自動販売機合い

『』

ペプシドコーラ&ブラックコーヒー(脚本)

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〇街中の道路
伊藤 りょうすけ「お、遅れて申し訳ない! 会議が長引いてしまって」
相澤 なぎさ「いえ、私も今きたところなので」
伊藤 りょうすけ(なんて綺麗な人なんだ・・・)
伊藤 りょうすけ「あの、オレンジジュースお好きなんですか?」
相澤 なぎさ「それほど。好きな飲み物がなかったので、とりあえずこれにしようかなって」
相澤 なぎさ「・・・ぷっ」
伊藤 りょうすけ(わ、笑われた・・・)
相澤 なぎさ「ごめんなさい。朝でもないのにコーヒー飲んでる人、初めて見たので」
伊藤 りょうすけ(か、かわいい・・・!)
伊藤 りょうすけ「いえ、ここはそういう場かなと思って」
相澤 なぎさ「気を遣わなくてもいいですよ。好きなもの飲んでください」
相澤 なぎさ「だって、100円ですから」
相澤 なぎさ「自動販売機っていいですよね。どこにでもあって、いつでも好きなものが100円で買えて」
伊藤 りょうすけ「少し、安心しました・・・」
相澤 なぎさ「なにがですか?」
伊藤 りょうすけ「断られると思っていたので。 ITマンかやり手の営業マンに見えると言われるんですが、実際はその半分にも満たない年収の男です」
伊藤 りょうすけ「なので初めてのデートがこんな場所なんて、女の人は驚くだろうと思いました」
相澤 なぎさ「驚きはしましたけど、べつに嫌じゃなかったですよ?」
相澤 なぎさ「会話なんてどこでもできるじゃないですか。大事なのはそこで過ごす時間だと思います」
相澤 なぎさ「私は今、すごく楽しいです。それでいいとおもいませんか?」
伊藤 りょうすけ「あなたの言う通りだ。 なぜ僕はこんな見栄なんか張っていたんだろう・・・」
伊藤 りょうすけ(いましか言えない! 言うんだ、俺!)
伊藤 りょうすけ「お、俺と・・・ブラックコーヒーと新しい味に混ざりあってくださいませんか・・・!」
相澤 なぎさ「なにそれ・・・」
相澤 なぎさ「わたし、ペプシドコーラ派ですよ」
相澤 なぎさ「それでもいいなら、よろしくお願いします」
伊藤 りょうすけ「構いませんよ。どっちもおいしいですから」
「はいカアアアアット!」

〇撮影スタジオ
「ありがとうございましたー」
監督「二人ともよかったよー。これで今年も売り上げ間違いなし!」
監督「最近は炭酸ガールもオレンジ娘も人気が低迷しちゃってるから、新しいものを始めなくちゃいけなかったけど」
監督「婚活に絡めた商品宣伝、間違いなかったね! うんいや僕天才! ははは!」
伊藤 りょうすけ「なあ、お前本当にペプシドコーラ好きなのか?」
相澤 なぎさ「はあ? なわけないでしょ」
相澤 なぎさ「オレンジジュースよ・・・悪い?」

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