紅キ宝石

えたーなる

エピソード5(脚本)

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〇要塞の廊下
  突然現れた【ロンハン】と名乗る顔無しの紳士は、アドルフを見下すこともなく、丁寧な口調で話しかけてくる。
アドルフ「貴方はさっきのボブさんやスレーさんのような傲慢な態度で私を罵ったりはしないのですね‥」
ロンハン「姿や形、能力の優劣など、私から見れば些細なものです。むしろ互いを認め知ろうとすれば、より関係も深められるというものです」
ロンハン「あの2匹は、そういった点がまだまだ未熟であったんだと思いますから、どうかお気になさらず。」
アドルフ「そうだ!あの2匹が突然消えてしまって‥。 いったい何処にいってしまったのですか!?」
ロンハン「ご心配には及びません。彼等はただ、元いた場所に戻っただけですので。お嬢様の機嫌を損ねた結果、強制的に帰されたのですが‥」
ロンハン「あなたも気をつけてください。お嬢様のお力は底がしれません。人間は我々と違い脆く弱い生き物だと知り得ています」
ロンハン「なので、くれぐれもお嬢様には逆らわないよう心にとめておいてください。理不尽な結末は迎えたくはないでしょう?」
アドルフ「‥理不尽な結末‥。それなら今現在がそれに当てはまっているでしょう‥。 あげく【服従の刻印】というものまでかけられて‥」
ロンハン「経緯は何となくですが察しがつきます。 あなたの身に起きた理解しがたい出来事は、きっとあなたを悲しみと苦しみの渦となり」
ロンハン「暗い闇に引きずり込もうとするでしょう。 ですが、そのことをずっと悔いるのではなく」
ロンハン「あなたの今すべき事に、出来ることに目を向けるべきではないかと私は思います」
ロンハン「まあ‥今の今そうしろと言われても受け入れ難いでしょうが‥」
アドルフ「・・・」
ロンハン「さぁ、話はここまでにして‥。 ご案内いたしますので、私の後を着いてきてください」
アドルフ「‥はい」
アドルフ「私を‥いったい何処に‥」
ロンハン「あなたの、【仕事場】です」
アドルフ「【仕事場】ですか?」
ロンハン「ええ。あなたのこの屋敷での存在意義がそこにあります」
アドルフ「私の‥存在意義‥」
  ロンハンとアドルフは暫く廊下を歩き、
  目的の場所へ到着する。
ロンハン「こちらです」
アドルフ「っ!?ここは!?」

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