〇広い改札
　　渋谷には様々な地下鉄が通っている
　　今回はそんな地下鉄の話
　　どうやら地下鉄がケンカしているみたいです
「絶対にワシが１番だ！」
「何言ってんだよ、おっさん！俺が１番に決まってるだろ」
銀座線「なにをー！」
副都心線「なんだよ！」
半蔵門線「ちょっとどうしたんですか？」
銀座線「あ、半蔵門君聞いてよ」
副都心線「このおっさんが渋谷の１番の地下鉄だって言い張るんだよ」
銀座線「そうだろ！どう考えてもワシだろ」
副都心線「だから、俺だって！」
半蔵門線「どっちでもいいじゃん」
副都心線「よくないね！この際ハッキリさせようじゃないか」
銀座線「そもそも、ワシ銀座線が最初の本格的地下鉄なのは知ってるのか？」
副都心線「それは」
銀座線「だろうが、だから」
副都心線「その割には、外走ってるじゃん」
銀座線「え!?」
副都心線「地下鉄って言ってるわりに外なんか走っちゃって」
銀座線「それはお前も一緒だろ」
副都心線「しかも渋谷駅の銀座線のホームって３階にあるし」
銀座線「ドキッ！」
副都心線「あんた地下鉄のプライドないのか？」
銀座線「うるさい！だったらこっちに来てみろ！」

〇駅のホーム
銀座線「最近、ワシのホームはリニューアルしたんだぞ！」
銀座線「どうだ！このオレンジを前面に出しているホームを」
副都心線「たしかに最近リニューアルされた」
副都心線「しかし」
副都心線「その分、わかりにくくなってるんだよ」
銀座線「はぁ？それは人それぞれだろ」
副都心線「無理してスクランブルスクエア方面改札なんか作っちゃって」
銀座線「いいだろうが！」
副都心線「何回エスカレーター登らせるんだよ」
銀座線「それはお前が地下深くに潜ってるからだろ」
副都心線「ドキッ！」
銀座線「副都心線はどれだけ地底深くいくんだよ」
副都心線「別にいいだろ！大江戸線さんはもっと深いし」
銀座線「それはそうだけど」
副都心線「ってかさ、銀座線のおっさんは」
銀座線「おっさん言うな」
副都心線「渋谷、浅草間だろ？」
銀座線「そうだぞ！浅草まで行ってるんだぞ」
副都心線「だったら浅草線じゃん」
銀座線「え？」
副都心線「何ちょっとオシャレにしようと銀座線とか名乗っちゃってるの」
銀座線「いいじゃないか！それにな」
銀座線「浅草線は都営さんがやってるんだよ」
半蔵門線「あのさ、仲良くしようよ」
副都心線「あ、そうそうこっち来てよ」

