異界ゆかば〜平和の為、後に続く者達の為に〜

れこん

6話 電波ちゃん(脚本)

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れこん

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〇シックなバー
シオン「こんなに沢山お店のお料理奢ってくれてぇ ありがとぉ♪」
シオン「いっただきま~す♪」
木村英介「君・・・これ全部一人で食べるの?」
シオン「そだよー♪」
シオン「シオンはぁ、”霊感”があるからぁ─」
シオン「いつも力を沢山使ってる状態でぇ──」
シオン「だからぁ、エネルギーがとーっても必要なんだぁ♪」
木村英介「へ、へぇー・・・(ドン引き)」
  青年よ・・・
  ドン引きしておる場合じゃないぞ!
木村英介(誰か・・・直接頭の中に語りかけて来る!?)
木村英介(いや、違う!)
木村英介(近くに気配が──)

〇シックなバー
ムッツリ星人「青年よ、この小娘を攻略するじゃ!」
ムッツリ星人「その為にワレが力を貸そう!」
木村英介(なんか居る!? 誰なんだこいつは・・・)
木村英介「おい、”変な奴”が居るんだが・・・」
木村英介(消えた!?)
シオン「ねぇ・・・」
シオン「”変な奴”ってもしかしてぇ、」
シオン「シオンのことぉ?」
木村英介「違っ──」
木村英介「さっき”タコ”みたいな奴がそこに居ただろ?」
シオン「そんなの居ないよぉ!  嘘つかないでぇ!」
木村英介(見えてないのか?)
木村英介(それとも僕がストレスを抱えこんでるせいで幻覚が見えてるのか?)
シオン「うえええん、エース君ひどいよぉ!」
木村英介(泣いた!?)
木村英介(えーと・・・どうすれば)
ムッツリ星人「任せるのじゃ」
木村英介「うっ・・・!?」
木村英介(身体が・・・言うことを、聞かない!)
ムッツリ星人「君は変じゃない──(ボソッ」
木村英介「き、君は変じゃない!」
ムッツリ星人「ミステリアスで魅力的で──」
木村英介「ミステリアスで魅力的で!」
ムッツリ星人「見つめてると心が萌え萌えキュンキュンするんじゃ!」
木村英介「見つめてると心が萌え萌えキュンキュンする──!」
  ・・・
木村英介(──ちょっと待て!)
木村英介(僕に、何を言わせるんだコイツ!)
シオン「えーと・・・それってぇ・・・」
シオン「シオンに”愛の告白ぅ”?」
木村英介「──っ!」
シオン「えへへへ・・・♡」
シオン「照れちゃうなぁ♡」
シオン「シオンいっぱいお客さんにぃ、告白されたけどぉ、・・・」
シオン「エース君の告白はぁ、とってもシオンのこと思ってるのが伝わってキュンとしちゃったぁ♡」
ムッツリ星人「ムフフフ・・・やったな青年よ」
ムッツリ星人「これで”フラグ”は立った」
ムッツリ星人「──というわけで、ワレは姿を消して、 遠くからお主等の様子を観測させてもらう」
ムッツリ星人「サラバ──!」
木村英介(待て、フラグってなんだよ!)
木村英介「帰る!」
シオン「あっ! 待ってぇ♡」

