ「味方だったら撫でていいのか?」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「いいわけないだろ なんでこのタイミングで撫でてきたんだ・・・君が分からないよ。立中くんなら分かったかな」
芭登 卓真 バトウ タクマ「月矢はこうすると落ち着くから、貴様も落ち着くかと思ってな」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「月矢はびっくりして固まってるだけだろ・・・」
芭登 卓真 バトウ タクマ「白杜陽介はお尻を撫でられても平気そうだったぞ。小さくてかわいかった・・・」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「私の後輩に変なことしないでくれるかな!?」
芭登 卓真 バトウ タクマ「俺の後輩でもあるだろ それに俺の白杜陽介だしな」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「白坂くんには今度から抵抗するように言おう」
芭登 卓真 バトウ タクマ「余計なことをするな! 俺と白杜陽介の仲なら許されることだ!!」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「それを白木くんの前でも言えるのかな?」
芭登 卓真 バトウ タクマ「言えるが?」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「さっさと嫌われてしまえ」
〇黒
〇学校の部室
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「こんにちは、先輩、会長・・・ あれ? もう散らかしてるんですか?」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「よく来たね山田くん! 月矢! ようこそ美容部へ!」
志染 月矢 シセン ツキヤ「ハァ・・・なんで俺が”美容”部なんかに・・・」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「月矢はただ部室にいるだけでいい 活動はしなくていいから! 美容部のことを認めるなら活動を許すけどな!」
志染 月矢 シセン ツキヤ「ハッ・・・!」
志染 月矢 シセン ツキヤ「認めるも何も、お前らが美容なんて笑うしかねえなー!」
志染 月矢 シセン ツキヤ「どうした? 美容部なんかより、狂人部とかどうだ? お前にお似合いだぜ」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「うぐぅ・・・」
芭登 卓真 バトウ タクマ「それくらいにしとけ、月矢」
志染 月矢 シセン ツキヤ「・・・んだよ お前いっつも大御堂のことばっか庇いやがって・・・」
志染 月矢 シセン ツキヤ「あいつをいじめてみろよー! 絶対楽しくなるって!!」
芭登 卓真 バトウ タクマ「それより、大御堂はともかく、俺と白杜陽介が”美容”部であることを忘れるなよ」
志染 月矢 シセン ツキヤ「あー・・・」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「俺と会長が美容部だからって何なのかわからいけど、大御堂先輩は『面白そうだから』って理由で美容部を始めただけなんだし」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「あんまり大御堂先輩をいじめないでよ?」
志染 月矢 シセン ツキヤ「まー・・・」
芭登 卓真 バトウ タクマ「無駄だ。こいつはいじめる相手がいないと生きていけないようなやつだ」
志染 月矢 シセン ツキヤ「お前のこともいじめてやりたいけどなぁ」
芭登 卓真 バトウ タクマ「いじめ返されたいか?」
志染 月矢 シセン ツキヤ「・・・まー・・・俺をいじめられるのはお前しかいないよな」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「月矢お兄ちゃん・・・会長に甘くない?」
顔が・・・!! 好み・・・!!
志染 月矢 シセン ツキヤ(──なんて言ったら陽介に外見だけ見てる男だと思われる!!)
芭登 卓真 バトウ タクマ「こいつは俺の顔が好きだからな」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(バレてんのかよ)
志染 月矢 シセン ツキヤ「おい変なこと陽介に教えんな! 誰がお前なんかの顔を・・・!!」
志染 月矢 シセン ツキヤ「・・・・・・」
会長が月矢お兄ちゃんの顔に顔を近づけて微笑む。
志染 月矢 シセン ツキヤ(かっこよすぎる・・・)
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(月矢お兄ちゃん・・・)
芭登 卓真 バトウ タクマ「好きだよな?」
志染 月矢 シセン ツキヤ「好きじゃねえ好きじゃねえ好きじゃねえ好きじゃねえ!!」