花姫様と最強の冷徹騎士様

ちゅるちゅるめん

花火大会(脚本)

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〇古風な和室(小物無し)
蝶ケ夜胡桃「ごめんね、アレグラット。お父さんが調子にのってあんなこと言っちゃって・・・」
アレグラット「いえ、少々驚きましたが・・・気にしていないので」
アレグラット「それより、シャイローゼ様は?」
蝶ケ夜胡桃「今、浴衣に着替えている途中だよ。でももうそろそろ終わる頃じゃない?」
使用人「お嬢様、シャイローゼ様のお着替えが終わりました」
蝶ケ夜胡桃「わかったわ、ありがとう」
シャイローゼ「あ、あの。やっぱりもとの格好の方がいいんじゃ・・・」
使用人「大丈夫です!とってもお似合いですよ」
シャイローゼ「え、えっと・・・どうかな?」
蝶ケ夜胡桃「凄い!めっちゃ似合ってる!それに新鮮~!」
シャイローゼ「あ、ありがとう・・・。アル、どうかな・・・?」
アレグラット(綺麗すぎて、女神に見えた。なんてことは言えない。けれど、)
アレグラット「とても良くお似合いですよ。自信を持ってください」
シャイローゼ「ありがと・・・やっぱ照れるね・・・」
使用人「さぁさ、次はアレグラット様の番ですよ!我々使用人がお手伝いするので、どうぞこちらへ!」
アレグラット「え、自分も・・・ですか?」
蝶ケ夜胡桃「折角だし、着替えてきなよ!それが終わったら多分花火の一時間前くらいになると思うし」
アレグラット「・・・では、お言葉に甘えて」
シャイローゼ「行ってらっしゃい!」
アレグラット「いって参ります」

〇大きな日本家屋
アレグラット「お二方、お待たせしてしまい、申し訳ありません」
蝶ケ夜胡桃「おおーっ!アレグラット、凄い似合ってるよ!」
シャイローゼ「ええ、本当に!やっぱり着替えさせて貰えてよかったわね!」
アレグラット「はい。貴重な体験です」
蝶ケ夜胡桃「じゃあ行こっか!ここからすぐだからすぐ着くよ!」

〇城下町
シャイローゼ「わぁ・・・綺麗な町並みね!」
蝶ケ夜胡桃「うん、ホント!私も来るの久々だなぁ!」
蝶ケ夜胡桃「あ、あっちに射的があるわ!やりましょ!」
アレグラット(射的・・・)
店主「おぉ、これはこれは胡桃様じゃありませんか!それに可愛いお嬢さんと面のいい旦那もおる!」
シャイローゼ「えへへ、ありがとうございます!」
店主「どうだい?旦那。お二人のために景品取ってかないかい?」
蝶ケ夜胡桃「あら、良いじゃない!アレグラット!やってみてよ!」
アレグラット「え、でも自分はやったことがないので・・・」
シャイローゼ「こういうのはチャレンジよ!あ、私はあそこのお菓子が欲しいな♪」
「おーねがい!」
アレグラット「・・・店主さん、1回分お願いします」
店主「あいよっ!」
アレグラット「どうやって使うんですか?」
店主「この弾を詰めてからこの部分を引いて、その後構えて打つだけだ!さ、カッコいいところ見せてくれよ!」
アレグラット(打つだけって・・・でもまぁ、)
アレグラット(自信はあるな)
アレグラット(あのお菓子なら・・・ここだ)
店主「こりゃすげぇ・・・初めてなのに1発で落とすとは!兄ちゃん、やるねぇ!」
店主「ほれ、そこのピンク髪のお嬢さんの分だろ?」
シャイローゼ「はい、そうです!」
シャイローゼ「アル!ありがとう!」
アレグラット「いえ、喜んでいただけたのなら良いんです」
蝶ケ夜胡桃「じゃ、次は”あれ”当てて欲しいなぁ!」
店主「ハハハハハッ!胡桃様、結構な無茶を言いますね!」
アレグラット「あの小指の先程のもの、ですか・・・?」
蝶ケ夜胡桃「うん!あれに当てればこの後の花火を最大4人で特等席で見られるのよ!」
シャイローゼ「わぁ、素敵!」
店主「ククッ、ここまで来たら兄ちゃんも後戻りできないなぁ!頑張って取ってくれよ!」
アレグラット「・・・久々ですが、頑張ります」
店主「さすがに当たらねぇか?なんならハンデをつけても──」
蝶ケ夜胡桃「大丈夫よ!店主さん!」
シャイローゼ「えぇ、だって私の騎士様は昔3キロはなれたところから”本物”を使って的に当てたんだもの!」
アレグラット「──良かった、鈍ってはなかったようです」
店主「これゃあすげぇなぁ!兄ちゃん!景品だ!楽しんでこいよ!」
アレグラット「景品・・・?あ」
アレグラット「花火の特等席だそうです」
蝶ケ夜胡桃「ホント?やったわね!人数は・・・」
シャイローゼ「4人までって書いてあるわ。なら大丈夫ね!」
アレグラット「じゃあ店主さん。僕たちはこれで」
店主「おや、もういいのかい?・・・ってあぁ、もうそんな時間か。じゃあな!年に1度のビッグイベントだ。楽しんでこいよ!」
シャイローゼ「さよなら~」
蝶ケ夜胡桃「さて・・・じゃあ時間にまだ余裕はあるけど、早めに行きましょうか」
シャイローゼ「そうね、ゆっくり行きましょ」
???「ちょっと・・・やめてください!」