〇黒背景
  ・・・

〇シックなバー
シオン「えへへ、行っちゃダ〜メ♡」
木村英介「・・・」
  連れ戻された・・・。
  6話 『電波ちゃん』

〇シックなバー
シオン「エース君、あーんしてぇ♡」
木村英介「・・・」
シオン「いやなのぉ? (半泣き)」
木村英介「あ、あーん・・・」
木村英介(どうしてこうなった・・・)
シオン「ねぇねぇ」
シオン「今のシオンも、””萌え萌えキュンキュン”するぅ?」
木村英介(やめろ言うな、心にダメージが、・・・)
???「ちょっとお客さーん」
久我ローズ(店長)「ウチの従業員を口説くのは ルール違反よぉ!」
  久我ローズこと、本名──久我婆娑羅
  現在彼は、この店『BARゴシックガール』の店長をしているが、過去は──
  各地の戦場を戦った伝説の傭兵である
久我ローズ(店長)「あんた出禁にするわよ!」
木村英介「いや、その・・・」
シオン「あ、”パパー”♪」
木村英介「ブフーーーーー!!」
木村英介(いや待て落ち着け)
木村英介(パパというのは唯の呼び名かもしれない)
久我ローズ(店長)「おいどこの馬の骨ともしれんクソガキ」
久我ローズ(店長)「オレの娘に手を出して唯ですむと思うなよ」
木村英介(あっ・・・これ実の親子だ。 終った・・・)
久我ローズ(店長)(よく見たら、この客の身体・・・)
久我ローズ(店長)(一般人より鍛えられてるし、それにムダがない・・・)
久我ローズ(店長)(だとすればもしかして・・・)
久我ローズ(店長)「あんた、もしかして自衛官?」
木村英介「っ・・・」
久我ローズ(店長)「やっぱり、だとしたら──」
シオン「もぉ~! パパ邪魔ぁ!」
シオン「あっち行ってて!」
久我ローズ(店長)「そんな、シオンちゃん・・・」
久我ローズ(店長)「パパは貴方に悪い男がつかないようにしてるだけなのよ!」
シオン「パパ〜?」
久我ローズ(店長)「くっ・・・わかったわよぉ(シクシク)」
木村英介「・・・」
シオン「それじゃぁエース君、続きを・・・」
シオン「あーんしてぇ♡」
木村英介(気まずっ!)

〇シックなバー
常連客(くっそー! なんなんだよあのガキ!)
常連客(俺のシオンちゃんに好かれやがって!)
常連客「店長、アレいいんすか!?」
久我ローズ(店長)「・・・◯す」
常連客「えっ?」
久我ローズ(店長)「ゼッタイ◯してやるゥ!!!」
常連客「ヒェっ」
常連客(今の店長には触れない方がいいな)

〇シックなバー
シオン「ねぇねぇ、美味しぃ?」
木村英介「美味しかったよ」
シオン「良かったぁ、 シオンの手料理なんだぁ」
木村英介「えっ、君料理できたの?」
シオン「勿論できるよぉ! 馬鹿にしてるでしょぉ!」
木村英介「ごめん、悪かった」
木村英介(そうか”手料理”か・・・)
木村英介(もしも”ホール”の向こうに潜入したら)
木村英介(ずっと食べる事もできない・・・)
木村英介「行きたくないな・・・(ボソッ」
シオン「行かなくていいんじゃないかなぁ」
木村英介「えっ・・・?」
シオン「うん、きっとそう!」
シオン「エース君は行きたくない場所に行かなくてもいいよぉ」
木村英介「それは”責任”を放棄することになったとしてもか?」
木村英介「例えば今君はこの店で働いてるけど、」
木村英介「嫌になったら急に出なくなるのか?」
シオン「うーん・・・ そう言われると難しいけどぉ・・・」
シオン「無理してるとぉ、 シオンがシオンじゃ無くなる気がするぅ」
木村英介「それは要するに自分が壊れるって事?」
シオン「そう、それ!」
シオン「正確にはその人の”魂”が壊れちゃうのぉ!」
木村英介「・・・」
木村英介(”電波”を受信し始めたか・・・)
シオン「ねぇ聞いて!」

〇黒背景
シオン「魂はねぇ、 普段は人それぞれの色の輝きを放ってるの」
人の魂「イェーイ絶好調!」
シオン「だけどぉ・・・」
人の魂「グハッ・・・」
人の魂「うーん・・・なんたが調子悪い、 もう無理・・・」
シオン「追い詰められたり、ストレスが溜まると」
シオン「魂が輝きを失って脆くなっちゃうのぉ」
シオン「そしたら・・・」
死神「弱っテル魂、ミーツケタ・・・」
死神「イタダキマース!」
シオン「これがぁ”死神”──」
シオン「死神は弱った魂を餌にして食べるの・・・」
シオン「そして食べられちゃった人はぁ、 廃人になっちゃうか、自分の命を断つの」
シオン「シオンにはそれが眼帯で隠してる方の眼で”視えてる”」
シオン「けど何もすることができないのぉ・・・」
シオン「うう・・・」
シオン「うえええん、死神さんのバカバカぁ!?」

〇シックなバー
シオン「だからぁ、あの時エース君を見つけて保護しなきゃって思ったのぉ」
木村英介「そうか・・・」
木村英介「因みに僕の魂は君にはどんな風に視えてるんだ?」
シオン「えーとねぇ・・・」

