エピソード4(脚本)
〇要塞の廊下
お嬢様の機嫌を損ねて食事にありつけない状況に陷ってしまったボブとスレーは、耳を垂らし、絶望に打ちひしがれる。
ボブ「はぁ・・・」
スレー「ひぃ・・・」
ボブ「ふぅ・・・」
スレー「へぇ・・・」
アドルフ「・・・」
ボブ「そこは『ほぉ・・・。』だろボブ!人間!!」
スレー「全くだスレ!空気読め人間っ!!」
アドルフ「はぁ」
ボブ「だから『はぁ』じゃないボブ!」
スレー「ボブよ‥もう止め止めスレ。なんか余計に虚しくなってくるスレ」
ボブ「確かにそうボブ。人間、ここが貴様の部屋だボブ。いっちょ前に部屋が与えられるとは、お嬢様に感謝するんだなボブ」
スレー「そうスレ。貴様のような羨ましい奴は、お嬢様に血反吐吐くまでこき使われろスレ」
アドルフ「私はこれからどうなるのでしょうか‥」
ボブ「貴様は馬鹿なのか?お嬢様は何と仰っていたか思い出せボブ」
アドルフ「・・・そうでした‥。色々なことがありすぎて頭の整理がつきません‥」
アドルフ「こうして、【犬のような方々】と普通に会話をしていることだっておかしなことだというのに‥」
スレー「貴様の目は節穴かスレ。我々は正真正銘【犬】だスレ。決して【ような】ではないスレ」
ボブ「そうだボブ。我々はお嬢様に【犬】として想像されたボブ。気高く誇り高き聡明な犬だボブ」
アドルフ「はぁ」
スレー「人間如きに熱く語っても時間の無駄だスレ。取り敢えず貴様の部屋まで案内してやったスレ。これで案内は終わりだスレ」
ボブ「ちょっと待てボブ。他にもまだ案内する場所があるだろうがボブ。俺達はお嬢様に大役を任されたんだボブ。忘れたのかボブ」
スレー「わかってるスレ。【俺様が部屋まで案内した】だから、俺様の案内はこれで終わりだスレ。だから、後の案内はお前がやれスレ」
ボブ「また何を理由のわからないことをいってやがるんだボブ。俺様が部屋に連れてきただろうがボブ。↑のセリフを読み返してみろボブ」
スレーは吹けもしない口笛を吹く。
そして、突然それは起きた。
アドルフ「!?」
アドルフ「消えたっ!?」
ボブとスレーは忽然と消えてしまった‥。
そしてその消した張本人であろう声がアドルフの頭の中で響く。
『‥使えない犬だわ。』
『あなたの案内を別の者にさせるから少し待ちなさい。』
アドルフ「別の‥?」
眼の前に魔法陣が現れる。そしてそこから人のような何かが現れる。
ロンハン「お初にお目にかかります」
ロンハン「私(わたくし)は、この屋敷の管理を任されている【ロンハン】と申します。以後、お見知りおきを‥」