店主と流行り病

ぽむ

エピソード56(脚本)

店主と流行り病

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店主と流行り病
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〇奇妙な屋台
謎占い師さん「こんにちは」
メイ「こんにちは〜」
ユイ「あれ?店主さん、いないの〜?」
謎占い師さん「ええ・・・体調不良でして。 お休みをいただいてます。 代わりに私が店番をしているわけです」
「えー!?」
ユイ「珍しい・・・」
メイ「きょうは、 前に店長にもらったお菓子レシピで 上手くできたから 渡そうと思ってたのに〜」
メイ「はい!占い師さんにも!」
謎占い師さん「ありがとうございます。 美味しそうですね」
ユイ「店主さんにも食べてもらいたかったな〜」
メイ「そうだ! お見舞いに行くってどう?」
ユイ「えーでも、店主さんて、どこに住んでるの? 占い師さん知ってる!?」
謎占い師さん「知ってますよ。 すぐそこですから・・・」
謎占い師さん「店主のところへ行くのなら、 ついでにこれを渡してくれませんか?」
謎占い師さん「店主に借りたものなのですが、 渡しそこねてしまって。 中は絶対に開けないでくださいね」
謎占い師さん「ワタクシ店番で 動けないものですから・・・」
メイ「わかりました〜 行ってみますね!」
謎占い師さん「はい、地図と鍵、それと手紙を 渡しておきますね。 公園の奥に門がありますので、 この鍵で開けて進んでください」
ユイ「わっ、箱が光った!」
謎占い師さん「えっ」
謎占い師さん(まさか・・・彼女は)
謎占い師さん「コホン。では、よろしくお願いしますね」
「はーい!」

〇貴族の部屋
ヤマト「・・・」
ヤマト「どうしたら目を覚ますのか・・・」
フミト「おやおや。 まだ悩んでいるのですか?」
ヤマト「そりゃそうさ。 返事もしないし反応もないんだ。」
フミト「マッチョ族の奴らから 彼女を手に入れただけでも 良いでしょう? 満足できないんですか?」
フミト「彼女は、彼らの長。 女王なのですよ」
ヤマト「彼女を手に入れただけでは、 意味がない。 彼女を起こして鍵を聞き出さないと・・・」
フミト「ええ、楽園への鍵。 この世と楽園をつなぐ鍵を 持っているのは、彼女のみ。」
ヤマト「そう、この世の全てを統べる鍵。 願い事は全て望み通り」
フミト「マッチョ族なら目覚めさせる方法を 知っているでしょうに」
ヤマト「マッチョには頼みたくないんだ。 これは俺のプライドだ」
ヤマト「俺たちは国を統べる魔法使いだ。 あんな頭まで筋肉の奴らに この国まで支配されてたまるもんか」
フミト「やれやれ」
ヤマト「実はな、あの王子を弱らせて 聞き出す作戦を実行してたんだ。」
フミト「作戦?」
ヤマト「そう今頃、王子は病にふせってるはずさ」
ヤマト「治すには、この薬しかない。 欲しがるところで、 交換として聞き出すんだ」
フミト「うまくいきますかねぇ」

〇華やかな広場
ユイ「えーと、公園の奥のゲートをくぐって さらに奥へ・・・」
メイ「公園の奥に、こんなところがあったなんて 知らなかったよ」
ユイ「これ、何が入ってるんだろうね・・・」
メイ「ダメダメ!開けちゃダメって 占い師さんが言ってたじゃない!」
ユイ「うふふ、冗談よ〜 わかってるわよ〜」
メイ「もー!ユイちゃんたら〜」
ユイ「アハハハ」
メイ「何だか霧が出てきたわ。 急ぎましょう」

〇立派な洋館
メイ「すっごーい! このお屋敷が店主さんのお家なの!?」
ユイ「でも地図にはココって 書いてあるけれどね」
ユイ「どっか、隅の方の部屋とか だったりするんじゃないの?」
メイ「とにかく、行ってみようよ」

〇洋館の廊下
  ギィィィ
メイ「こんにちは・・・」
ユイ「ジュウタンがフッカフカ」
執事「こんにちは、お嬢様方。 きょうはどんなご要件で?」
「わっ! びっくりした!!!」
執事「ワタクシはこの屋敷の執事、 アルファードです」
ユイ「ど、どうもこんにちは。 店主さんに会いに来たらここって」
ユイ「そうだ、借りてた箱を渡してくれって 頼まれてたわ」
  地図と手紙、預かった箱を渡した。
  ペラッ
  執事は手紙を一読して納得したような
  顔をした。
執事「事情はわかりました。 さあ、奥へどうぞ」