〇改札口前
副都心線「俺と半蔵門さんは同じ改札なんだぜ」
副都心線「大の仲良しってこと、ね？」
半蔵門線「え？まぁそうだけど」
副都心線「それに比べて銀座線のおっさんは」
銀座線「だからおっさん言うな！」
副都心線「孤立してんじゃん」
半蔵門線「別に孤立とかじゃないでしょ」
銀座線「そうだそうだ！ワシは上手く降りれば山手線先生との連携もとれるんだぞ」
半蔵門線「たしかにJR改札は近いか」
副都心線「でもスクランブルスクエアの方に出ちゃうと返って遠回りだよ」
銀座線「間違えなければいいんだよ！」
副都心線「それに銀座線のおっさんは」
銀座線「だから！おっさん言うな！」
副都心線「いやいやおっさんじゃん〜、だって」
副都心線「新橋、上野、浅草」
副都心線「年齢層高めじゃない？」
銀座線「それは人それぞれだろ！」
副都心線「それに比べて俺は」
副都心線「池袋、新宿、渋谷」
半蔵門線「新宿三丁目な」
副都心線「若いねぇ」
副都心線「まさに東京の所要の駅を通ってるなぁ」
副都心線「副都心って名前がピッタリだよなぁ」
銀座線「ぐぐぐっ！」
銀座線「ってか、なんでワシをこんなにおっさんのビジュアルにするの！」
銀座線「ワシも若い感じのビジュアルでもいいじゃないか！」
　　それは1927年生まれだし
　　これでも若くしたつもりですが
銀座線「むむっ!?」
副都心線「ま、ということで、渋谷駅の１番は俺ってことで」
銀座線「はぁ？副都心線なんた半分は有楽町線みたいなもんだろ！」
副都心線「おい！それだけは言うな！」
銀座線「よくもそれで１番なんて言えるな」
副都心線「何を！だったらあんただって６両編成のくせに」
銀座線「はぁ？そんなの他もやってるわ」
副都心線「こっちは８両編成、10両編成でやってるんだよ！」
銀座線「くそ！多ければいいってわけでもないだろ」
副都心線「なんだと！」
銀座線「何を！」
半蔵門線「だからなんでケンカしてるんですか」
副都心線「もういいわ、東急線とも仲良いから、横浜の方でも行ってくる」
副都心線「渋谷浅草間を行ったり来たりしてればいいですよ、じゃあ」
半蔵門線「ちょっと副都心線くん」
銀座線「まったく銀座線は人気高いんだぞ」
半蔵門線「銀座線さん〜」
半蔵門線「はぁ〜なんでこうなったのか」
？？？「どうかしましたか？」
半蔵門線「あ、あなたは」

〇渋谷駅前
副都心線「半蔵門さん、急に呼んでなんだろ？」
銀座線「半蔵門くん、どうかしたのかな？」
「ん!?」
「ちょっとお二人さん」
山手線「ケンカはいけませんよ」
「山手線先生！」
山手線「半蔵門線さんから聞きましたよ」
山手線「なんかもめてるって」
銀座線「それは」
山手線「どっちが１番かって言い合ってるて」
副都心線「いや、まぁ」
山手線「1番とか２番とか、もういいじゃないですか」
銀座線「いや、山手線先生はトップを走ってるからいいじゃないですか」
副都心線「そうですよ。誰もが認めるトップの電車ですよ」
山手線「私はあなたたちが羨ましいですよ」
副都心線「え？俺らが？」
銀座線「羨ましい？」
山手線「はい」
山手線「副都心線は横浜も見れる、埼玉も見ている」
副都心線「まぁそうですけど」
山手線「銀座線は銀座駅や虎ノ門、三越前など 大人なオシャレな場所を走ってらっしゃる」
銀座線「ま、まぁ。そうですね」
山手線「それに浅草駅はJR通ってないんですよ」
山手線「あんな有名な観光地なのに、我々は手が出せない」
山手線「僕は東京をぐるぐる回ってますが それは皆さんがあってできること」
山手線「だから、１番とか２番とか」
山手線「そんなことどうでもいいじゃないですか」
「・・・・・・」
山手線「さ、仲直りして」
銀座線「ご、ごめん」
副都心線「俺の方こそ、なんかすいません」
銀座線「いやさ、副都心線はさ、なんかいろんな路線と仲良いから」
銀座線「ちょっと羨ましかったんだ」
副都心線「俺も、正直東京半分しか知らないから」
副都心線「なんか銀座線みたいにオシャレな大人の街も通ってみたかったんです」
銀座線「北参道通ってるじゃん」
副都心線「いや、やっぱ銀座は憧れっすよ」
銀座線「よし！今日もみんなを乗せよう！」
副都心線「そうっすね！」
山手線「うん」
半蔵門線「ありがとうございました」
山手線「いえいえ、じゃあ私はこれで」
半蔵門線「なんか用事があるんですか？」
山手線「いやさ」
山手線「新宿でも都営さんがもめてるらしくて」
半蔵門線「なるほど」
半蔵門線「山手線先生も大変だなぁ」