紅キ宝石

えたーなる

エピソード6(脚本)

紅キ宝石

えたーなる

今すぐ読む

紅キ宝石
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇武骨な扉
  扉の前に立つロンハンとアドルフ。
ロンハン「さぁ、中へ」
アドルフ「‥」
アドルフ「‥はい」
  ロンハンに促され、意を決するアドルフ。

〇カフェのレジ
アドルフ「っ!?」
アドルフ「‥私の‥店‥?」

〇貴族の応接間
ルノ・ヴァレン・リスターナ&お嬢様「例の部屋には着いたかしら?」
ルノ・ヴァレン・リスターナ&お嬢様「今頃驚いているでしょうね」
ルノ・ヴァレン・リスターナ&お嬢様「フフ」
ルノ・ヴァレン・リスターナ&お嬢様「まさか【店ごと頂いた】とは思ってもみなかったでしょうから」

〇カフェのレジ
ロンハン「その通り。この部屋は、あなたのお店そのままはめ込んで作られたものです」
アドルフ「【僕】の‥お店だ‥」
アドルフ「あれも‥これも‥。 見間違えるはずもない‥。 全部僕の店のだ‥」
ロンハン「これでわかりましたね。 屋敷での【あなたの存在意義】が」
アドルフ「・・・」
アドルフ「はい‥」
アドルフ「【私】はお嬢様にスイーツをお作りするために存在する‥」
ロンハン「結構です。では、案内はこちらまでとさせていただきます」
ロンハン「私はお嬢様にご報告をしなくてはなりませんので、先に失礼します」
ロンハン「部屋の場所はわかりますね?」
アドルフ「はい」
ロンハン「では。 あ、そうです。言い忘れていたのですが」
アドルフ「はい」
ロンハン「ここに来る間に、【6つの扉】があったと思いますが、決して中に入ってはなりません」
アドルフ「【6つの扉】‥確かにあったような‥。 暗くてあまりはっきりは見えなかったですが‥」
ロンハン「そうですか。そう言えば、人間は暗闇にも弱い生き物でしたね‥。失念していました。お嬢様に灯りの提案が必要ですね」
アドルフ「すみません‥」
ロンハン「構いませんよ。 では、私はこれで」
アドルフ「ありがとうございます」
アドルフ「‥さて‥部屋に戻るとするか‥」
  アドルフは自室へ歩きだす。
  ロンハンと別れ気の張りが緩んだのか、その顔は複雑な表情を浮かべていた‥。

次のエピソード:エピソード7

ページTOPへ