二七月(脚本)
〇開けた交差点
もう二十歳か
未夏「はいっ」
大人になったもんだ
未夏「さよならっ」
さよなら 未夏
そして僕らは交差点で別れた。
いい笑顔だった。
晴々しく、元気に手を振って、
JKのときに初めて会って、
2年経ったんだ。
〇川に架かる橋
体の大きい赤髪の女性と、
小柄で薄い水色の、
髪はツインテール低い位置で
そんな長くない眼鏡の女性。
ビーチパラソルで
丸テーブルの簡易席を
町中の橋のたもとわきに
設置したようなところで二人して話して
赤髪の女性「みつあみこうえん」
(今行こう?ふっかつのいこう?)
水髪の女性「絶対あんよっ」
(あいす?ありよ?)
水髪の女性「一緒に行こうっ」
水色髪の女性の方が
「一緒にいこう」って言って
赤髪の女性は、
仰向けに寝てしまっていて
手を両腕伸ばして、
赤髪の女性「ハグして」
赤髪の女性「っていいね」
赤髪の女性「うふっ」
赤髪の女性「うっうっううっうっ」
と、込み上げて泣いてしまう。
ツインテールで昔のアイドルのような
屈託のない水髪の子は、
赤髪の女性の手をとって、
水髪の女性「行こっ」
〇水たまり
凍った水面にいると下から
鯨が跳ね上がってくるような神社?
〇お土産屋
店員「じゃあ、水無月堂継いでくれる?」
カンゾウ「えっ、いいよっ」
カンゾウ「・・・えっ、何これっ」
店員「軽っ」
って、二人して笑っちゃったけど、
その子も冗談ぽく言ってくれたけど、
その子の家の家業を
「継いでくれる?」って
それって告白飛びこえて
一緒になるってことで、
俺も軽く答えたけど、
その子のことは本当に好きで、
まだ会ってこれで三回目だけど、
関係ない。
その子も思ってくれてるし、
いい天気で、
その子の明るさと、爽やかな、
眩しいその一瞬があまりにもよくって、
でも、二人とも悲しいことがあって、
身内を亡くしたとか、
俺も同じように、それと
〇諜報機関
ああ(その前)、ネジが落ちた。
タブレット分解して直してるところに
机にぶつかられて、
叔父系の知り合いかな、
カンゾウ「ああ、いいよ、取るから自分で」
って言って、
机と机の隙間奥に落ちちゃって
カンゾウ(小さい部品だから見つかるかな)
ってのが本音なんだけど
(机の上も部品でかなり散らかってる)
カンゾウ(重要なところじゃなければ いいんだけど)
ただ、後にそれが
不幸中の幸いというか、
〇幻想2
きっかけになって転じて、
大きな福になって
思わずその人に会ったら、
その節はありがとうございました
って言いたくなっちゃう。
〇お土産屋
ああ、でも本当に、
家業だって継いだっていいし
その子と一緒になりたいのは本当。
その子も辛かったら
背中をさすってあげたい。
〇ゆめかわ
鳥「これは絶対終わらせるべきではない」
鳥「雰囲気的には 最後まで完成させるべき」
鳥「金平糖でつくる」
鳥「カラフルなツリータワーみたいの 積み上げてとか」
〇神社の本殿
メイド(よみきりのらいにち)
夜見切りの雷日
悪縁を断ち切ろうか
不運の未夏もとからさ、ってね
〇幻想3
ダイヤモンドファンタジー
チームマネージャーに
映像見せてもらって、
振り返り?
フィードバックか何かしてもらっ て
一通り見て、
女性「これでもういい?」
って聞かれて、
はい、大丈夫です
女性「早っ」
あんまり時間もらっても悪いんで
女性「それはいいんだけどさ」
って──
そのファイナルダイヤモンド見たら
消えたんですよ、悪縁が。
〇体育館裏
よくわかんない生物が足元にいて、
ゲームの中?
青い草地、
狭いフェンスと建物の間通って
ドーム型の、いくつか足元に、
他の種類もいたかな
そこを仲間と通過しようとすると、
何かが顔の付近に飛んできて
ウワッと手で払って、
〇本棚のある部屋
──起きて、
眠れなくて、最初・・・
〇古びた神社
白猫「何で恋は破れるの?」
黒猫「その先に」
黒猫「別の未来があるからだよ」
〇会見場
引退の発表。
灰紫の短めの毛並みの犬種。
老「つらくってもちゃんと見て」
老「言わないと駄目です」
その犬自身がマイク使って
犬「さようなら」
犬「さよなら、未夏さん」
犬「本当に好きだった」
犬「本当に好きだった」
犬「君を幸せにしたかった」
〇仮想空間
未夏「わかります、ごめんなさい」
未夏「ありがとう」
未夏「ホクロ、育てたかったな」
〇会見場
犬「こちらこそ」
犬(左脚のホクロに愛情注ぎたかった)
犬(苦行じゃないよ)
カンゾウ「すてきな思い出をありがとう」
カンゾウ「って言うにはつら過ぎるけど」
カンゾウ「悲しいけど、絶交するね」
カンゾウ「えんがちょきーったっ」
〇会見場
カンゾウ「でも、未夏さんに悪いものが ふりかからないように」
カンゾウ「偽善でも何でもいいから 子供のときみたいに」
カンゾウ「バリアーッ!」
カンゾウ「未夏さんに バリアを張ってあげて下さい」
カンゾウ「神様、お願いします」
カンゾウ「いい子なんです・・・」
カンゾウ「あーっ」
カンゾウ「せいせいしたもんねっ」
(^w^)
カンゾウ「ばいばい!」
おしまい○