ミナツキ

但馬感象

二六月(脚本)

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〇本棚のある部屋
カンゾウ「出た」
カンゾウ「いじめんでないよーっ」
  て言いつつ、うれしい
  未夏さんとこんな戯れられるなんて
  未夏さんが手をこっちに向けて
  つなぐようにしてくれて
  上に向けた未夏さんの右手に手を重ねて
  隣り合って胡坐かいて寄り添って──
カンゾウ「え、死んだ?」
  TV画面に映し出してる
  ブラウザゲームか何か
  未夏さんが「こうしてね」って
  指示してくれるのを、
  間違って閉じちゃって
カンゾウ「あっ」
未夏「死んだ」
カンゾウ「えっ」
未夏「ウソウソ、そんなことないよー」
カンゾウ「だよね」
  って驚かされて、
  俺も仕事柄そういう知識あるのに
  わからない感じで、
  甘えたいんだな
  仕返しに未夏さんの膝をフワァッて
  指先でくすぐったくしちゃおうか。
  まだ朝早いけど、今日一日
  こうして一緒にいれるのかな
  というか、これ、
  付き合ってくれてるのかな。
  白いWiFiアイコンみたいなの
  消しちゃったけど
  未夏さんフォローして、
  その後してくれる感じかな。
  手汗で湿った手、懐かしい
  にこやかに接してくれて
  好きだった未夏さんだ。

〇血しぶき
  よく生きていられてるなっていう状態で
  手術を繰り返している状態
  事故のその場で手術して
  縫合して次の手術 消毒もクソもない
  それが一人や二人じゃない
  皮剥いだ桃色の肉が見えて
  守るために寝袋のようなもので包んでる
  口だけのぞいて
  サンドワームイーターみたい
  俺だって実質は同じようなもんだ
  つなぎとめてるだけ

〇ソーダ
  ウサギの金色のロゴが大きく
  胸にプリントされた白のトレーナー
  それが左右にあって向き合ってるのかな
  隠れて左胸側が見えないけど
  で、右胸側を見ると、
  白茶混じり毛のリアル画になって
  耳が離れてないっていうか・・・
  って、どういうこと?
  垂れてる?
  揉む揉む?
  (揉めば乳首よろしく立って?)

〇アパートのダイニング
  眼鏡して、鼻がゴリラみたい。
  穴が横に広くて、
  まぁ、未夏似?
  未夏似かな・・・
  口ポカッと開けて、
ロキ「何回も言っときますけど」
ロキ「これは数十万案件ですから」
  と、脇にいる、ロキを人間化したような
  赤シャツの男が断りを入れて、
  女性は起きないので、
  シャツの丸首を引っ張って
  のぞいたところから
  そのまましようとすると、
  シラーッと冷たい目で見下してくる
  未夏さんの母が入ってきて、
  そのときは俺で、
  女性は未夏で、
  横寝で頭の位置が逆さま
  互い違いになってて、
  サッとタオルケット自分にかけたけど、
  まぁ、未夏さんの母も
  わかってるけど言わない感じで、
  そのまま何も言わず、出て行って
  で、未夏が起きて、
  目を開けて、
  ぼやけたままこっちの顔見て、
  こっちの目の下を
  カリッと人差し指で引っ掻いて、
未夏「ブスって言われた気がする」
  って、言わないよ。
  未夏の前段階の女性はそう思ったけど。
カンゾウ(そういえばカリカリ掻かなくなったな)
  って思った後、目を掻かれて、
  カリカリ掻くのは
  『ホクロを育てる』
  ってやってたんだな、当時。
  掻かなくなって当たり前だ、
  ひどい最後を突きつけられたんだから。
  今掻いたのは右目の下で、
  ホクロない方だしな。
  未夏さんの母も何も言わないし
  お咎めなしで、
  未夏も起きてビクッともしないので
  そのまま二人、掛け布団して、
  添い寝しようかな、
  したいかなって身を寄せたんだけど・・・

〇宇宙空間
  白黒ウサギが合わさって
  宇宙へ飛んでいきました

〇オフィスのフロア
  ゴリさんが、
ゴリ「見てほしいんですよっ」
ゴリ「どれくらいぼやけてるか」
  音楽聴く黒のヘッドホン、
  パソコンにつないで
  二人で一台でセッティングしてるから
  配線がデスク上でふちゃぐちゃだな。
  さて、どのアイコン押せばいいのかな。
  いくつかあるけど、
  マウスとか接続してるのじゃなし
  『写真』かな、とクリックしてみると、
  横並びでスクロールする形で
  連なって出てくる。
  パッと出たのがぼやけてて、
  あっ、出たよ、これ?どれ見ればいい?
  クリアに写ってるのもあるし、
  ゴリさんのプライベートだから
  マウス渡して、
  自分で選んでもらおうかな
ゴリ「どれくらいぼやけてるか」
ゴリ「実際見てほしいんですよっ」
  そうだよねー、実際見てほしいよね
  って同調して、
  ボラがささくれたような・・・
  ・・・ブスはまやかしで、
  実はすごい美人で、
  そのブスで
  優しくしてくれた人と付き合うっていう
  それでそういう男性が現れて、
  美人の姿になってから
  誰が寄ってきても
  その男性と
  親しく付き合っていきました。

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