〇豪華なベッドルーム
  キィ パタン。
  後ろ手にドアは閉まった。
メイ「・・・」
メイ「店主さん?」
執事「もう御主人は「眠り病」という 流行り病で 3日も眠り続けていましてね・・・」
ユイ「ええ!」
執事「昔なら栄養が取れず衰弱して死に至る病だったのですが、今は栄養は取れるので ただ眠りつづけているだけなのですが」
執事「あの薬があれば すぐ治るのですが・・・」
メイ「あの薬?」
執事「その薬はマッチョ国の隣、 「マジョルーカ帝国」にしか 咲かない花でしか取れない薬でして 、手元にないのです」
執事「ワタクシはここを離れるわけには行かず・・・」
メイ「わかった! わたし取ってくる!」
ユイ「メイは、またそんな無茶なことを〜」
ユイ「はっ!」
メイ「どうしたの?ユイちゃん」
ユイ「いま、店主さんが目を開けたような・・・」
執事「なんですと! 御主人!御主人!聞こえますか!」
  ・・・
執事「・・・だめですね。眠っています」
ユイ「え・・・でも・・・」
  ユイは店主の手をとった。
ユイ「わかったわ。 村に行きましょう」
メイ「ユイちゃん?」
ユイ「なんかね、店主が教えてくれたの。 前にお祭りで行ったあの村になら その花が咲いているって」
メイ「わかった!行こう!」
執事(この娘は、店主と同じ、いや 姫と同じ力をもっている!?)
執事「わかりました、よろしくお願いします」

〇駅のホーム
  ビリリリ
ユイ「急ごう!」

〇森の中の駅
ユイ「勢いで来ちゃったけど」
クマコさん「よく此処までおこしで〜」
ユイ「クマコさん!」
クマコさん「かいじゅうこちゃんから 連絡いただきました!」
クマコさん「さ、村に参りましょう!」
ウマ「ヒヒーン」
  パカラッパカラッ

〇寂れた村
かいじゅうこちゃん「やっはろー ひさしぶり〜」
ユイ「かいじゅうこちゃん! お祭り以来だね〜 会いたかった〜」
メイ「あのね、お菓子を作ったんだ! みんなで食べて〜」
かいじゅうこちゃん「わー美味しそう!ありがとう!」
「エヘヘ」
かいじゅうこちゃん「そうそう、例のお花? こっちで栽培してるよ! 来てきて〜」

〇植物園の中
かいじゅうこちゃん「はい!」
かいじゅうこちゃん「このツボにたっぷり詰めておいたからね!」
ユイ「ありがとう!すごい助かっちゃう!」
メイ「この村はすごいね! なんでもあるね!」
かいじゅうこちゃん「エヘヘ〜 みんなのおかげだよ〜」

〇森の中の駅
かいじゅうこちゃん「えーん もう帰っちゃうの〜」
メイ「店主さんを早く治してあげないと いけないの〜」
ユイ「また次のお休みに来るよ〜 そのとき一緒に遊ぼうね」
かいじゅうこちゃん「うん、わかった〜 美味しいもの用意して待ってる〜」
「またね〜」

〇豪華なベッドルーム
執事「みなさま ありがとうございます」
店主「ありがとう君たち! お陰で目が覚めたよ!」
ユイ「なんかいつもと違う〜 へんなかんじ〜」
メイ「はい!私達が作ったの! 食べてね!」
店主「うわぁ!素敵!」

〇貴族の部屋
ヤマト「あっ」
ヤマト「なんでアイツ元気になってんだ!? 薬も取りに来てないのに!?」
フミト「アッハハ また失敗だな」
ヤマト「ちくしょう!こうなったら! 街のやつ全部に眠り病にしてやるぞ!」
フミト「やれやれ、およしなさいよ」

〇奇妙な屋台
ヤマト「来たぜ。 あとはこのビールス入りの 袋をぶちまければ・・・」
  留守にしています
  店主
ヤマト「あれ?アイツ留守か?」
メイ「こんばんわ!」
  ドキドキ
ヤマト「あ、あれ? きみはどこかで合ったっけ?」
ヤマト「・・・?」
メイ「よかったら、これどうぞ! 私が作ったの!」
ヤマト「ありがとう、いただくよ。 モグモグ・・・」
ヤマト「う、うまい! もう一個・・・」
メイ「ウフフフ」
ヤマト(ま、きょうの所は やめておくか・・・)
ヤマト「うまい! もう一個!」

コメント

  • ひさびさの店主さん登場〜⭐︎クマコさんもかいじゅうこさんも元気そうです⭐︎あんなに美味しそうなお菓子⭐︎食べたら恋しちゃいますよね⭐︎ふわふわ⭐︎ほっこり⭐︎癒されました⭐︎

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