エピソード6 仲間(脚本)
〇古い洋館
ケビン「マーガレットが・・・!?」
メリッサ「ええ、エリートに拐われたようです」
メリッサ「こんな手紙が・・・」
明日の夜
街の外れで待つ
彼女を無事に解放して欲しければ
魔王だけで音声を持ってくるように
それを渡せば彼女に危害は加えない
ケビン「・・・!」
ケビン「盲点だった・・・」
ケビン「まさかここまでするとは・・・」
ケビン「メリッサ・・・どうしよう!?」
メリッサ「一旦落ち着いてください、坊ちゃん」
メリッサ「まだ時間はあります」
ケビン「そ、そうだな」
ケビン「よし、すぐに助けに行こう!!」
メリッサ「だ、駄目ですよ!?」
ケビン「マーガレットを助けないと!! 音声をすぐに渡して・・・」
メリッサ「そ、それは駄目です せっかく掴んだ証拠ですよ!!」
ケビン「なら魔族全員で乗り込もう!!」
メリッサ「な、何考えてるんですか!? 駄目に決まってるでしょう!!」
ケビン「悪いのはあいつだ!!」
メリッサ「例え真実がどうであれ」
メリッサ「我々魔族が街に乗り込むようなマネをしたら」
メリッサ「人間達にどう思われるかはわかるでしょう?」
ケビン「ならマーガレットを犠牲にするのか!?」
メリッサ「・・・」
メリッサ「私だって本当はマーガレットが心配です」
メリッサ「あの子は人間でありながら」
メリッサ「我々魔族にも分け隔てなく接してくれる優しい子です」
メリッサ「あの子を守る為に辛く当たってしまった事もありますが」
メリッサ「助けたい気持ちは同じです・・・!!」
ケビン「・・・!?」
ケビン「すまない・・・メリッサ」
ケビン「・・・メリッサの言うとおり」
ケビン「一旦落ち着いて考えよう」
〇魔王城の部屋
メリッサ「大丈夫ですか?坊ちゃん」
ケビン「ああ、少し落ち着いた、ありがとう」
メリッサ「何かいい作戦は思いつきましたか?」
ケビン「作戦とまではいかないけど」
ケビン「少し頼れそうなアテは思いついた」
メリッサ「本当ですか!?」
ケビン「ああ、信頼できるアテだ」
メリッサ「・・・本当に大丈夫なんですか?」
ケビン「心配はいらないよ、メリッサ」
ケビン「必ずマーガレットを助け出すし」
ケビン「音声も守り抜く」
メリッサ「私もついて行きます」
ケビン「いやメリッサ達には此処を頼む」
ケビン「此処をしっかり守ってくれ」
メリッサ「・・・」
メリッサ「・・・はい ・・・坊ちゃん」
メリッサ「どうかご無事で・・・」
ケビン「ああ」
〇屋敷の書斎
ケビン「と」
ケビン「いうわけなんだ」
ルイス「まさか先生がそんな事をするとはな・・・」
ルイス「まぁ、少し胡散臭くはあった」
グレン「イヤイヤイヤイヤあり得ないだろそんな話!?」
グレン「き、君がま、ままま魔王で」
グレン「エ、エリート先生が人間を拐っただって!?」
グレン「仮に本当の話だとしてなんでボクに話したんだよ!?」
グレン「巻き込まないでくれよボクを!?」
ルイス「なんだ 怖いのかグレン?」
グレン「こ、こわっ」
グレン「怖いに決まってるだろ阿呆か!!」
ルイス「元エースさんが聞いて呆れるな」
グレン「う、うるさいぞ落ちこぼれ!! 君こそ・・・」
ケビン「申し訳ないが今そんなどうでもいい話やめてくれるか?」
グレン「どうでもいい言うな!! 君のせいだろっ」
グレン「だいたい何なんだよ 学校の図書室に呼び出したかと思えば」
ケビン「それは急にすまなかった」
ケビン「メリッサにはああ言ったものの」
