〇オフィスのフロア
不破誠「早く逃げろ！！」
中堀伸介「！」
不破誠「中堀！ 石田！ 星野！ 早く逃げろ！！」
石田克典「・・・不破さん」
星野千尋「・・・・・・」
磯ヶ谷敏文「キミたち、信じちゃいかんぞ！」
不破誠「黙れ磯ヶ谷！！」
磯ヶ谷敏文「・・・この期に及んで何を偽善者ぶっている」
中堀伸介「もうすぐ、ここには警察がくる。 あんたは終わりなんだぞ？」
不破誠「そんなことはどうでもいい！ 早く逃げろ！！」
　　時限爆弾のタイマーが一分を切る。
磯ヶ谷敏文「私は、外に出て警察を誘導してこよう」
　　磯ヶ谷の首を掴む不破。
磯ヶ谷敏文「何をするんだ！ 離せ！」
不破誠「どうすれば解除できる」
磯ヶ谷敏文「中堀くん！ この男を撃て！」
中堀伸介「・・・・・・」
　　銃を不破に向けたまま黙る中堀。
磯ヶ谷敏文「早く撃て！ こいつは殺し屋だ！」
磯ヶ谷敏文「正当防衛だと理由をつければ罪にはならん！」
中堀伸介「・・・・・・」
不破誠「磯ヶ谷！ この爆弾がダミーだというのなら、タイマーがゼロになるまで、ここにいてもらおう」
磯ヶ谷敏文「ひっ・・・」
不破誠「お前らは早く逃げろ！」
中堀伸介「・・・・・・」
石田克典「中堀さん、不破さんの言う通り・・・」
星野千尋「・・・本当に爆弾」
中堀伸介「二人は避難しろ！」
石田克典「中堀さんは・・・」
中堀伸介「行け！！」
石田克典「・・・・・・」
不破誠「・・・・・・」
中堀伸介「あんた、本当に俺たちを助けに来たのか？」
不破誠「・・・・・・」
磯ヶ谷敏文「私は死にたくない！ 早く離せ！」
不破誠「お前が解除するんだ！」
磯ヶ谷敏文「新堂さんに何て言ったらいいんだ・・・」
不破誠「死にたいのか！！」
磯ヶ谷敏文「くっそ！」
　　磯ヶ谷が時限爆弾に仕掛けられた導線の中の一本を切ると、タイマーが残り１０秒で止まる。
不破誠「・・・間に合ったか」
中堀伸介「・・・部長」
磯ヶ谷敏文「違う、違うんだ、中堀くん」
中堀伸介「・・・・・・」
磯ヶ谷敏文「私はこの男の組織から脅されて・・・」
中堀伸介「・・・・・・」
磯ヶ谷敏文「信じてくれ。この男が全ての元凶なんだ！」
中堀伸介「・・・・・・」
不破誠「撃ちたければ撃て。俺は殺し屋だ。 殺したところで罪にもならない」
不破誠「むしろお前は会社を救った救世主だ」
中堀伸介「・・・お前は俺らを騙してだんだ」
不破誠「・・・そうだ」
中堀伸介「人殺し野郎が！！」
磯ヶ谷敏文「やれ！！」
警察官「警察だ！」
不破誠「！」
　　大勢の警察官たちが踏み込んでくる。
磯ヶ谷敏文「爆弾を仕掛けたのは、この男だ！ 早く捕まえてくれ！」
警察官「何者だ、キミは」
不破誠「・・・・・・」
警察官「あなたはここの社員？」
中堀伸介「・・・そうです」
警察官「この爆弾犯の名前は分かりますか？」
中堀伸介「・・・はい」
警察官「教えていただけますか」
中堀伸介「・・・・・・」
警察官「・・・あの」
中堀伸介「・・・磯ヶ谷」
中堀伸介「磯ヶ谷敏文です」
　　磯ヶ谷を指す中堀。
不破誠「！」
磯ヶ谷敏文「！」