〇川沿いの公園
  エース君を視た時はぁ、”打ち上げ花火”のような魂だったなぁ・・・
シオン「綺麗ぇー・・・」
シオン「あんな魂初めてぇ・・・」
  けどね・・・
死神「綺麗・・・魂・・・もうすぐ”消える”」
死神「早く消えろ・・・食べたい・・・食べたい」
シオン「大変! ほっとくとあの人食べられちゃう!」

〇シックなバー
シオン「──って感じだったんだぁ」
シオン「だからぁ、エース君はシオンが側にいれば、死神さん達に食べられなくてすむんだよぉ」
木村英介「──黙れ・・・」
シオン「・・・えっ?」
木村英介「成る程な・・・」
木村英介「君はそうやって”荒唐無稽”な事を語って客の不安を煽り──」
木村英介「自分に会いに来るように仕向けて店の売上にしようとしてるんだな」
シオン「えっ・・・違うよぉ、 シオンは本当に視えてるんだよぉ?」
木村英介「・・・」
木村英介「君は”奴ら”と同じだ・・・」
木村英介「軽蔑する・・・じゃあね、コレ会計」
シオン「ねぇ! 待ってエース君!」
久我ローズ(店長)「シオン・・・どこへ行く気?」
シオン「パパ・・・」
シオン「えーと・・・さっき出ていったお客さんを追いかけに行ってくる」
久我ローズ(店長)「ダメよ」
シオン「どぉしてぇ!?」
久我ローズ(店長)「・・・言いたく無いけど」
久我ローズ(店長)「あの男の子だけは絶好にダメ」
シオン「エース君はいい人だよぉ!」
久我ローズ(店長)「でしょうね」
久我ローズ(店長)「貴方の”能力”は把握してるから、言ってる事は信頼してる」
久我ローズ(店長)「けどダメよ、」
久我ローズ(店長)「この”恋愛”は応援できないわ」
久我ローズ(店長)「シオン、パパの願いは──」
久我ローズ(店長)「貴方が将来幸せになること──ただそれだけ」
久我ローズ(店長)「だけど、さっきの男の子にはそれが無理」
久我ローズ(店長)「何故なら、彼は大勢の人の為に働くけど──」
久我ローズ(店長)「いざという時は、シオンの側に居られないわ」
久我ローズ(店長)「立派な人だけど、 親として、そんなの見過ごせないわ!」
シオン「そんな・・・」
シオン「だけどぉ・・・」
シオン「シオンはやっぱりエース君を放っておきたくないのぉ!!」
久我ローズ(店長)「シオン──!」
久我ローズ(店長)「・・・」
常連客「シオンちゃん、行っちゃいましたね」
久我ローズ(店長)「・・・」
常連客「けど店長、ご安心を──」
常連客「俺がシオンちゃんを幸せにします! ずっと側にいます!」
常連客「だから・・・俺にシオンちゃんをください、お義父さん!」
久我ローズ(店長)「・・・」
久我ローズ(店長)「貴様、◯すぞ?」
常連客「すんません、調子に乗りました、 ごめんなさい!」
久我ローズ(店長)「・・・」
久我ローズ(店長)(『渋谷紛争』とかなんかが起きてから世の中不安定になった・・・)
久我ローズ(店長)(だからこそ、娘をいつでも守ってくれる人と一緒になって欲しいの)
久我ローズ(店長)(シオン・・・その事を分かって頂戴)
  続く

次のエピソード:6.5話 魂の形

コメント

  • なかなか戦地に行きませんね。戦地はまだか。
    シオンの能力は本物…けどまあ、信じていない人間からすれば胡散臭いことこの上ない。
    彼女は戦えるキャラクターでは無さそうですが、魔法を学んだりするのかな。向こうの民の血が入ってたりして。想像を掻き立てられます。

  • わあ、ムッツリ星人お久しぶり〜!
    冒頭から(・∀・)ニヤニヤしちゃいました。
    シオンちゃんの実のお父さんがローズなのも面白かったです。(タケオの更新が待ち遠しいですが😁)
    あと電波は本当なんですね。
    しかも魂が死神に狙われている?
    どうなる木村!?先が読めない〜!

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