〇城下町
???「僕、お金はそんなに持ってないですから・・・」
チンピラ「んだと?チッ・・・使えねー奴だな」
チンピラ「じゃあその代わりに俺らのサンドバックになれよ!」
???「えっ!?それはやめてほしいです・・・」
チンピラ「やめろって言われてやめる奴がいるかよ!オラァァ!」
アレグラット「その辺にしておきましょう」
チンピラ「んだと?誰だてめぇは・・・」
蝶ケ夜胡桃「アレグラット。私の友人よ」
チンピラ「ヒッ!?く、胡桃様・・・」
蝶ケ夜胡桃「見てしまった以上は見逃せないわ。兵の皆さん!この人たちを地下牢へ」
兵「はっ!」
シャイローゼ「ねぇあなた。大丈夫?怪我はしてない?」
???「はい・・・ってあ!あなたは・・・ムグッ」
アレグラット「・・・一般の人たちもいるので・・・できれば黙っておいていただけると助かります」
???「あ、それもそうですね・・・」
蝶ケ夜胡桃「ここは人が多くて話しにくいわ。花火大会の特別席なら人は少ないし、そっちで話しましょ」

〇池のほとり
ノンヴィティエス「改めて・・・さっきは助けてくれてありがとう。僕は『ハルルク・ノンヴィティエス』」
蝶ケ夜胡桃「ハルルクって・・・あ!ヘイサール王国の王家の名前だった・・・あ、でしたよね?!」
シャイローゼ「それに・・・ノンヴィティエス様って、ついこの前に保護されたばかりでは・・・?」
アレグラット「護衛を連れていないというところを見るに・・・お忍びですか?」
ノンヴィティエス「まぁ、そうなるね・・・実は僕も2学期から君達の通う”ガルパナ”に通うことになっているんだ」
ノンヴィティエス「その手続きと同盟を深めるためにこの国に来たっていう感じだね。でもここで祭りをやってるって聞いたからつい来てしまったんだ」
蝶ケ夜胡桃「”つい”で済まされることではないと思うのですが・・・」
ノンヴィティエス「あ、それと・・・敬語で話さなくて良いよ。そういうのは苦手でね」
蝶ケ夜胡桃「ですが・・・」
アレグラット「申し訳ありません。自分のこの口調は癖みたいなもので・・・お許しいただければと」
ノンヴィティエス「そっか・・・残念だけどそういうことなら仕方ないか」
シャイローゼ「わかったわ。じゃあえっと・・・ハルルク?で良いかしら?」
ノンヴィティエス「うん、好きに呼んでね。ありがとう!」
蝶ケ夜胡桃「じゃあ、私もそうさせてもらおうかしら。堅苦しいのはあまり得意じゃないのよ」
ノンヴィティエス「胡桃さんもありがとう!」
アレグラット「これから共に学園に通う者同士として、互いに頑張りましょう」
ノンヴィティエス「うん、よろしく!」

〇花火
シャイローゼ「凄い・・・見たことのない美しさだわ・・・!」
ノンヴィティエス「うん、凄く綺麗だ・・・いつまでも眺めていたいよ」
アレグラット「こんな技術が昔からあるとは・・・驚かされます」
蝶ケ夜胡桃「確かこれは500年ほど前にここの地域で作られたもののはずよ」
蝶ケ夜胡桃「当時は色の種類が少なかったみたい。でも段々こうやってカラフルになっていったみたいよ」
ノンヴィティエス「それは深い歴史だね。ずっと守られてきたんだ・・・」
ノンヴィティエス「ていうか、そろそろ帰らなくちゃな・・・衛兵達に気付かれちゃうし」
アレグラット「では、私たちもここら辺で失礼しましょう」
シャイローゼ「そうね、お兄様達が心配するわ」
蝶ケ夜胡桃「今日は楽しかったわ。また2学期に会いましょう!気を付けて帰ってね」

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