ケビン「僕もどうしたらいいかわからなくて」
ケビン「マーガレットを助けたいんだ」
ケビン「あんた達にしか頼れない・・・ どうか力を貸してくれ・・・」
グレン「い、いや 絶対ほかに頼れそうな奴いるだろ」
グレン「なんでボク達なんだよ」
ケビン「心から信用できる人間があんた達なんだ」
ルイス「・・・」
グレン「・・・」
ルイス「俺は手を貸すぞ」
グレン「て、手を貸すって魔力も無い奴がどうやって・・・」
ルイス「魔力があるくせに逃げ腰の奴には言われたくない」
グレン「何だと・・・!?」
ルイス「それに俺は魔力が無いんじゃない」
グレン「!」
ルイス「魔力を使えなくされてるだけだ」
グレン「おいっ!」
ケビン「?」
ルイス「これを見てくれ」
ケビン「なんだそれは、腕輪?」
ルイス「俺の魔力はこれで封印されている」
ケビン「え」
〇児童養護施設
昔、俺の先祖が村の長と揉めた事があって
それ以来俺の一族は罰として
産まれてすぐに魔力を封印する腕輪をはめられるようになった
〇屋敷の書斎
ルイス「それがこの腕輪だ」
ケビン「!!」
ケビン「魔法が使えないのはそのせいか・・・」
ルイス「それでお前の力でこの腕輪を壊して貰いたい」
グレン「いや、おいルイス」
グレン「そんな事が許されるわけ・・・」
ルイス「頼むケビン」
ルイス「俺の夢は勇者になること」
ルイス「こんな腕輪がなければ 困ってる人を助けられる」
ルイス「そんな立派な勇者になってみせる!」
ルイス「こんな物さえなければ俺は」
ルイス「お前の助けにだってなれるはずなんだ・・・」
ケビン「・・・」
グレン「そんな事したらタダじゃ済まされないぞ」
ケビン「わかった」
ケビン「やってみよう」
グレン「なっ!?」
ケビン「ルイスの先祖のことは知らないが」
ケビン「僕はルイスを信じてる」
ケビン「ルイスはきっと 誰よりも立派な勇者になるさ」
ルイス「!!」
ルイス「ありがとう、ケビン」
グレン「おいおいどうなっても知らないぞボクは!?」
〇地下室
ケビン「はぁっ!」
ルイス「は、はずれた!!」
ケビン「よし、ルイスやってみてくれ」
ルイス「ああ」
ルイス「はっ!」
ルイス「で、出た!!」
グレン「わわわわわっ気をつけろよルイス!!」
グレン「加減を覚えろ!!」
ルイス「確かにそうだな・・・」
ルイス「ケビンまだ時間はあるだろう?」
ケビン「ああ」
ルイス「それまで練習に付き合ってくれないか グレン」
グレン「は、なんでボクが!?」
グレン「ボクを巻き込むなと言っただろう!?」
ルイス「俺が戦力になればお前の負担も減ると思う」
グレン「いやいやいやボクは行くと言ってないだろう」
ルイス「いいのかこのままで」
ルイス「村の皆んなの信頼を取り戻すチャンスだぞ」
グレン「ぐ・・・」
ルイス「エリートにやられっぱなしでいいのか?」
グレン「う・・・わ、わかったよ!」
グレン「スパルタで叩き込んでやるからな!!」
ルイス「頼むよエース」
ケビン「頼もしいな」
ケビン「ありがとう二人とも」
ケビン「じゃあ夜に合流で頼む」
グレン「キミはどこに行くんだよ?」
ケビン「僕はもう一人 声をかけてみようと思ってて」
ケビン「そいつのところに行ってくる」
グレン「まだ仲間がいるのか!!」
ケビン「それはまだわからない」
ケビン「あまり期待はしないでくれ」
ケビン「それともうひとつお願いがあって」
ケビン「用意してほしいものがある」
「?」